今回は9月にGoogleから発表・実装のあったYoutubeの「ダイナミックラインナップ」についてご紹介いたします。
ダイナミックラインナップとは
ダイナミックラインナップは、拡張コンテンツターゲティングの技術を利用した動的ラインナップ機能です。「ラインナップ機能ってなんぞや…。」となると思いますが、ヘルプやGoogleの公式ブログを読み解くに、広告主が広告したい商材に対して、関連している動画を視聴しているユーザーに広告表示ができる機能、という理解で良さそうです。まさにコンテンツターゲティングですね。しかもこのターゲットはプレースメントとしてパッケージ化されているため、広告主さまの商材に応じたラインナップを選択することである程度の枠の中でのコンテンツターゲティングを展開できるようになります。
今まで、カスタムオーディエンスなどではYoutube動画の動画カテゴリをターゲティングする事はできなかった、もっと言えばあいまいなターゲティングしか出来なかったので、そういう意味では新しい機能かと考えております。
より具体的な例を挙げるのであれば、美容関連の商材をTrueviewで売り出すのに、Googleが動画ジャンルごとにパッケージングしたプレースメントパックの中で広告展開が出来るようになった!というような感じになるかと思います。あるようでなかった感じですね。
こちらの機能は、アカウントごとに使用できる、出来ないはあるようですが、すでに日本でもローンチされております。参考までに展開されている国は以下の通りです。
- オーストラリア
- ブラジル
- カナダ
- フランス
- ドイツ
- インド
- 日本
- メキシコ
- イギリス
- 米国
設定方法
キャンペーン作成
キャンペーン作成時にはもちろん、動画キャンペーンを選択してください。ただし、ダイナミックラインナップを使用する際は入札戦略で「目標インプレッション単価」か「コンバージョン数の最大化」が選択できる動画広告タイプを選択してください。今回はサブタイプで「コンバージョンの促進」を選び、コンバージョン数の最大化でキャンペーンを組んでいきます。
全般設定とターゲティング設定
続行を押したあとは、以下の各項の設定を正常にすることで、ダイナミックラインナップを設定できるようになります。
ネットワーク
ネットワークは「Youtube動画」のみになるようにチェックをします。
コンテンツの除外
次の「広告枠のタイプ」と「除外済みタイプとラベル」は必須設定というよりはダイナミックラインナップの設定に当たっての推奨設定となります。ラインナップの中からこの制限で広告表示できなくなる動画も存在すると考えられるため、出来れば以下の推奨設定にするべきかと思います。(表示できなくなる動画が存在すると想定できる理由は後述)
広告枠のタイプ
広告枠のタイプは「標準広告枠」か「拡張広告枠」を設定します。「制限付き広告枠」は推奨されません。
除外済みのタイプとラベル
デジタルコンテンツラベルは除外をしない設定にしましょう。
その他のターゲティング
オーディエンスターゲティングやユーザー属性、コンテンツターゲティング(キーワードなど)は除外も設定もしないようにしてください。
プレースメント
ここでようやく「ダイナミックラインナップ」を選択できるようになります。条件が多いですが、ここまでくればあとは商材にあったラインナップを選ぶだけです。現時点で452個あるラインナップから広告商材に合ったプレースメントを選択しましょう。
これで動的ラインナップの設定は完了です。
ラインナップ
ラインナップ一覧を載せたいところではありますが、450以上のラインナップがあるので、すべてを載せるのは難しいです。そのため、個人的に思った特徴と日本でも使えそうなラインナップを私見でピックアップしてみました。
ラインナップが国ごとで分けられている
国ごとにラインナップが分けられているおかげで、各ジャンルのその国のYoutuber、企業の動画をそのままプレースメントとして設定できるようなイメージだと思われます。例えばビジネス関連だけでも以下のようにものすごい数があります。
