あらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増して、目まぐるしく変化する現代は、将来の予測が困難な状態であることから「VUCAの時代」と呼ばれています。
今回は「VUCAの時代」に求められるリーダー像について解説します。
VUCAとは
VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を並べた造語で、「ブーカ」と読みます。
社会、組織、個人などあらゆるものを取り巻く環境が変化し、先行きが不透明で将来の予測が困難になっている状態を表す言葉です。
アメリカで1990年代の冷戦集結後の複雑化した国際情勢を表す軍事用語として使われた言葉ですが、2010年代になってビジネスシーンでも使われるようになりました。
VUCAの時代のリーダーシップとは
VUCAの時代に求められるリーダーとはどんな人物でしょうか。 リーダーシップに必要な要素について解説します。
データに基づいた意志決定(データドリブン)
組織の意思決定においてデータを基に判断することをデータドリブンといいます。
VUCAの時代には、従来の勘や経験による属人化した要素ばかりを重視するのではなく、データに基づいて意思決定をすることの重要性が高まっています。
例えば、主観的な印象がある人事評価では、公平性を持たせる上でデータ活用は非常に有効になります。
もちろんデータのみを鵜呑みにはできませんが、最終的に人が判断する決定に対して、客観的な指標を決定の範疇に置くことでより正確で公平性のある意志決定がVUCA時代を乗り切るには必要な要素です。
目指すべき明確な方向性を示す(ビジョン)
変動性の高いVUCAの時代だからこそ、確固としたビジョンを持つリーダーシップが重要です。
正確な予測が難しい状況下で、チームに対して目指すべき明確な方向性を示せるかでリーダーの真価が問われます。
明確なビジョンを共有したチームでは、そうでないチームと比べて迷いなくプロジェクトに打ち込めるので目標達成の推進力が大きくなります。
組織の自立性を高める(エンゲージメント)
VUCAの時代において、組織の自立性を高めることも重要です。
そのためには、チームのメンバーのエンゲージメント(※)に着目し、メンバーがモチベーション高く働くことができているかを把握することが大切です。
個別ミーティングなどを通して、メンバーが「気づき」や「成長している実感」を得られるようにする工夫をしてみるとよいでしょう。
※ 補足:エンゲージメント
エンゲージメントとは、基本的に「深いつながりや関係性」を意味しますが、ビジネスにおいては、「企業と従業員」「企業と顧客」の関係性を指します。本項では「対従業員」に関するエンゲージメントに関して解説しています。 |
まとめ
複雑で変化が激しく、将来の予測が困難なVUCAの時代において、求められるリーダー像も変化しています。
多様な変化に柔軟に対応できる人材は、今後様々な場面で活躍していくことでしょう。