クライアントと話の中で「新しい事業のリスティングをしたいんだけどシミュレーションしてもらえないかな?」という会話になる事はよくありますよね。
今回はシミュレーションを作るにあたって利用している想定値が実際の平均値とズレているのではないか、と思い立ち実際に調べてみたので記事にしてみました。
平均CTR、平均CVRはどのくらいか?
現在運用しているアカウントの場合であればCTRもCVRも見えているのである程度予想を立てやすいのですが新規に始まる案件の場合はそういうわけにも行きません。
同じ業種だとしてもLP、知名度、USPやシーズナリティなど様々な要素が影響します。
こういったケースではシミュレーションを行う際に仮にCTRがこれくらいだったら、CVRがこれくらいならという形で仮定して出すのが良くあるパターンかと思います。
私も多くのケースでCVRが0.5%の場合、1%の場合、1.5%の場合といったような想定でシミュレーションを作っています。
1%を中心に±0.5%でシミュレーションを行っているのはCVRの平均が1%だと考えているためです。
本当に平均1%なのか?
シミュレーションを作成する中で「本当にCVRって平均1%なんだろうか」という疑問が沸いてきました。
自分の担当しているアカウントではCVRが1%を超えるケースは珍しくないためです。
そこで本当の平均値はどの程度なのかを調べてみる事にしました。
集計のルール
集計するにしても確認出来るアカウントは弊社で請け負っているアカウントのみになってしまいます。
幸いお任せいただいている案件数は多いのでそれなりの平均値は取れそうです。
ただ検索とディスプレイやデバイスによる違いなども結果に反映されると考えられるため集計方法は下記のとおり行いました。
- Googleのみ(Yahoo!は全期間集計すると時間が足りない)
- 検索とディスプレイを分ける
- 媒体を「PC」「SP(スマホ)」「TB(タブレット)」で分ける
- 年次で集計(平均値の母数を確保するため)
- CV地点は複数ありますが今回は合算
今回は業種もごちゃ混ぜで案件数も弊社の案件のみですので全てに対して言えるというような結果ではありませんが平均で出しているので特定の案件でのみ起こった事象というわけでもありません。
それを加味してご覧ください。
拡張テキストの開始やオプションの追加でCTR、CVRが変化しますが、
今回は平均値のお話なので何故上がったのかという原因解明はしませんので悪しからず。
早速集計してみた結果は下記のとおりです。
デバイス合算の集計
検索は2016年を境にCTRが、2014年を境にCVRが大きく変化しています。
2014年、2016年にAdWordsで何らかの変更があったのではないかと思います。
ディスプレイは2015年のCVRが異常値ですが、それ以降も高い水準です。
ここでも何かがあったみたいです。
デバイス事に分割してみた
それぞれデバイスで分割してみました。
PC
スマホ
タブレット
2014年の検索PCはCTRに変化なしとなっています。
この年にCTRが上がっているのはスマホとなっており、PC、タブレットは2016年以降でCTRが向上しています。
ディスプレイでは媒体別にした事での大きな変化は見られませんが、スマホのCTRが2015年以降2%となっていました。
これ実は検索と同じで2014年からスマホで何かあったのではないかと思います。
スマホは電話番号タップの計測が一般化してきたなどの理由も考えられます。
まとめ
こうやってまとめてみるとCTR、CVRの平均値は年々上がっているように見えます。
システムの精度が上がったりスマホの普及率が上がってユーザーの行動が変わったりと平均値と思っていたものが変化しているという事は有り得そうです。
しかし、電話番号タップや特定のページへ閲覧をCV地点に設定したアカウントなど、リスティング広告に求められる指標の変化もあり、必ずしも鵜呑みにしていい数字ではありません。
あくまで平均値として各案件に合せて判断する事は必要になってきます。
今後も様々なアップデートなどでこういった数値は変化していくものと思います。
頭の中の想定値も常にアップデートしていきたいですね。