こんにちは、多々良です。
私はトマトが苦手なのですが、そう言うとトマト食べれる勢の方に「このトマト甘いから!食べてみて!」と勧められることがよくあります。トマト苦手勢の方なら共感していただけると思いますが、このパターンで美味しかったこと人生で一度も無いです。もう何も信じません。
さて今回は、仕様がややこしく挙動が不安なため食わず嫌いな方がいらっしゃるであろうGoogle広告の検索キャンペーンの予算タイプ「1 か月の予算」について、事例を交えてご紹介したいと思います。
予算タイプ「1 か月の予算」とは
予算タイプ「1 か月の予算」について、公式ヘルプでは以下のように説明されています。
1 か月の予算では、キャンペーンの 1 か月あたりの費用を設定します。実際の費用は日ごとに変化する場合がありますが、月末までの間にお支払い金額がキャンペーンに設定した 1 か月の予算を超えることはありません。広告のトラフィックが増加する可能性が高い日にはより多くの費用が使われますが、他の日に使う費用を減らすことで調整されるため、1 か月あたりのお支払い金額は 1 か月の予算内に収まります。
引用:検索キャンペーンの予算について
要するに、各キャンペーンの予算設定が1ヶ月単位で設定できるという代物になります。1日の平均予算設定と比べて、1日あたりの利用コストの変動は大きくなりますが、最終的な利用額はほぼ同じ金額で着地する仕様です。
注意点
1 か月の予算オプションは開発の初期段階にあるため、設定に限りのある場面が複数あります。今後アップデートにより変更される可能性はありますが、現時点での仕様を記載いたします。
設定不可能な条件
以下の条件下においては1 か月の予算を設定することが出来ません。
- Google Ads APIを利用した設定
- Google 広告モバイルアプリからの設定
- 広告配信の集中化を設定しているキャンペーン
- 検索キャンペーン以外のキャンペーンタイプ
- 複数キャンペーン間の共有予算との併用
- Google Ads Editorからの設定
使用できるアカウント
「1 か月の予算」は開発中の機能であり、現時点で使用可能なアカウントと使用できないアカウントが存在しています。実はこの違いに条件などは存在せず、使用できるアカウントは全くのランダムです。今後使用できるアカウントが増えてゆく可能性もありますが、広告管理画面上でキャンペーン予算設定画面にて選択肢がでてくるか見ることでしか今のところ適用の確認ができません。
設定金額に達した場合
利用コストが「1 か月の予算」の設定金額に達した場合、たとえアカウントにクレジットの残高がある場合でも、設定金額に達した時点から広告の配信が停止します。例えば何らかの影響で特定の1日に極端にコストが発生した場合、たとえ月の途中だとしても「1 か月の予算」に達した時点で広告が停止されます。
つまり、月の途中で「1 日の平均予算」から「1 か月の予算」に変更した時に、設定金額が当月の利用コストを下回っていると全く配信されなくなってしまいますのでご注意下さい。一度設定したからと言って完全な手放し運用は危険です。必ず動向をチェックしましょう。
実際に動かしてみた
さて、ここまでご説明してきた「1 か月の予算」ですが、運命に導かれ私も使用できる機会がございましたので、実際に設定して配信してみました!今回は、月の途中から設定を切り替えたため、その場合の挙動についてもご覧ください。
- 配信期間:1ヶ月
- 予算設定切替日:10日~
- 1か月の予算設定金額:42,000円
- 入札方法:自動入札(コンバージョン数の最大化)
- 定休日:週一回(キャンペーンのスケジュールで設定)
日別推移
いかがでしょうか。定休日の配信を停止しているためちょっと見づらいですが、グラフを見る限り1日あたりの利用コストのブレ幅が予算設定変更以前より少し大きくなっているように見受けられます。ヘルプ記載の通り広告のトラフィックが増加する可能性が高い日により多くの費用が使われているようです。また、私が最も面白いと感じたのは、月の途中で予算タイプを変更した場合の挙動です。公式ヘルプには以下のように例が記載されています。
3 月に 1 日の平均予算を 1,000 円に設定してキャンペーンを開始しました。3 月 20 日時点で 20,000 円のキャンペーン費用が発生しており、ここで 1 か月の予算に切り替えて 50,000 円に設定したとします。この場合は、キャンペーンの 1 か月の予算である 50,000 円に達するまで、3 月の残りの 10 日間で最大 30,000 円の追加費用が発生する可能性があることになります。
今回の私のアカウントでは、10日に設定した「1 か月の予算」42,000円は1日~31日の目標利用コストとして設定されます。よって予算タイプ切り替え後10日~31日に使用が予想される金額を計算式に表すと以下のようになります。
42,000円(1 か月の予算設定) - 11,275円(1日~9日の合計コスト) = 30,725円(10日~31日想定コスト)
そして10日~31日に実際に利用されたコストは 30,724円で、最終的にこの月に利用した合計コストは 41,999円、「1 か月の予算」に設定した42,000円と誤差 -1 円という結果になりました。月の途中で予算タイプを変更しても、ちゃんと「1 か月の予算」に従って調整してくれました。まさかここまでピッタリ目標額以内で着地するとは予想しておらず、正直びっくりです。とはいえ期間中の様々な変動によってこの着地金額がブレる可能性は十分にあるため、今回はたまたま運が良かったとも言えます。
考察
活用できる場面
この「1 か月の予算」機能ですが、
- 毎月の広告費上限が明確に決まっている方
- アカウント内で各キャンペーンのご予算割り振りを明確にされている方
- 忙しくて毎日の調整が難しい方
- CV獲得キーワードがある程度定まっているアカウント
などに特に活用していただけるのではないでしょうか?例えば自社で検索広告を運用されており大手企業のような潤沢な広告費のご用意が難しい上、忙しくて毎日手をかけられない方。月初にキャンペーン予算を設定するだけで、トラフィックの見込める日に勝手に注力してくれるため、いくらか運用の負担が楽になります。
活用が難しい場面
逆に活用が難しい場面としては
- 週末のイベントに向けた短期間の告知配信
- 広告の配信開始初動でとにかくインプレッションを増やしたい
- スケジュール設定で週末にだけ広告を出している
- 月を跨いだ限定期間で広告配信を行う
などの場合は「1 か月の予算」設定はそれほど効果が見込めないと思います。配信期間が短かったり、トラフィックの見込みに関係なく出稿したいのであれば、1 日の平均予算を設定し特定の日に費用をかけるべきでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。運用者の方でしたら、ご自身のアカウントで1 か月の予算設定を見たことがある方もいらっしゃると思います。実際に手を出そうにも挙動がわからなくて不安という方に向けて、今回の事例紹介がお役に立てば幸いです。他にも食わず嫌いな機能が、使ってみたら案外イケる!なんてこともあるかもしれません。仕様をキッチリ理解し、運用効率の改善に役立てていきましょう。
以上、多々良でした。