皆さんこんにちは! 年末もお客様へのお役立ちを一番に考えご提案に駆け回っている営業マン、小野周太郎です。 今回は営業(プランナー)職向けの記事になります。
営業職の皆さんは営業プロセスや営業マニュアルという言葉を聞くと、100項目などの要素に細分化された難解且つ実践できる気がしない営業ナレッジを想像したりしませんか?
今回はそのような難しいお話ではなく、新規案件単位での営業スタンス(立ち位置)について個人的に重要だと考えているポイントをご紹介します。
※いわゆるソースは俺、というコラムですので異論反論はご勘弁下さい(笑)
セールス? or コンサルティング?
まず真っ先に私が意識している事は、商談先クライアントが我々に対して営業マン的スタンスを求めていらっしゃるのか、コンサルタント的スタンスを求めていらっしゃるのか、をなるべく商談開始数分以内にジャッジするようにしているという点です。
営業マン(セールス)スタンスでいくべき時
例えば名刺交換直後にクライアントから、
「こんにちは。15分しか時間無いから完結に説明してください」
「はじめまして。突然だけど御社の特徴と料金だけ教えて。無駄話はいりませんから」
と指示された場合、重要なポイントを精査したプレゼン中心でいくしかありませんので、こういった場合には自分が取るべきスタンスは分かりやすいですよね。
しかし実際は判断しづらいケースの方が多いので、それらをどう判断するのか?営業マンスタンスでいくべき(いかざるを得ない)状況には以下の共通点があります。
- クライアントの表面ニーズは分かるが真のニーズが分からない
- クライアントのニーズが発生するに至った経緯や、そのニーズはどのような課題を解決するために発生した課題なのかが見えてこない
- 業者選定基準が見えてこない
などなど。 これらの情報をどのようにがんばっても引き出せない場合、コンサルタントスタンスで商談を進めていく事は難しくなりますので、その商談はしばらくセールス寄りのスタンスでいくしかありません。 クライアントがヒアリングにご協力していただけない理由として、NDA未締結状態のためという要因を除くと、ラポール(心の架け橋)形成が出来ていない、という要因であることが非常に多いといえます。
ラポール 【(フランス)rapport】 心理学で、人と人との間がなごやかな心の通い合った状態であること。親密な信頼関係にあること。心理療法や調査・検査などで、面接者と被面接者との関係についていう。 ~コトバンクより引用~
ラポールのテクニックは様々な書籍やセミナーで既に語られ尽くされていますので、お勉強熱心な方であれば特に 「ラポールといえば趣味やら出身やら共通点を探して云々・・・」 というイメージがあるかと思います。
しかしカウンセリングやコーチング関連であればそれで良いかもしれませんが、私としては商談現場においてはなるべくビジネス寄りのお話だけでラポールしたいと思っています。 クライアントもご多忙であるためです。 そこで今回は私が実践していて実際に実績もあがっている、よりシンプルにラポール形成が出来る方法を以下よりご紹介します。
- 会社概要、実績説明で「デキそうな会社だ」と思っていただくプレゼン
- 簡単に自分個人の紹介も混ぜ、「この人デキそうな人だ」と思っていただくプレゼン
- 商談先企業と同業種の業界傾向、自社の知見を伝え「ウチの業界に詳しいね」と思っていただくプレゼン
↓
- 上記条件を満たした上でクライアントの商材に熱心であることを証明するため、自分なりに調べて理解しているクライアント商材の強みやターゲットなどを熱心にプレゼン。
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その結果、クライアントから「いや・・・それは」や、「そうなんですよ。実は・・・」という反応が返ってきたら、ほぼ必要最低限のラポールは形成されつつあるといえるでしょう。 商談勘の良い人はこの瞬間に空気が変わったことをビビビッと感じるようです。
業界用語ですがこの瞬間の現象を、クライアントが傍観者から当事者に昇格するという意味で「土俵にあがる」と表現されることがあります。
その後の流れとしてはセールス寄りでもコンサル寄りでも商談はスムーズに進行していきます。
コンサルタントスタンスでいく場合
特に苦労なくクライアント側から積極的に課題やニーズなどを提供していただけるケースは、このスタンスで向き合います。
注意すべき点は、この時クライアントは業者のセールスポイントを最も聞きたいのではなく、課題の解決策や正しい意思決定の方法、そして目標達成のイメージを求めているという事です。
そのため、売り込みは絶対にNGです。
時には正面、時には斜め上の立ち位置から状況整理・提案を進めて行き、クライアントが正しい判断、正しい業者選定が行えるように全力でお力添えしましょう。
(もちろん、どのような場合には自社を選ぶべきなのかというポイントもお伝えします。)
イメージとしては説得・納得を取りに行くのではなく、メンター(というと大袈裟ですが・・)のようにクライアントを正解へ導いていくというイメージです。
そして大切なのが、コンサルタントスタンスの場合クロージングは不要という点です。
コンサルティング営業が正しく成立していれば、クライアントは正しい意思決定を出来るほどには短時間で成長しています。 正しい知識・判断力が身についたクライアントは、クライアントがクライアント自身に脳内クロージングを自ら行ってくれるのです。
結果、残念ながら自社にマッチしていないと考えられる状況である場合には、そのことを正直に伝え、競合他社であっても他社を紹介するのもアリです。
その判断がクライアントにとって正しい選択であった場合、何年か先に状況が変わった際にはクライアント側から親切な貴方にオーダーの連絡が来ることでしょう。
まとめ
セールス? or コンサルティング?というスタンス判断の重要性は伝わりましたでしょうか。
掛け出し営業マンの頃は
「今日は上手に噛まずに喋れた」
や
「今日はクライアントがウチのサービスを褒めてくれた」
という自分本位な要素にだけ目がいってしまいがちですが、
慣れてきたら1つ上の顧客目線で真剣に商談に向き合っていきましょう。
それでは皆さん、良き営業マンライフを!