こんにちは津曲です。
最近一時的にテレワークになり作業効率が思うように上がらない状況ではありますが、早くこの環境に慣れていつもと変わらないスピードで仕事ができるように目指したいと思っています。
リスティング運用はテレワークを導入しやすいので実施されている代理店様も多い一方、普段とは慣れない環境でミスを誘発する心配もあるのではないでしょうか?そもそも広告運用に慣れてなく経験が浅い初心者であれば、テレワークでなくても運用に潜む危険を事前に予見するのは難しかったりしますよね。経験として失敗をして学ぶといったことも必要ですが、毎回失敗して学ぶを繰り返しすぎると都度お客様にも自社にも迷惑をかけてしまうので、できれば実害を出さずにリスティング広告に潜む危険を察知できるようになりたいと思いませんか?
そこで、今回KYトレーニング(危険予知訓練)をご紹介したいと思います。
そもそも危険予知とは
工事や製造などの作業に従事する作業者が、事故や災害を未然に防ぐことを目的に、その作業に潜む危険を予想し、指摘しあう訓練である。ローマ字による表記 Kiken Yochi Training の頭文字をとってKYT(ケーワイティー)、あるいはKY訓練/KY活動(KYK)とも呼ぶ。
主には工場現場などで実施されており、工場ではミスによっては怪我や命に直結するので、KYトレーニングは重要な活動となってますが、リスティング広告の運用においても配信ミスによっては怪我や命の危険はないものの、広告主様にも自社においても多大な迷惑や損害を発生しかねないため、事前にリスクを予見できる様になることは大事かと思います。
まずは、リスティング広告ではの危険予知トレーニングをする前に普段の私生活で起こりうる事例で練習をしたいと思います。
【練習問題】車を運転中の想定
工場や工事現場には携わった方が少ないと思いますので、車を運転中の事例で練習を行いたいと思います。
詳細
まずは下図を御覧ください。
交差点内で中央の緑色の車が右折しようとしています。この状況の中で想定されることを考えてみましょう。
想定されること(一例)
- 青色の車の影に隠れてバイクが確認できず行けると思い発進し接触の恐れ。
- 車とバイクに気を取られて、歩行者に気づかず発進し接触の恐れ。
- 青色の車が右折すると思い発進したが、直進してきて接触の恐れ。
対策(一例)
- 青色の車が右折をしたのを確認後、左右の確認をして発進。
- 発進前に左右の確認をして、いつでも止まれる速度で進む。
- 右折の際は安全が確認できるまで停止し、安全が確認できたら発進する。
もっと危険な想定があるかもしれませんが、思いつく数だけKYができていると思います。大切なのはKYをしてからの対策をどうやるべきかをしっかり考える事で未然に防ぐことが大切かと思います。
では、実際にリスティング広告の状況で考えてみましょう。
【問題1】リスティング広告予算の変更依頼が来た想定
依頼内容
コンバージョン数を増やしたいから来月から予算を10万円から20万円に増額したいという依頼を頂きました。(※配信構成は現状のままで)
想定されること(一例)
- CPA上昇のリスク
- 予算ショートのリスク
- クリック単価の上昇リスク
- 日予算設定変更の失念リスク
対策(一例)
- 1~3の対策としては、予めそれぞれの可能性の有無を確認し、事前にお客様とすり合わせをしておくことで、いざ起こった場合にお客様の想定外の配信結果とはなりにくいかと思います。
- また4に関しては、作業面でToDoリストとしてリマインドする事と、配信設定を第3者にWチェックしてもらうなど、策を講じることで防げそうですね。弊社でも、Wチェックシートを使用して設定に問題がないか確認しています。
リスティング広告を配信する中で、数多くの設定や調整が必要になるため事前にリスクを予見しお客様とのすり合わせをしておくことが重要になるかと思います。
更に新人さんであれば、広告費増額の依頼に舞い上がってしまって、こういったリスクに考えが回らないなんてこともあるのではないでしょうか?
そんな方にも、慣れてもらうためにもう一問いきます。
【問題2】バナー変更依頼が来た想定
依頼内容
今配信しているバナーを新しいものにしてほしいという依頼を頂きました。(※配信構成は現状のままで)
想定されること(一例)
- バナーの追加か差替かの認識齟齬により、誤ったバナーを配信
- 切替えたつもりが、一部入れ替えができておらず、古いバナーのまま配信
- 過去にもらったバナーを誤って差替入稿に使ってしまい誤配信
- バナー審査承認に時間が掛かり、希望配信日に間に合わない
対策(一例)
- 「新しいもの」という曖昧な表現によって、「新しいものに切り替え」なのか「新しいものを追加」なのか認識齟齬が発生しやすいため、予めお互いの認識をすり合わせておく必要があります。
- 2と3に関しては、ラベルの設定や広告名の統一、バナー枚数の確認など、入稿後に確認できる方法を行いながら、「【問題1】の予算変更の日予算設定」と同じように配信設定を第3者にWチェックしてもらうなど、策を講じることで防げそうですね。
- 4の審査については、最近だと感染症の影響などから各媒体で審査に時間がかかっているため、予め希望の配信日時に間に合わない可能性があることも伝えておく必要がありそうですね。
バナーの変更、追加は期間的なイベント、キャンペーンなどによって多く依頼が入る場合があります。その時に慌てて変更したり、確認が疎かになってしまうと広告主様に多大な迷惑、損害に繋がりかねないので、特に注意が必要になります。
他にも使えるリスティング広告におけるKYトレーニング
今回の事例は予算変更とバナーの変更についてのKYトレーニングでしたが、リスティング広告では広告主様からの依頼が他にたくさんあると思います。
例えば、
- キーワード追加・変更
- 広告文の追加・変更
- リンク先URLの変更
- 新商品の追加
- コンバージョン測定地点の追加・変更
- 広告の一時停止・再開
- 配信期間の延長・短縮
などがあり、それぞれの依頼によってヒヤリング項目や設定方法、Wチェック方法などが違うため各項目によって今回ご紹介したKYトレーニングを実践することで、今まで気付けなかったことにも気付けるようになるかもしれません。
まとめ
工事現場や工場などで活かされているKYトレーニングをリスティング広告でも取り入れることで、広告主様へ多大な迷惑や損害の発生を未然に防げるトレーニングができますね。KYトレーニングでは事例から考えられるリスクを色んな人と出し合うことが重要で、自分では想定してなかったリスクに気づけるということが大事だと思います。(一人でやっていてもその人の想像力を超えることはできない為です。)
まだまだ運用初心者という方は、お客さんから頂いた要望に対して、自分なりにリスクを出すだけでなく、先輩や同期にも質問してみることで、自分では思いつかなかった潜在リスクがでてくるかもしれません。ぜひKYトレーニングを周囲の人と一緒に実施して、その先輩方の経験を自分の知見にして、転ばぬ先の杖になったら幸いです。
以上、津曲でした。