突然ですが、リスティング広告の運用者にとってコンバージョンとは何でしょうか?
直訳すると「転換」「転化」「変換」という意味ですが、マーケティングでは『最終的な成果』のことをコンバージョンと表す場合が多いです。
コンバージョンが取得できて「成果が出た!」「良い調子だ!」、逆に取得できなくて「心配」「成果がでない」など一喜一憂している運用者もいると思います。
しかし、「コンバージョン」を取得できたら本当に成果が出ているのでしょうか?
逆に取得できてなかったら成果がでてないのでしょうか?
その疑問を少しでも解消するために、もう少し広い視野で「コンバージョン」について考えていきたいと思います。※あくまで個人的な考え
コンバージョンは「成果」より「指標」に近い
通販の購入完了ページがコンバージョンポイントの場合は、商品を購入しているため「成果」として見ても問題ないです。
ただ下記のようなコンバージョンポイントが設定されていたらどうでしょう。
- 電話
- お問合せ(フォームなど)
- 資料請求
電話が間違い電話だったら、営業電話だったら、いたずら電話だったら…?
ちゃんとしたお問合せ電話でも受注をしなければ利益にならない可能性も高いです。
つまり、コンバージョンは「成果」に直結するものではなく「可能性」でしかない場合のほうが多いと考えたほうがよいと思います。
電話コンバージョン100件取得できて、お客様に報告したら実際は10分の1も有益なお問合せではなかったとしたら少なくとも90件は「成果」ではないですよね?
そのため、一度コンバージョンは成果という考え方を改め成果の付いたキーワード、広告文など様々な良し悪しを決める「指標」として考える必要があります。
コンバージョンポイントによって質が変わる
1つ前に出てきた「電話」「お問合せ」「資料請求」のコンバージョンポイントですが、お客様の商材やサイト構成、地域毎のユーザー特性によって「コンバージョンの質」が変わってきます。
ここでいうコンバージョンの質とは下記のようなことを指します。
今回の例では、「お問合せ」のコンバージョン件数が30件で一番低いですが、有益なお問合せに一番繋がっているコンバージョンポイントになります。
同じぐらいのCPAであれば、お問合せでコンバージョンを取得できたキーワードやその他ユーザー属性に注力したり、そこに合わせた構成に変えてみたりできたらお客様の「成果」は上がると思います。
広告配信スタート時であれば、お客様に今までお問合せで成約率が高かったのはなんだったのか?など聞いた上でコンバージョンの指標の重きをどこに置くかを予め決められれば、後々の最適化が早くなると考えています。
有益なお問合せから成果になる打率を考えた真のコンバージョン
では、上記の流れでもっと先を見据えてみましょう。
お問合せが有益な意味のあるものだったとしても、お客様の成果となるかどうかはお客様次第となります。ただ、どのコンバージョンポイントの件数を多くしたかによってもお客様の打率によって成果は変わってくる可能性があります。
例えば下記のようなイメージです。
先程は『お問合せ』がCV30件中、有益なお問合せが25件で一番質が良いと記載しましたが、その後のアクションとしてお客様と実際にお問合せを行った顧客の成約率をコンバージョンポイント毎に見てみると『電話』の成約率が高く成果もコンバージョンポイントの中で一番多い件数になっています。
ここまで考えてコンバージョンポイントの注力度を変更しながら運用するのはお客様の協力無くしては実現できませんが、これが出来れば本当の意味で成果の最大化ができると考えています。
コンバージョンとは
つまりコンバージョンとは、お客様の利益を最大化させるための指標として活用するという考えが一番近いと考えています。直訳で考えても、よくわからない情報を有益な情報へ「変換」するという意味として考えたらしっくりきます。
そもそもコンバージョンを取得できないから指標も何もわからない!!!という方は下記のマイクロコンバージョンという手段もあるため以前の知っとくをご参考にして頂けたら幸いです。
【リスティング広告】通常コンバージョンとマイクロコンバージョンについて考えてみた
まとめ
コンバージョンは、ゴールではないです。
コンバージョンが100件あってもお客様の成果はほぼなかったり、毛色は違いますがコンバージョン0件でも成果が出ている場合もあります。
大事なのは、リスティング広告という手法を使ったときに「お客様の利益をどこまで底上げできるか」という部分です。
コンバージョンは、それを成すための大事な指標です。ただコンバージョンが取得できたらOKで思考を止めないでください。むしろ取得できてからがスタートだと思ってください。
時と場合、状況に応じてコンバージョンの使い方・考え方は色々あると思いますが、コンバージョンの考え方の一つとして参考にして頂けたら幸いです。