ビジネス、金融(インド)
ビジネス、金融(イギリス)
ビジネス、金融(米国)
ビジネス アイデア、蓄財術(オーストラリア)
ビジネス アイデア、蓄財術(ブラジル)
ビジネス アイデア、蓄財術(カナダ)
ビジネス アイデア、蓄財術(フランス)
ビジネス アイデア、蓄財術(ドイツ)
ビジネス アイデア、蓄財術(日本)
ビジネス アイデア、蓄財術(メキシコ)
ビジネス アイデア、蓄財術(イギリス)
ビジネス アイデア、蓄財術(米国)
ビジネス ニュース(イギリス)
ビジネス ニュース(米国)
ビジネスの生産性(米国)
この中にビジネス系Youtuberの動画や、ビジネス情報動画などがパッケージされていると考えられます。このほかにも「子供のいる家庭」や「eスポーツ」、「いたずら動画とユーモア動画」など尖ってるけど割と見てるかもなぁ…と思いがちなラインナップも用意されていました。
日本だけではまだまだラインナップは少ない
一覧を「日本」がついているものだけに絞ってみると、20個まで絞れてしまいました(「日本の文化的景観(米国)」、「世界の台所: 日本(米国)」を含めると22)。452の中の20になるので、まだまだ少ないかなという印象を受けます。ただ、「美容」や「住居、庭」、「ファッション」などのすぐに使えそうなラインナップもあります。
美容(日本)
低予算のライフスタイル(日本)
ビジネス アイデア、蓄財術(日本)
芸能ニュース(日本)
料理(日本)
ダンス(日本)
e スポーツ(日本)
ファッション(日本)
フィットネス(日本)
Z 世代インフルエンサーのスポットライト(日本)
住居、庭(日本)
新米ママパパの vlog(動画ブログ)(日本)
ニュース(日本)
ポップ ミュージック(日本)
ロック ミュージック(日本)
サッカー(日本)
旅行 vlog(動画ブログ)(日本)
子どものいる家庭: おもちゃと童謡(日本)
家族のビデオブログ(日本)
テクノロジーとガジェット(日本)
「遠まわしなラインナップが多いな…。」と感じられるかもしれないですが、潜在的、新規ユーザーへのリーチ、ブランディングが目的になるので、ペルソナの仮説検証にも十分利用できるかと感じました。
制限がかかってしまうラインナップも用意されている?
除外の部分で記載した、表示されない動画が出てきてしまう、というところにかかる話ですが、ラインナップには18歳以上を対象としたものも用意されています。といっても今のところは
アクション ゲーム(18 歳以上)(米国)
のみですが。とはいえ、例えばグラビアアイドルのイメージビデオや、ヒップホップなど音楽内の露骨な表現に対してもYoutubeでは制限がかかるので、そういったところにも表示できるようにするための除外外しなのかなと考えております。また、映画一つとっても「〇歳の子供のいる家庭:テレビ、映画、エンタメ」が数種に分けられているところを見ると、かなり気を使ってはいるんだなと感じました。
特定のジャンルにこだわらず、ただ人が集まるところにも出稿可能!
「ブロード配信でもいいけど、ある程度流行に敏感で行動力のある人が見ると担保できる動画に出稿したい」、という欲張りな方にもダイナミックラインナップは適しているかと考えています。その際には
ポピュラー コンテンツ(全世界)
世界で人気の YouTube コンテンツ
世界で人気の Google 動画パートナーのコンテンツ
を選ぶと、この出稿方針は叶うかと考えました。出来れば「世界」ではなく国ごとでわけられたラインナップが出ると更に出しやすくなるかなとも思います。
まとめ
ダイナミックラインナップは先日実装されたばかりの機能ですが、なかなか使いどころが多そうな機能でもあるかなと考えています。ドンピシャなラインナップから、潜在層になりうるラインナップも考察出来るため、積極的に使っていきたい機能ですね。僕もまだ使用したことがないので、今後は積極的にご提案していきたいなと思える新機能でした。またダイナミックラインナップを使用してどんなプレースメントに配信されたかなどをレポート出来ればと思います!
参照: