皆さんこんにちは。早くも私のコラムの順番が回ってきました。
小野周太郎です。
リスティング広告の自社導入において代理店運用かインハウスかの選択は悩ましいところですよ
ね。
そしてそれぞれのメリットやデメリットという議題のお話は、既に偉大なる先人たちの記事によ
って至る所で情報が精査&まとめられていますので、各々で探しましょう(笑)
今回はそこからちょっとだけ趣向を変え、代理店発注前に短期間自社運用、というハイブリッドな手
法をご紹介してみます。
※前提条件としてリスティングを過去1度もやったことが無いケースで単発企画系1ショットプロ
モーションを除く場合として記載していきます。
お勉強不要!?代理店発注前の自社運用のポイント
下準備としては以下のような形が良いといえます。
初期構築
- 自社サービスに対し、超ドンピシャかつコアな主要キーワードを1~3個で出稿する(複数商
材の場合は最優先商材を1つに絞る) - マッチタイプは完全一致
- コンバージョンタグはしっかりと機能させ、成果計測可能な状態にしておく(超絶必須!)
- チャージする広告費は取り急ぎ1週間程度持つと思われるお好みの額を入金
リスティング知識ゼロであってもWEBマーケティングのご担当をされているレベルの方であれば簡
単そうですね。公式ヘルプの閲覧しながらでも1時間程度で作業完了すると思います。
※この場合の主要キーワードとは、渋谷区の豚骨ラーメン屋さんであれば「渋谷 豚骨ラーメン」、
名古屋市のリフォーム屋さんでキッチンリフォームに注力している会社であれば「名古屋市 キ
ッチンリフォーム」などのキーワードを指します。
運用
- 入札は極力、上位(1位~4位辺り)を狙った入札額に調整する
- 上位掲載出来ていてもクリック数が極小な場合、マッチタイプをフレーズ一致に変更する
- 開始から数日後、1日あたりのクリック数が掴めてきたところで1日に必要な広告費を計算する。その時点で1~2週間分の広告費をアカウントにチャージする
- そのままテスト運用を2週間~1ヵ月程度行って終了。お疲れ様でした
1日1回は必ずログインして状況を確認する必要がありますが、キーワードも少ないためチェック項目も少なく、慣れれば1日数分~十数分程度の作業です。
さっそく本題!代理店発注前短期間自社運用のメリット
手順からご紹介しましたがここから本題です。代理店発注前に自社で短期間自社運用するメリットとしては
- クリック単価が分かる。そこから適正予算や目標値を設定できる。
- 1件あたりの獲得コストが分かる
- 代理店とやり取りを行える最低レベルの知識が身につく
- 代理店選びで失敗する可能性が軽減する
- 代理店発注後、余計なストレスを軽減できる
などが挙げられます。
1つ1つ詳しく紐解いていきましょう。
クリック単価が分かる。他にも色々分かる。
文字通り、参考程度ではないリアルなクリック単価が分かります。それも大まかなものではなく、
主要キーワード上位掲載時のデータです。それを数日運用していく事で適正予算も算出出来ます。
想定クリック単価を調査するツールは各種存在していますが、
それらデータはあくまで想定となっているため、ある程度のリアル数値との乖離は避けられませ
ん。実際のデータを得られるというメリットは非常に大きいといえます。
他にも、クリック単価を代理店に聞くという方法も良い選択肢ではありますが、
代理店も前述した同ツールを用いて調査した数値そのままを出してこられると同じ事になってし
まいます。
代理店側が過去の同業種実績から想定クリック単価を教えてくれる場合もありますが、
地域や各種ターゲティング設定、月間予算や目標値に応じてクリック単価は多種多様に増減しま
すので、やはりあくまでも参考値となります。
1件あたりの獲得コスト(CPA)が分かる
コンバージョンが計測できるため、主要キーワード上位掲載時の獲得コストが分かります。
「素人運用のCPAなんて参考にならないんじゃ・・・」
と思う方が居るかもしれませんが、あながちそうでもなかったりします。
前述しましたが、初心者運用でもプロ運用でも渋谷区の豚骨ラーメン屋さんであれば主要キーワードは「渋谷 豚骨ラーメン」が軸になります。(だって、渋谷区の豚骨ラーメン屋さんなんですから!)
