Google広告ではスマート自動入札がかなり浸透していますが、未だにスマート自動入札での配信が必ずしも正解というわけではないという状況が続いている印象です。
運用者は自身が担当するアカウントが、スマート自動入札に適しているか、導入後しっかりと改善につながるかどうか的確に判断する必要があります。
そこで本日はGoogle広告の下書きとテスト機能を利用して、スマート自動入札と手動入札のABテストを実施し、スマート自動入札を導入した事例ご紹介させていただきます。
下書きとテストとは
下書きとテストとは、検索キャンペーンやディスプレイキャンペーンで検討中の施策が効果的かどうかを検証することができる機能です。施策導入後どのような影響が生じるかを事前に把握することができます。
検証をしたい施策以外の条件(配信期間・ターゲティング・予算等)は既存の配信と同一条件で検証できるため、データを平等に評価することができます。まずは設定方法から簡単にご紹介させて頂きます。
下書きとテストの設定方法
①下書きを作成
まずは検証を行いたいキャンペーンの下書きを作成します。下書きと聞くと分かりにくいですが、検証元キャンペーンのコピーのようなものと理解すれば問題ないです。検証を行いたいキャンペーンを選択し、下書きの名前を設定します。今回はわかりやすいように「コンバージョン数の最大化」と命名します。
②下書きのキャンペーンで検証したい設定を行う
施策内容を下書きのキャンペーンに反映させます。
今回はスマート自動入札(コンバージョン数の最大化)を検証するので、下書きのキャンペーンに設定を反映させ、右上の適用ボタンをクリックします。
③テストの実施
テストの実施を選択しポップアップの適用ボタンをクリックします。
④開始日、終了日、予算配分の設定
任意でテストの期間と予算配分を設定します。
予算配分は、既存のキャンペーンとテストキャンペーンを同一条件で行うために50%で設定することを推奨いたします。
これで設定は完了です。
配信実績(事例紹介)
今回の事例はこれまで手動入札で配信を実施しておりました。
目標KPIはクリアしていましたが、さらなる改善を狙いスマート自動入札の導入を検討することになりました。
そこで、キャンペーンの下書きとテスト機能を利用し、スマート自動入札のパフォーマンスを検証しました。
案件概要
テスト検証を実施したアカウントの概要は下記のとおりです。
- テスト内容:スマート自動入札(コンバージョン数を最大化)と手動入札の比較
- 対象:指名KW以外の検索キャンペーン
- 予算配分:それぞれに50%ずつ配分
- 商材:高級家具販売
- コンバージョン:資料請求・ショールーム来店予約
- KPI:CPA 30,000円
配信結果
コンバージョン数の最大化と拡張クリック単価のパフォーマンス比較を表にまとめました。
「コンバージョン数を最大化」を利用したキャンペーンは既存キャンペーンと比較し、
- CPAが-46,840円
- CV数が+16件発生
- CVRが0.81%UP
と効率的に配信ができることがわかりました。
また、設定の際、既存キャンペーンとテストキャンペーンの予算配分は50%ずつと指定しましたが、設定通りしっかりと配分されており、検証の精度も申し分ないように見受けられます。
今回の検証結果から、スマート自動入札の導入を進めることになりました。
最後に
今回は下書きとテスト機能の設定方法と、施策の導入事例をご紹介させていただきました。
既存の配信と新規施策を同一条件下で簡単に比較することができるので、下書きとテスト機能は個人的に重宝してます。
現状のパフォーマンスに満足することなく、さらなるパフォーマンスの向上を目指すために、下書きとテスト機能を利用してアカウントの改善を図ってみてはいかがでしょうか。