コロナ禍において、リモートワークを取り入れる企業が増加しました。
リモートワークがニューノーマルの働き方として社会の基準となりつつある現在、会社から離れて仕事をする上で、「モチベーションをどう保つのか」「チームワークを強化するためにはどうするのか」という課題に直面している企業が多いのではないでしょうか。
急速な社会の変化に対応するために、社員が社会的な意義を共有し誇り高く仕事を遂行する概念として「ジャストカルチャー」が注目されています。
今回はジャストカルチャーの特徴とリモートワークの環境下でチームを強くするためのヒントについてご紹介します。
ジャストカルチャーとは
ジャストカルチャーは直訳すると「正義の文化」で、ミスの許されない航空業界や医療機関、原子力発電所などで組織の文化の中核をなす概念です。
「ジャストカルチャー」の重要な要素として4つをご紹介します。
信頼:他から信頼される組織になるという強い決意の下、組織内外と自分への信頼を意味する要素
正義:社会的正義の視点でプロフェッショナル集団としての職業倫理を持つことで、互いに倫理的かつ公正な行動を意味する要素 勇気:前例踏襲などの固定観念を捨てることで本質を捉え、行動に移すことを意味する要素 学習:ミッション達成と成長のために共に学び合う習慣を持つために人材育成と情報共有を行うことを意味する要素 |
社員が自社やチームの社会的な意義を共有し、誇りを持って働くことを意図した概念は、現代のどの業種にも重要な概念の一ついえるでしょう。
リモートワークの環境下でチームを強くするには
リモートワークでお互いに顔を合わせず仕事をする環境下で、チームを強くするにはどのようにするとよいのでしょうか。
2021年現在において、26歳~41歳にあたるミレニアル世代が企業の中でも中堅に位置するようになっています。
多様な価値観を尊重し個性を重んじるミレニアル世代には、「滅私奉公」という発想がほとんどありません。彼らは、公平さや社会への貢献度を重視する傾向にあります。
給与をより多くもらえるだけでは、ミレニアル世代には響かないのが現状です。
自社が「社会に対してどれくらい貢献しているのか」「家族や周囲に誇れる仕事であるか」が重要視されています。
企業は利益最優先の方針から自社の社会的な意義を根幹にする転換期を迎えているといえるでしょう。
企業がジャストカルチャーから得られること
ジャストカルチャーという概念は、航空業界や医療機関、原子力発電所のような特殊な組織に限った話ではありません。
一般的な企業であってもジャストカルチャーを文化に持つことで、社員一人ひとりが仕事の社会的意味を確信している環境作りできるかもしれません。
なぜなら、ジャストカルチャーの概念が文化として根付いた企業では、ミスの原因の矛先を個人に向けません。
ジャストカルチャーでは、許容できるミスと許容できないミスの明確な線引きをします。
問題の矛先をミスを起こした個人に向けるのではなく、ミスは組織に帰属するため、なぜミスが起きたのか本当の原因を徹底的に追究し、再発防止に努めるのです。
そのうえで学習を最大化します。ミスが許されない組織である医療機関や航空業界、原子力発電所などでは特に、二度と同じ過ちを繰り返さないために後継の人材育成においてそれが徹底されています。
ジャストカルチャーに基づき、起きたミスを組織全体で再発防止に努める姿勢と学習を最大化し人材育成を行うことで、社員一人ひとりが仕事の社会的意義を持ちやすくなります。
社員ひとりが目的意識が明確になったチームでは、リモートで働く場所は離れていても強いチームワークを発揮することができるでしょう。
まとめ
今回はジャストカルチャーについて、特徴とリモートワークの環境下でもチームを強くするためのヒントについてご紹介しました。
この記事が今後の組織作りやチーム強化の参考になれば幸いです。