こんにちは!突然ですが、広告文において、「資料請求」、「まずは会員登録」、などの文言を見たこと、もしくは使用したことはありますでしょうか。上記の文言はリスティング広告の広告文に使用されているのをよく見ますし、私自身、広告文の表現の一つとして記載することもございます。では実際のところ、「資料請求」と書かれた広告文から入ってきた人は、「資料請求」しやすいのでしょうか…?「まずは会員登録!」と書かれた広告文から入ってきた人は、「会員登録」しやすいのでしょうか…?
上記の点についてふと気になったので、広告文における「資料請求」、「まずは会員登録」、などのコンバージョンポイントを指す文言と、そのコンバージョンポイントのCV数・CPA・CVRとの関係性について、今回は実績を比較しましたのでご紹介します。
※今回の検証を見越して広告文を作成したわけではありませんので、他の施策による効果や配信期間の影響は多分にございます。こちらはご了承ください。
検証における仮説
今回の検証に至った理由として、以下の仮説を思いついたことが背景になります。
仮説:コンバージョンポイントを広告文に記載することで、その記載を見たユーザーはサイトにおけるゴール(なにをすべきか)を認識し、コンバージョンに至りやすくなるのではないか
私自身強く感じるのですが、「どうしてほしいか」を先に伝えられると、興味が出た時、その行動に移りやすいですし、皆さんもそう感じることがあるのではないでしょうか。
この仮説について本当にそうなのか、
複数アカウントごとに、広告文の訴求とコンバージョンポイントへの影響(CV数・CPA・CVR)を実績比較しました。
アカウントについて
検証に記載したアカウントは、特別な施策を実施しているように見受けられず、基本的な施策を実施しているアカウントをピックアップしております。
アカウント①
アカウント①:概要
- 商材:小学生向けの塾
- コンバージョンポイント:資料請求
- 広告文:A,Bの2パターン
- 3カ月間の配信データ比較
広告文の訴求内容をパターン別に紹介します。
広告文A:「まずは資料請求!」と記載された広告文
広告文B:「資料請求」という文言は記載していない、別の訴求の広告文
アカウント①:広告パターン別数値データ
下の表のコンバージョンは、「資料請求」のコンバージョンとなります。
※コンバージョン単価、コンバージョン率も同様
広告文Aの方が、「資料請求」に至りやすいという結果になりましたが、使用した広告費に差が生じており、このアカウントのデータだけでは効果を断言できません。
アカウント②
アカウント②:概要
- 商材:賃貸マンションのポータルサイト
- コンバージョンポイント:会員登録
- 広告文:A,Bの2パターン
- 6カ月間の配信データ比較
広告文の訴求内容をパターン別に紹介します。
広告文A:「まずは無料会員登録」と記載された広告文
広告文B:「会員登録」と記載されていない、別の訴求の広告文
アカウント②:広告パターン別数値データ
下の表のコンバージョンは、「会員登録」のコンバージョンとなります。
※コンバージョン単価、コンバージョン率も同様
広告文Aの方がコンバージョン単価、コンバージョン率が良いことがわかります。そのため、会員登録訴求のある広告文Aの方が成果を効率的に獲得できており、今回の仮説に沿った結果と見受けられます。
アカウント③
アカウント③:概要
- 商材:福祉系の求人
- コンバージョンポイント:会員登録
- 広告文:A,Bの2パターン
- 3カ月間の配信データ比較
広告文の訴求内容をパターン別に紹介します。
広告文A:「まずは無料会員登録」と記載された広告文
広告文B:「会員登録」と記載されていない、別の訴求の広告文
アカウント③:広告パターン別数値データ
下の表のコンバージョンは、「会員登録」のコンバージョンとなります。
※コンバージョン単価、コンバージョン率も同様
こちらのアカウントについては一転して、広告文Bの方が成果獲得の効率が良いという結果になり、仮説に反する結果になりました。
アカウント④
アカウント④:概要
- 商材:中学校の生徒募集
- コンバージョンポイント:体験入学の申込
- 広告文:A,Bの2パターン
- 2カ月間の配信データ比較
広告文の訴求内容をパターン別に紹介します。
広告文A:「体験入学受付中」と記載された広告文
広告文B:「体験入学」と記載されていない、別の訴求の広告文
アカウント④:広告パターン別数値データ
下の表のコンバージョンは、「体験入学」のコンバージョンとなります。
※コンバージョン単価、コンバージョン率も同様
広告文Aの方がコンバージョン単価、コンバージョン率が良いことがわかります。
そのため、体験入学訴求のある広告文Aの方が、成果を効率的に獲得できており、仮説に沿った結果となりました。
結果・考察
実績比較の結果、明確に広告文の表現によって成果の良し悪しが決まる!というようなCV差ではありませんが、広告文にコンバージョンポイントの表現を記載した方が、反応(CVR、CPA)が良いように見受けられますね・・!
これは、「何をしてほしいか」というのがユーザーの心理にもしかしたら働いて、広告文A,Bから来たユーザー同士でも、ゴールへの意識に差が生じたのではないかと考えられます。
次回は、実際に「会員登録」や「資料請求」などの表現するポイント以外を全く同じ訴求内容にした広告文で検証した内容を記事にする予定です。
まとめ
如何でしたでしょうか。
今回の記事で、広告文の表現・伝え方一つで、ユーザー側が「どう感じるのか」「どのような行動をとるのか」というユーザー心理の部分を深く追求してみることは、面白いものと感じました。データの向こうには、実際に行動したり、思惑のあるユーザーが存在しています。それを踏まえた広告文を作成する、ということまで考える必要が運用者にはあるのではないでしょうか。
普段からこのことを意識されている方は当然と思われると思いますが、改めて意識の重要性をお伝えできれば幸いです。それを忘れない運用者であり続けたいですね。以上、黒川でした。