前置き
日々の運用、お疲れ様です。
先日、以下記事で、Googleディスプレイネットワーク「コンテンツターゲット」に関して、 使い方によっては、検索広告と同等くらいのパフォーマンスが出せる要素があると お伝え致しました。
Googleディスプレイネットワーク「コンテンツターゲット」で、興味深い結果が出た件
今回は、同じアカウントにおいて、別の視点から、興味深いデータの考察が出来ましたので、
その続編をお伝えしたいと思います。
事例
まず、前回のおさらいという意味で、広告メニュー(検索広告vsディスプレイ広告)別の、アカウントデータが以下となります(直近半年間)。
実は、今回、題材となっているアカウントは、都道府県別に、配信エリアを絞って、運用しているのですが、上記のデータは、関東圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に絞って、配信した結果となります。
それでは、別の配信エリアのデータを見てみます。
こちらのデータは、関西圏(大阪府・兵庫県)に絞って、配信した結果となります。
なお、最初にお見せした関東圏に対する配信結果と、上記の関西圏に対する配信結果とで、配信期間が異なる為、関西圏に対する配信と同じ参照期間に合わせて、関東圏に対する配信結果をまとめてみました。
こちらのデータを見ていただければ、一目瞭然ですが、関東圏に対する配信と比較すると、関西圏の方が、パフォーマンスが悪い結果となっています。
当然、関東圏に対する広告費予算と、関西圏に対する広告費予算とで違う為、広告として、投下できるボリューム(広告の表示回数など)に大きな差が生まれ、結果、獲得数に違いが出てくることは理解できるのですが、特に、釈然としなかった数値として、獲得率があります。
以下のように、関東圏と関西圏との獲得率の差が、2〜20倍というように、大きなものとなっています。
▲関東圏:獲得率
検索広告:7.30%
ディスプレイ広告:0.22%
▲関西圏:獲得率
検索広告:4.66%
ディスプレイ広告:0.02%
配信されているエリアが、関東圏と関西圏ということで、リスティング広告経由で、集客しているユーザーの質が、異なるといえば、それで終わりですが、登録しているキーワードなどは同じであり、リンク先のランディングページなどもほぼ同じの為、 その一言で終わりにするには、あまりにも大きすぎる差であると考えました。
その為、管理画面から取得できるデータを、様々な角度から分析してみましたが、納得のできるデータが得られません。
管理画面からのデータでは、不十分と考え、管理画面外の、当該アカウントの取り巻く周辺情報も調査・分析してみました。
その過程で、「都道府県別の有効求人倍率」に着目しました。
実は、今回のアカウントは、とある業種での求職者に、会員登録を促す求人案件となります。
それでは、「都道府県別の有効求人倍率」を見てみます。
縦の赤線が、「とある業種」の有効求人倍率となりますが、関東圏(青枠)と関西圏(緑枠)とで、 比較すると、関東圏の方が、倍率が高い、つまり、求職ユーザーの割合が多いということになります。 他方、関西圏の倍率は、関東圏と比較しても、低い為、この辺りが、影響していそうであると考えられます。
しかし、1つの事象のみで、判断することは、関連性に不安がある為、他の配信エリアも確認してみました。
以下は、愛知県に対する配信結果となります。
こちらのデータを確認すると、検索広告、及びディスプレイ広告ともに、関東圏と同じくらいの獲得率となっていることがわかります。
また、「都道府県別の有効求人倍率」を見てみると、愛知県(黄枠)の有効求人倍率は、関東圏と同等のボテンシャルを持っていることがわかります。
以上から、今回の、関西圏の獲得率の低さの原因は、「有効求人倍率の低さ」にあると考えられます。
その為、今後、全体的な獲得数を増やすためには、関西圏に充てているご予算を、関東圏・愛知県に充ててみると、さらに、獲得数増の結果になることが予想されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の事例は、リスティング広告を運用する上で、管理画面からのデータだけではなく、周辺情報も加味して、分析・思案すると、別の角度から、回答が得られる、わかりやすい例と言えるかと思います。
リスティング広告の運用において、こういった視点も持ち合わせていると、分析にも広がり・深みが 出てくると思いますので、管理画面のデータ分析で、行き詰まった際には、管理画面外のデータも、 見てみることをお勧め致します。