サイトで度々目にする「cookieを許可」するかどうかの選択肢ですが、そもそもcookie(クッキー)とは何でしょうか?よく見かけるけど意味を聞かれると少し困ってしまうcookieの基本的な意味と、現在各社で強化されているcookie規制について解説していきます。
cookie(クッキー)の基本
cookieとは、閲覧しているWebサイトの情報がスマホやPC内のブラウザが保存されることです。
Webサーバーから発行される小さなテキストファイルが、ユーザーのスマホやPCにWebサイトの情報として蓄積されます。
ユーザーが再度そのサイトを訪問した時に、スマホやPCに一時保存されているテキストファイルがサーバーに送られ、前回入力した情報が再び表示される仕組みになっています。
例えば多くのECサイトでは、ユーザーのIDなどの情報をcookieで保存しています。そのため、私たちが一度サイトを離れてもまたサイトに訪問した時に、IDが自動で表示され、カートに入れていた商品はそのまま入っているので、便利に買い物の続きができます。
cookieは、先述のようにユーザーの利便性のためと、ユーザー情報を取得することで最適な広告配信をする目的で行われます。
cookieの種類
cookieは、ファーストパーティcookieとサイドパーティcookieの二種類あります。以下で一つずつ解説していきます。
ファーストパーティーcookie
ファーストパーティcookieとは、ユーザーがアクセスしているWebサイトのドメインが発行するcookieのことです。
ファーストパーティcookieはアクセスしているサイトでしか機能しないため、そのサイト内でのみユーザーの情報を取得し保存します。
サードパーティーcookie
サードパーティCookieとは、ユーザーが訪れているWebサイト以外のドメインが発行するCookieのことです。
サードパーティCookieは、複数のドメイン間で共有することができ、訪れているWebサイト以外でも機能します。
そのため、主にWeb上の広告で利用されています。サードパーティCookieによるユーザーの「追跡」が行われ、ユーザーの閲覧履歴から訪問したサイトに関係する広告を表示させる機能があります。
例えば、PCを購入を検討しWeb上で情報収集をした後に、別のサイトにアクセスしたらPCに関する広告が表示される事象はこの「追跡」によるものです。
サードパーティcookieは、ユーザーが意図しない第三者の利用が問題視されており、2018年5月には欧州データ保護規則(通称GDPR)が施行されたことをきっかけにCookieの規制の流れが強化されています。
日本では、日本でもリクルートキャリア内定辞退率問題を契機に、2020年6月にcookie規制に関する内容を盛り込んだ個人情報保護法が改正され、2年後には全面施行が予定されています。
各社のcookie規制について
各社のブラウザでのcookie規制についてご紹介します。
Googleの場合
2020年1月14日に、ChromeにおけるサードパーティCookieを2年以内に廃止していく予定と発表しています。
Appleの場合
2020年3月に、SafariでサードパーティーCookieを全面的にブロックしており、トラッキング防止機能が搭載されたITP(Intelligent Tracking Prevention)で個人情報保護へ強い姿勢を示しています。 2021年にiPhoneやiPadに使われているiOSをサードパーティCookie の対応を厳しくした「iOS14.5」へとアップデートしました。 このアップデートにより、インストールしたばかりのアプリを開く際に追跡の許可についてメッセージが表示され「Appにトラッキングしないように要求」と「許可」の選択をするようになっています。
Firefoxの場合
2019年6月にサードパーティーcookieをデフォルトブロックするv67.0.1をリリースし、コンテンツブロッキング機能を強化しました。
まとめ
今回は、cookieの基本と現在のcookie規制についてご紹介しました。 日本でも2020年の個人情報保護法でcookie規制に関する内容が追加され、2022年には全面施行されます。
cookieを活用した広告戦略を行っていた企業は今後新しい広告配信方法を考える必要があります。この機会にcookie規制の動向にも注目していきましょう。