このキーワードだけで戦うという縛りの中であれば、プロとそれほど差がつきません。
もしこのキーワードで成果が1件も出せないのであれば、サイト内容や商材などにボトルネックがあるケースが多く、その後プロが広告運用したとしても、多少の成果増こそ出せるにしても、広告運用だけで成果を劇的に改善させるというのは、ケースとしてあるにはありますが、ほとんどありません。
その際は最小コスト&最短期間にて大きな失敗を回避出来たと思ってリスティング広告は一旦保留にし、サイトコンテンツ改善に切り替えていつか再びチャレンジしてみましょう。
無事それなりの成果が出た場合、
その取得したデータを元に短期間運用時の獲得コスト×希望獲得件数から、代理店に発注する際の適性
予算、適正目標を立て、いざ、代理店にお問合せを開始しましょう。
しつこく繰り返しとなりますが、マッチタイプを完全一致にしている事、数キーワードしか出稿し
ていない事で、この条件下(同予算同方針)に限れば初心者運用とプロ運用の差が非常に出づらいです。このリアルデータを活かしましょう。
代理店と適切なやり取りを行える最低レベルの知識が身につく
ご存知の方が多いかと思われますが、外注するからといって全てを代理店任せにする事は危険です。
発注前に少しでも自社運用を行うことで最低限の知識は身につき、代理店とのコミュニケーショ
ンはより円滑なものとなります。
代理店選びで失敗する可能性が軽減される
前述した通り、最小規模でプロ運用との差が出づらい運用手法で蓄積されたデータを保有していると、いざ代理店選定時に複数代理店に問い合わせて提案されるシミュレーション値が、
妥当なのか夢物語なセールス仕様シミュレーション値なのかが判断しやすくなります。
完全には判断できないにしても、代理店から提示される想定成果が良すぎる&悪すぎる際に追加
質問をすべきポイントが見えますので、データを持っているというメリットは大きいのです。
代理店発注後、双方ともに余計なストレスが軽減される
無駄がほぼ無い(件数を増やす施策もありませんが。。)最小規模運用時のデータが取れますので、広告費増額時の成果数は想定しづらくはあっても、獲得コスト(CPA)については非常にリアルな数値、下手すると代理店運用時よりも低CPA(最少予算のため大きな件数は取れませんが)となる場合があります。
それによって広告主側の期待値、代理店側の期待値双方のギャップが抑えられ、お互いに無意味な焦りや不満が軽減され、適正な施策を適切な期間をかけて適切な手順で広告が運用できるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本来は自社テスト運用なんてせずとも最初から代理店に全部お任せしたいところです。
が、
広告主「広告費1万円で成果獲得300件取りたい!」
↓
代理店「ぃよぉろこんでぃ!」
↓
広告主「(えっ!?半分ジョークだったのにマジなの?期待しちゃっていいの?)…じゃあ頼むよ!」
↓
数週間後、炎上。
や、
代理店「アイミツあざます!御社用提案書&シミュレーション策定しました!どうぞ!」
↓
代理店「ドドンッ!どやー!」(広告費1万円で成果獲得300件シミュレーション)
↓
「(えっ!?他の代理店より圧倒的にシミュレーション値が凄い!)じゃあ頼むよ!」
↓
数週間後、炎上。
こんな事にならないよう、代理店へのご相談時に想定成果の良すぎる or 悪すぎるシミュレーションを提示された場合、想定成果が若干ネガティブなシミュレーションを提示してきた代理店を安易に切り捨てず、詳細を確認するようにすると良いですね。
もちろん提示された想定値が良すぎる場合にも根拠を確認しつつです。
それでも不安が拭えない場合、今回ご紹介した代理店発注前の短期間自社運用も検討しましょう!
(そしてそれも難しそうであれば、最低契約期間縛りが短い代理店にテストマーケ目的で依頼しましょう)