こんにちは、黒川です。
今回は、ニッチな商材の運用において、成果が上がった事例を2つご紹介します。
※ご紹介するのはニッチなサービスですので、商材はぼかして仮のものをご紹介しています。そのため、業界の数値データとしては参考にならないと思いますが、ターゲット想定の部分で参考になればとこの記事を作成しました。
案件①:概要
- 商材:ある障害を持つ小学生の学習塾
- 配信媒体:Google AdWords
- コンバージョンポイント:電話での問い合わせ
- 目標:月に4人の利用者獲得
- 実施改善施策:ディスプレイ広告による能動的なアプローチ
案件①:初期構成とその結果
まず1か月目は検索広告のみで配信を実施し、2か月目は検索広告とリマーケティングの配信を行いました。
【検索広告構成】
キーワード:「〇〇障害 小学生 塾」など
→「小学生 塾」というキーワードを軸に、障害の症状別キーワードをかけ合わせたものをメインに配信しておりました。
1ヶ月間の配信結果は以下のようになりました。
目標に到底届いていません。
また、メインで配信していたキーワードとマッチする検索クエリは少なく、部分一致による拡張でクリックを集めていました。
つまり検索広告では、部分一致で拡張させた潜在的なキーワードしか拾えないことがわかり、ピンポイントで、端的にサービスを表す語句の検索母数がそもそもかなり少ないことが課題であることがわかりました。
案件①:上記結果からの仮説
検索母数が少ない=ターゲットユーザーがなんと検索すればよいかわかっていない、知らない
という状態だと想定しました。
そこで、ニッチなサービスであるため、商材に対する認知が低く、検索行動に端的に現れにくい傾向があるのではという仮説を立てました。
そして、検索広告で狙い撃つことは難しいと判断し、ディスプレイ広告による能動的なアプローチが適していると考えました。
その中でも今回はコンテンツターゲティングを追加して1ヶ月配信したところ、結果は以下のようになりました。
電話タップのコンバージョンではありますが、8件のCVを獲得することができました。
(3ヶ月目のCV内訳:検索広告0件、ディスプレイ広告8件)
お客様へのヒヤリングの結果、目標値には届きませんでしたが、1,2ヶ月目よりも電話でのお問い合わせ数は増えたとのことです。
案件①:考察
今回追加したコンテンツターゲティングでは、
障害を持つ子どもの教育・勉強に悩みを持つ親御さんが、悩みについて調査しているタイミングに配信することを狙いました。
(「〇〇障害 小学生」、「〇〇障害 勉強」などのキーワードと関連するサイトへの配信)
このアプローチなら、認知がなくてもサービスを求める人に、広告を効果的に配信することができると想定しておりました。
その結果、コンテンツターゲティングでは検索広告よりも多くのコンバージョンを獲得できました。
よって、今回のケースでは、求めている人がいてもそのようなサービスがあることを知らないため、検索広告で狙い撃つことは難しいのではないかという仮説が合っていたと考えております。
案件②:概要
- 商材:介護求人業界に特化し、チラシ作成・メルマガ配信などの販促、業務上の面倒な仕事などの総合的な代行サービス
- 配信媒体:Google AdWords(検索広告のみ)
- コンバージョンポイント:メールフォームからの問い合わせ
- 目標:月に1件の問い合わせ獲得(実際は客単価の高い商材ですので、1件でもとが取れます。)
- 実施改善施策:ユーザーが商材を活用する際の、具体的イメージを喚起させる広告文でのアプローチ
案件②:初期構成とその結果
検索広告のみで3カ月間配信しております。
【検索広告構成】
キーワード:「介護求人 販促」、「介護求人 チラシ作成」、「介護求人 メルマガ」
などの各詳細サービスに合わせたキーワード
広告文:介護求人の販促や雑務代行 チラシ作成、メルマガ配信などなんでも代行できます~~~~
→販促のみならず、あらゆる業務を総合的にサポートできます、ということを訴求にしています。
以下、上記構成で配信した1ヶ月目から2ヶ月目の結果です。
こちらの案件については、各詳細サービスに関するキーワードと検索クエリはマッチしておりましたが、総合的なサポートを求めていることがわかる検索クエリでの流入はなく、CVにはつながりませんでした。
案件②:上記結果からの仮説
今回の事例も、案件①と同様に、ニーズが明確に検索行動に現れていないのがポイントだと考えました。
ただ、各サービスごとの検索クエリでの流入はあるため、「総合的な代行サービス」が知られていないだけで、詳細な代行サービスはニーズがあるようです。
そこで、今までは「総合的な代行サービス」という具体的にイメージできない広告文訴求であったことで、ユーザーが具体的な活用法をイメージできず、必要とするユーザーを誘導できていないのではないかという仮説を立てました。
その仮設をもとに、各詳細サービスキーワードごとに以下のような広告文を作成してみました。
登録キーワード:「介護求人 メルマガ配信」の場合
広告文:「介護求人でメルマガを活用するなら。その他チラシ作成や〇〇など、総合的にサポートします。」を配信する。
この広告文の目的は、入り口を「メルマガ配信」などのピンポイントな詳細サービスに変えて、まずはそこを求めるユーザーをお問い合わせにつなげるという狙いがあります。
今回の案件では、活用できるイメージを沸かせてからお問い合わせしてもらい、お問合わせに繋がった人には広告主様から総合的な代行サービスもできるとアプローチを掛けていただくという、ご協力を仰ぐ形での広告配信に切り替えました。
その結果が以下の3ヶ月目です。
クリック数が増加し、コンバージョンを3件獲得できました。
案件②:考察
クリック数が伸びた要因は、キーワードと広告文がマッチしたことによる品質の向上と、
クリック率が向上していることから、各サービスを求めるユーザーが具体的にイメージしやすくなったことだと思われます。
この結果から、
詳細な各サービスを求めるユーザーはいても、ニッチで総合的なサービスを広告文で訴求すると、
具体的なイメージが湧きにくく、必要とするユーザーが流入しない可能性があるという仮説が正しかったのではないかと考えております。
まとめ
クエリは、ユーザーがどのような考えで検索し、広告に流入してきたのかを表しています。
今回のように、ニッチな商材でうまくいかない場合は、
案件①のように能動的なアプローチに変えたり、
案件②のようにユーザーが商材を活用する場面を具体的にイメージしやすいアプローチに変えてみる、
という方法が有効かもしれませんので、参考にして頂けると幸いです。
以上、黒川でした。