今までは機能紹介等技術的な話が多かったので、趣向を変えて精神的なところを・・・ご依頼~運用スタートに至るまで、関係性を築くための参考のお話です。
正解は無い話題の代表例ですし、こういう考え方もあるのかぁ・・・レベルで見て頂ければ幸いです!
コミュニケーションのベースマインド
私が普段、お客様とやりとりを始めていく上で意識しているのが「可能な限り相手の立場・気持ちになる」ことです。え、その人じゃないんだから、そんなの無理。確かにそうです。
また、そこに至るクリティカルな情報が無い、という状況もままあります。ですが、コミュニケーションという精神世界を出来ないで諦めずロジカルに紐解く。これが運用者流のマインドだと私は考えています。
どうやってやるの?
まず、自分が持っているお客様の情報を整理します。キーワード選出同様、軸をブラさず「マジカルバナナ」にならずに考えることが重要です。
- どういった背景で依頼を頂いたのか
- どういう会社で、どういう立場の方なのか
- 設定された目標は何か
等、初期段階で最低限与えられるであろう情報を、項目毎に並べます。もちろん、これを眺めただけでは意味がありませんので、点を線にまとめていきます。
点を線にする思考法
先に整理した最低限の情報から、某大企業式の考え方で裏を読み取っていきます。俗にいう「なぜなぜ理論」です。
これを用い、情報の羅列という点を、ひとつのストーリーという線に繋げていきます。
私はしばしば「依頼背景+成果目的」この2つの点を用います。以下例です。
依頼背景 考察例
リスティングのような専門的な分野を自社でやっていた理由。例えるなら、会社設立をしたことが無い人が、法律家・税理士の知恵を借りず一人で挑むようなもの。これを「敢えて」選択されていた依頼背景とは・・・
- 元々WEB広告に半信半疑、お金をかけるリスクをとりたくなかった
- 自社に結構知識があるスタッフがいたので、任せた
- 意外と満足な成果が出ていたが、もっと増やしたいと思い始めた
ここから、他の情報部分と照らしあわせて消去していきます。「2ヶ月」でやめている
- ⇒満足していたならすぐには切らないはず。3は無いだろう。
- ⇒知識があるなら、PDCA上2ヶ月でやめるべきではないと打診するはず。2も無いだろう。
であれば、1が最も近い状況かしら? といった具合です。
成果目的 考察例
ここから、どんな成果を求めているか、という点についても考察。成果目的を考えるにあたり重要なのは「優先度」なぜなら、成果はあればあるほどよいもの、誰もが欲しいものだからです。ここも例題なら「2ヶ月」が結構ポイントです。
スグにやめたという事は、満足な成果がなかった、と考えられます。そのため「成果を増やしたい」という曖昧な言い回しに隠された意図は=安定し長期的に大きな成果を求めるというよりも=成果、と呼べるくらいのレベルでいいから、スグに結果が欲しいのほうが優先順位は高いはず、となってきます。
ストーリー例 あ、これって・・・
これらを組み合わせて、WEB広告にまだまだ疑念があるが、同時に淡い期待も抱いている。その期待を、早期に具現化してくれる運用者を求めている。という依頼までのストーリーが出来ました。それを元に、まずはCVを早期獲得出来るようクリックを最大化しよう!等のスタートアップ方針を立てていくわけです。
そうすれば、齟齬が少ない状態でスタート出来るはず、ということですね。もちろんここまでの話は例ですが・・・アレ、この思考法って「ユーザーのペルソナ」を推察する時に似てません?そう、運用者として普段やっていることと、大差ないことなんです!
コレが苦手だと思っている人にありがちなこと
こう言っている運用者に限って、実は運用スキルがすごくあったりするんです。多くの場合、苦手な理由は単純で「運用とコミュニケーションは別物」という、固定概念だといえます。PCに向かった作業と、自分の口で話す行為が全く違うため、そう感じる事が多いようです。
ですが、実際にはスキルある運用者なればこそとても簡単なことで・・・実はペルソナ想定を、ユーザーではなくお客様に対してさせて頂けばOKなんですね!
最後にひとつ・・・
この考え方がコミュニケーションが苦手・・という意識を変えるキッカケになれれば幸いです!ただひとつ・・・最後にこの話で齟齬を生みたくないところは「推察スキル」ではなく「真摯に向き合うこと」が最も重要であるという点です。
だからこそ、タイトルを「スキル」ではなく「マインド」としています。そもそも、突き詰めれば常に修行中の私達なわけですし「お客様の気持ちを今できる最高まで真剣に考えた」という事に最も価値があると思います。自分が完璧に推察を遂行することよりも・・結果、お客様に何が伝わるのか?がポイントだと。
あくまで、自分の想いを誤解なく相手にご理解頂くための推察スキル。そういう位置づけで、マインドセットを組んでみてくださいね。