本日同業界のとある方と、リスティング広告運用において目標設定能力の重要性を話す機会がありました。
誤解を恐れずに言えば、目標設定能力は運用力や改善能力よりも重要であると個人的には考えていて、弊社もこの部分に出来るだけ力を入れております。
いわゆる目標やKPIの設計能力ですね。
なんでそんなに重要なの?
リスティング広告を始めとするWEB系の広告は結果を数値で見ることができます。それはその後の見直しの際の指標としてとても分かりやすく重要な指標です。
ただその見直しの際の指標というのが現実的でないものだと、どんなに運用を細かくしようが、改善を繰り返そうが、結果としては未達成なので『結果が思わしくない』となってしまうわけです。逆に同じ運用をして同じ数値結果だとしても、目標設定の仕方次第で『うまくいった!』となるでしょう。
具体的には?
例えば、先日とある代理店からの切り替えのご相談の例をお話します。
もともと、現在リスティング広告の出稿を代理店に依頼されているクライアントだったのですが、非常に数値に厳しい印象のクライアントでした。
それで、現在の代理店の印象を聞いてみると
まあ、いろいろやってくれるんだけどさ、結果が伴わないんだよね。だって、目標CPA2000円って言ってるのに、一年くらいたっても達成できないんだよ?
とのこと。
で、実際アカウントを見てみると、まっとうに運用されており、CPAも5000円程度でした。しかも、業界的なCPCを鑑みるとどう考えてもCPA5000円でも大健闘という数値です。
おそらくCPA5000円でもクライアントに十分利益は出ていると思います。
それでも、どうやって決めたかわからないCPA2000円のせいで、まっとうな運用やCPA5000円も評価してもらえず、結果として『あの代理店ダメなんだよねー』という印象になってしまっていました。
完全に目標設定のミスにより引き起こされた不幸ですよね。
こういう時はどうすればいいの?
目標設定はとりあえずの目標というよりも、今後もその数字を中心に仕事を進めていく重要な指標の決定ですので、そういった意識を持つことが大事だと思います。
前述の例ですと、弊社としては、まず粗利などをざっくり把握させて頂き、CPA2000円が現実的でないこと、CPA5000円でも十分に利益が出ると予測されることを伝えた上で、CPAを再設定して頂きました。
そうすることで、弊社の運用者が評価される環境を作っただけでなく、クライアントがその領域で拡大するチャンスを逃すことなく伸びていただく環境を作るというところにもつながります。
目標設定能力がないと、非現実的な目標をたててしまい、リスティング広告の運用がうまく行っていたとしても結果が出ていないと判断され、クライアントもリスティング広告に失望し、リスティング広告から撤退したら、ライバルがグングン伸びてきた、なんて悲しいことも起こりえますよね。
こういったことは、クライアントも勿論、まっとうな運用者の評価やモチベーションも下げてしまうので、目標設定能力というものが非常に重要だと考えています。
まとめ
目標設定能力を向上させるには、自身のマーケティングセンスを磨くことも勿論ですが、まず第一にクライアントのビジネスモデルの理解が必要です。
- クライアントはどうやって儲けているのか?
- 粗利は?
- 問い合わせからの成約率は?
など、管理画面に出てこない数字をクライアントにヒアリングするということがシンプルかつ重要です。
この辺りは運用者だけでなく、営業担当者も担っているセクションかと思うので、案件に関わる全員がこういった意識を持って取り組みたいですね。