CVが少なく参考にデータを増やすためや、配信媒体によってCVを切り分ける等の理由で、CV指標を増やすこともあるかと思います。
今回は、そんな時に運用者が陥りやすい罠について、ご紹介します。
とあるリスティング運用者の事例
背景としては、以下の通りです。
・目標:CVの最大化
・CV指標:資料請求
・配信媒体:AdWords、Yahooリスティング
・配信デバイス:PC/タブレット/スマートフォン
CVの伸び代を見るために、1月から予算を増額することになりました。
それに伴い、CVの良好なスマートフォンの配信量を増やすとともに、電話の伸び代を判断するため、電話CVの計測も開始しました。
結果として、以下のように推移しています。
1月以降は電話CVが加算されているため、CVがかさ上げされていることを考慮しても、1月から2月にかけてCVを順調に伸ばせています。
そのため、成果は順調だと判断していました。
しかし、翌月クライアントから連絡があり、予算を増やしたのにCVはまったく増えていない、とお叱りを受けてしまいました。
指標を増やす目的をはっきりさせよう
上記の運用者はいくつか大事な視点が抜けていたようです。
電話CVの計測を開始したのは、コール件数を判断する指標が欲しかったからですが、
その指標が信用に足るかの確認を怠ってしまいました。
CV指標を増やす場合は、必ず売上と相関関係にあるかを確認する必要があります。
上記の事例で、電話CVを除いた資料請求のみのCVで成果をまとめてみると、下記の通りとなっていました。
1月はCVが増加していますが、2月に入ると12月以前と同水準に落ち込み、CPAだけが高騰してしまっています。
1月から2月にかけて電話CVが伸びたのと対照的ですね。
このことから、以下の3点が分かってきます。
- 電話CVが伸びても、実際のお問い合わせ(売上)増加にはつながらない⇒CV指標として適切でない。
- 資料請求CVの増減が実際のお問い合わせ(売上)の増減と相関関係にある⇒資料請求CVを増やすことで、電話を含めた実際のお問い合わせ増加に繋がる
- 2015年1月の資料請求CVの増加要因が分かれば、今後のCV増加に繋げられる。
このように、段階を踏んで整理していけば、CV増加の施策に繋げていけますね。
まとめ
電話CVに限らず、CV計測を行う際はその指標が売上と相関関係にあるかを念頭において設定する必要があります。
その上で、信用に足る指標であればそれを土台にして成果に繋げて行くことが出来ます。
運用者としては、データに振り回されず、上手に使いこなせるようにしていきたいですね。