リスティングをやる上で重要な指標の一つとしてCPC(クリック単価)があります。
たとえば自分が広告を出そうと考える際、その業界のCPCが高いか安いかで言えばどちらが良いですか?
『そりゃー、広告費が安く済むほうが費用対効果出しやすいので安いにこしたことはないでしょ!』
なんて考えて、安いほうが良いと答える方が多いのではないでしょうか?確かにその通りです。間違いだ、なんて言うつもりはありませんが、実はCPCが安いことがデメリットになる場合もあったりします。逆にCPCが高いことがメリットになる場合もあります。
CPCが安い、ということの定義
ここでいうCPCが安いというのは10円だから安いとか、そういう意味ではなくその広告で得られる利益に対してCPCが安すぎるという状況のことを考えてください。
たとえば以下の様な状況です。
ECサイトで粗利が50万円の商品を売るためのキーワードのCPCが100円でCVRが1%
粗利が50万円に対して、CPAが1万円ですのでかなり美味しい状況ということです。1万円かけると50万円もらえる、そんなイメージですね。
こういった状況は粗利に対してCPCが安すぎるために発生しています。
なぜそんなことになるのか?
上記のような状況で考えられる原因は簡単には2つです。
- ライバルが不在、もしくは需要に対して少ない
- ライバルよりも粗利率が圧倒的に良い
後者のパターンは稀なケースですので、ほとんどの場合が前者であると考えられます。
つまり、CPCが安いということはライバルが少ない、といったケースが多いと考えられます。
それを踏まえるとCPCが安いとどんなことが起きやすいか
CPCが安いということは、ライバルが少なく儲かりやすいマーケットであっただけで簡単にライバルが参入可能ということです。適当に無駄撃ちしながらリスティング広告を出稿しても簡単に儲かってしまうからです。
つまり、CPCが安いということは一時的に発生した好景気というだけで、もしかするとライバルが気づけばすぐにレッドオーシャンになってしまう可能性があります。
逆にCPCが高い場合、適当に無駄撃ちしながらでは儲かりません。ちゃんと費用対効果の合うキーワードやプレースメントなどに対して効率的に出稿することで初めて利益を出すことができます。
こうなってくると、簡単にはライバルの参入はできません。ちゃんと利益から逆算してしっかり計算をして運用している会社であれば生き残れますが、そうでない場合ついていくことが不可能になりリスティング広告から撤退を余儀なくされます。
ただし、CPCが高いマーケットでしっかり利益を出せれば、CPCが高いことが参入障壁になり、ある程度の期間その状態を継続することが出来るはずです。
まとめ
CPCが安いというのはもしかするとライバルの参入がしやすく、一時的に儲かるだけの脆いマーケットという可能性がありますので注意が必要です。
CPCが高いというのはデメリットだけではなく、ライバルが参入しづらく、ここで勝負できるようにしっかり計算してリスティング広告に取り組めば長期間において利益を出すことが可能になります。
目先のCPCに振り回されず、自分の市場を把握してリスティング広告の運用をしていくことが大事ですね。