皆さん、こんにちは!
2018年も1月が終わり、とうとう2月となんかあっという間ですね。そろそろバレンタインのシーズンにもなり、そわそわしている人も出てきているでしょうか。ぼくはまだそわそわしてないようです。(焦るような時間ではない)
そわそわと言えば、運用者の皆さん、あるあるだと思いますが、コンバーションがつかないとそわそわしますよね?今日はそんなそわそわをサヨナラできるかも!?な記事をお送りします。
今回はLPをスクロールした割合毎でマイクロコンバージョンを計測、運用施策に活かした事例となります。LPに流入したユーザーがどこまでコンテンツを読んだ(スクロール)したか分かることで、運用上の調整に活かせるデータが取得できた、そんな事例です。
(皆さんお分かりだとは思いますが、そわそわを解消するためにマイクロコンバージョンを設定するわけではなく、成果向上のポイントを多く見つけるためというのが本筋です)
ちなみに、弊社、過去記事にもスクロールした距離でマイクロコンバージョンを計測・設定をまとめた記事がございますので、下記にリンクを記載します。
https://quartet-communications.com/info/listing/technique/41042
案件概要
- クライアント様:東海エリアでシステム開発を事業とされている
- 予算:少額での運用
- リスティング広告の目的:求人応募の獲得
少額予算で広告配信するため、そもそもデータがたまりにくく、求人応募の獲得だけをCVにした場合、改善のためのデータが集まりにくい状態です。
配信構成
今回は「業種×求人」系統のキーワードで構成しています。特筆することとして、本件の求人は通勤でなくてもリモート採用OKという事です。そのため、配信エリアを「通勤」と「リモート」の要件ごとに分け、キャンペーン単位で管理しています。
- 通勤向けの配信:東海3県
- リモート向けの配信エリア:東海3県以外の全国
マイクロコンバージョン導入の背景
クライアント様の要望は月1件程度の応募が欲しいとの事でした。ですが、月に1件程度のコンバーションですと、情報も少なく、運用上何を改善・強化すればいいか基準も設けにくいですよね。そのため別の切り口として流入したユーザーの動きも見れるようにマイクロコンバージョンを設けました。
上記からユーザーのモチベーションを測ると言う意味で、どこまでスクロール(コンテンツをどこまで読んだ)したかを追う事が決まりました。具体的には下記のスクロール割合(到達個所)で計測ポイントを設けています。
<マイクロコンバージョン地点>
- 到達個所1:ページの上部15%(会社名や求人募集の告知)
- 到達個所2:ページの上部30%(実際に働いている人たちの実績や風景)
- 到達個所3:ページの上部60%(求人要件)
- 到達個所4:ページの上部90%(求人フォーム)
としています。では実際のスクロール結果が次の通りです。
スクロールの割合
上図が実際のLPに流入したユーザーのスクロール割合になります。当然、ページ下部(到達個所4)までスクロールしているユーザーは半分以下ですね。加えて、リモートよりも通勤の方がページ下部まで到達したユーザーの割合は多そうです。
みなさん、お気づきでしょうか。ページ到達個所の3~4に至るところで最も大きく離脱(到達率の減少)していますよね。実際の到達フェーズごとに到達割合の差がどれだけあるか集計してみました。
ふむ・・、どうやら到達個所3:ページの上部60%(求人要件)ということは、求人の要件を読んで離脱していると言えますね・・!この傾向から、今回は下記の可能性があると考えられます。
- 求人要件を見た後、他社の求人要件ページに遷移、比較している
→クライアント様の業界上、多くの企業が求人を出しているため。実際に検索すると、多くの企業が広告を出稿していることを確認。 - 求人の激戦区エリアで広告を出している
→「リモート」のクリック数は、大半が東京であった。
まとめると、「業界の競合性が高く、クライアント様の求人は比較対象として見られているのみ」と仮定しました。では、この仮定に対して、実施した施策は下記になります。
施策
- 広告文の切替
- 除外キーワードの徹底
- 配信エリアの縮小
→リモート:東京の削除 通勤:愛知に絞った
要は、勝てる可能性の高いところで、見込みの高いユーザーのみに絞ることを徹底です。ではその結果が下記のとおりになります。
どちらも到達個所4までスクロールしたユーザーの割合が上がりましたね・・!通勤に至っては約50%のユーザーがページフォームまで来ましたね。実際、1月は12月より数件の申込増加があったとクライアント様から連絡を頂き、運用施策の効果が目に見えて嬉しい限りです。
とは言え、一番の収穫としては求人応募の獲得というCVだけでなくマイクロコンバージョンが設定されたことで、どこを改善すれば良いかというポイントが多くみられるようになったことだと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はLPに流入したユーザーの到達率を切り口に、求人申込獲得増加に貢献したと言えることが伝わったと思います。検証期間が短いため、まだまだ経過を観察する必要があります。今後も勝てるエリアで見込みの高いユーザーに絞ることで、到達個所4に行くユーザー割合が増えた結果で、今回の仮説を実証できればと思います。
参考程度ですが、今回のようなLPのスクロールをマイクロコンバージョンにした方が良い案件は多々あると思います。簡単に該当しそうな商材を記載しますので、該当した人は是非お試し頂けたらと思います。※個人的な主観を含んでいますので、そのあたりはご容赦を。
- 高額な商品
- 検討期間が長い商品
- 新商品など実績のないテストマーケティング的な案件
<補足>
スクロールをトリガーにマイクロコンバージョンを計測することは、GTMで簡単に行えるようになりました。テクノロジーでの壁が低くなってきているので、必要な案件には積極的に導入をお勧めします。