みなさんこんにちは。
本日は、リスティング広告運用者が良く陥りがちな罠である意味のないデータ分析についてお話したいと思います。
意味のないデータ分析とは一体何か?罠とは?
まずは以下の2つのケースを御覧ください。
ケース1:結局何も得られなかったの巻
運用者
「っけねー!今月成果がイマイチだ!原因を分析してしっかり対策しないと!
こんなときはセオリー通りアカウントをマクロからミクロに見て分析をしよう!
まずは、キャンペーン別に成果のつき具合を見て、次に広告グループ、キーワードを見て・・・
そうか、デバイス別でも見なくちゃ!あ、曜日時間帯ではどうかも忘れずに見なくちゃ!
こいつぁ~時間がいくらあっても足りねーぜ!(ハイテンション)」
~ 数時間後 ~
運用者
「ふぅー!いろいろな角度から分析してやったぜ!ここらで一旦整理しよう!
どれどれ、デバイスはスマホが良さそうで、曜日では週末が良さそうと・・・
キーワードとしては○○○が一番成果がついていて、アカウント全体としては予算が不足気味と・・・
・・・
・・
・あれ、俺は一体何をしようとしてたんだっけ・・・?」
ケース2:言われた通りに分析しましたの巻
部長
「最近のリスティング広告運用においてスマホはどんな調子かね?傾向を分析してくれたまえ。」
運用者
「ぃよぉろこんでぃ!」
~ 数時間後 ~
運用者
「部長!言われたとおりスマホに関する分析をお持ちしましたー!
まずはスマホのCPAは○○円です!CVRは○○%でCPCは○○円です!PCと比べると○○%ほど成果が良いですね!ちなみに、全体予算の○○%をスマホが占めていて~~~」
~ 10分経過 ~
運用者
「以上がスマホに関する分析結果でした!一応印刷したものもお持ちしましたので後ほど確認してみてください!」ドサッ
部長
「・・・・・」
運用者
「・・・・・(ドヤ顔)」
何がいけなかったのか?
ケース1の罠
ズバリ、本来の目的を忘れ様々な分析手法を試すことが目的になってしまったことですね!
成果が出ていないという焦燥感もあるかもしれませんが、なまじ色々な分析手法を知っているがゆえに分析手法ごとに様々な結果が得られることに謎の安心感や満足感を覚え、いつしか手段が目的になってしまうパターンです。
また、マクロからミクロに見ていくというのは分析のセオリーとして広く知られる内容ではありますが、あくまで手法であり、マクロからミクロに見ること自体は分析とは言わないという点も注意ですね。更に言うと、アカウント内でのマクロからミクロだけではなく、アカウントを飛び出してユーザーペルソナやランディングページ、クライアントのビジネスモデル等も含めてマクロからミクロにみていくということも必要になります。
ケース2の罠
ズバリ、目的を確認しないまま分析を始めてしまったことですね!
原因の一端は上司である部長の伝え方が悪いことにもあるのですが、分析を行う者として何のためにどんなデータが欲しいのかは最低限確認しておくべきでしたね。
目的を共有できていれば、部長の意思決定に役立つ分析のみを行えば良いので無駄な分析を減らすことができたはずです。
データ分析の目的
データ分析の目的とは何でしょうか?
それは、データ分析結果を何かしらの意思決定に活かすということです。
膨大なデータを高度な数値計算により分析しようとも、得られた結果を意思決定に繋げられないのであれば(少々過激ですが)それはただの数字遊びにすぎないということです。
リスティング広告運用において、コンバージョンが付いた(付かなかった)理由を、デバイス・キーワード・曜日時間帯・デモグラフィックなどから多角的に集計し分析しようとも、その結果を次の施策に繋げられないのであれば時間の無駄です。
上司やクライアントへの報告も、相手が意思決定を行えない分析結果を伝えても全くの無駄です。
データ分析に携わる場合は上記の点をしっかりと意識できると「お、こいつ使えるな!」的な印象を周りから持たれること間違いなしです!
ただデータを集計する人ではなく、しっかりとデータ分析を出来る人になれるよう頑張りましょう!