今回はGoogle広告に備わっている機能のひとつ「パフォーマンスプランナー」の活用について紹介しようと思います。
パフォーマンスプランナーでシミュレーション
皆さん、「パフォーマンスプランナー」という機能をご存知でしょうか?
弊社の過去記事でも2019年2月にご紹介しておりますが、当時は「予算プランナー」という名称で、リリース間もなかったのかヘルプ記載もなかったようですが、その後に現在の名称に変わり、ヘルプにも下記の通り記載されております。
Google公式ヘルプ:パフォーマンス プランナーについて/パフォーマンス プランナーの導入
名称は変わっておりますが、使い方については大きな変化はないので過去記事を参照いただければと思いますが、どんなことができるのか簡単に説明したいと思います。
パフォーマンスプランナーで何ができる?
ヘルプに記載がありますが下記のようなことができます。
- キャンペーンの予測を確認する。
- キャンペーンのさまざまな設定を調整して掲載成果を確認する。
- 季節性の傾向に基づく最適化案を理解する。
- 複数のアカウントやキャンペーンの予算を管理する。
季節性の傾向も盛り込んでくれるということで驚きですが、「予測結果は過去 7~10 日間のデータを基に、季節ごとの要因を考慮して毎日更新される」とのことです。
また利用には下記の要件を満たしている必要があります。
- 72 時間以上運用している
- 過去 7 日間に 3 回以上クリックがあった
- 過去 7 日間にコンバージョンが 1 回以上発生した(コンバージョン重視のキャンペーンの場合)
- 手動のクリック単価(CPC)、拡張 CPC、クリック数の最大化、コンバージョン数の最大化、目標広告費用対効果(ROAS)、または目標コンバージョン単価の入札戦略を使用している検索キャンペーン
要するに、直近の配信状況をもとに先々の配信結果を予測してくれるというものですが、実際に使ってみて結果画面を見た方がわかると思うので早速使ってみましょう。
予測結果
使い方は簡単で、予測したいキャンペーン(複数可)を選択して、下記の項目を入力すると一瞬で予測結果が表示されます。※利用条件に満たない場合は選択できないキャンペーンもあります
- 予測したい期間
- 指標(コンバージョンorクリック)
- 予測に用いるCVR(過去7日間/30日間/90日間/前年同月)
予測結果は下記のような予算に対するコンバージョン数のグラフが表示されます。
今回は予算10万円で獲得できるコンバージョン数を見積ったところ、CPAは3,230円で31件獲得できる見込みがあるようです。またカーソルをグラフに当てる(上図では費用40万円付近)と予算に対するコンバージョンの獲得見込みがポップアップ画面で見られます。
グラフ右の「現在の予算で得られる最大コンバージョン数」を「この費用における最低平均CPA」に切り替えると下のグラフのように縦軸を平均CPAにしたものも表示できます。
この結果からわかること
上記の予測結果をみると、予算を上げれば50万円くらいまではコンバージョン増加につながるということです。インプレッションシェアにまだ余裕があり配信量自体を伸ばせばコンバージョン獲得できる状況ということでしょう。一方、CPAも予算の増加に伴い上昇することになるので、許容できるCPAに余裕があるなら予算増額でコンバージョンは増加できる可能性が高いと思われます。
あくまで現状の配信結果をベースにしているため、キーワードの除外や広告文の見直し、LPの改善などでCVRが向上すれば予測値も変わってくるので、予算増額とともにCVRの改善施策も進められるといいですね。予測結果は見積もり後にCVR値を変えて結果を調整することも可能なので、例えば今より0.5%改善できれば、CV数、CPAがどうなるかもすぐ反映できます。
別のキャンペーンで見積もり
上記とは別のキャンペーンについても見積もってみました。結果は下図。こちらの結果を見ると現状12万円の予算で配信していますが、これ以上予算を上げてもコンバージョンの増加は限定的のようです。こちらのキャンペーンではインプレッションシェアは9割以上となっており、これ以上予算を上げても配信量自体が伸び悩み、コンバージョンも増えないという予測ではないかと思います。
この場合は新規キーワードの追加やマッチタイプの変更(部分一致の活用)にすることでリーチの拡大を目指す必要がありそうです。
Google広告ではMUGENという、これまでhagakure、GORINに続くフレームワークの推奨をしていますが、その中のひとつにもキーワード追加、部分一致の活用を掲げております。
これまで部分一致のキーワード登録だと、場合によってはCVにつながらない、CVRが低い検索ワードでの広告表示、クリックを招いてパフォーマンス悪化につながるため、核となるワードを絞り込んで登録していたりする方も多いかったのではないかと思われますが、最近は機械学習の精度がさらに進んでおり、学習が進むにつれてCVにつながりにくい検索ワードに対しては徐々に広告表示が減っていくとのことです。一方で絞り込み部分一致ではキーワードが拡張されず、配信に至っていなかった検索ワードでのCV獲得も期待できるため、部分一致キーワードの配信が推奨されるようです。
ただし、MUGENでの広告構成はHAGAKURE、GORINができている状態で適用することがベースであり、効率的な配信ができている状態で最も効果を発揮します。また部分一致キーワードでのリーチ拡大も機械学習が進むまではCPA、CVRの悪化が懸念されるので、別途運用者の判断でキーワード除外を進めていくことがパフォーマンス維持したままリーチ拡大できるポイントになってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?リリースから1年程度経つこともあり、使ったことがある方も多いかもしれないパフォーマンスプランナーですが、予算見直しでの成果獲得増加が見込めるのか、そもそもパフォーマンス改善に何が課題となってくるのか、見積もり結果を参考に検討してもいいと思いますし、単純にお客様への予算提案に簡単に使えるツールなので、ぜひ活用してみてください。
以上、リモートもいいけど早くオフィスに出社したい今井でした。