今回はGoogleの自動入札戦略のうちの目標コンバージョン単価(以下、目標CPA)を導入して成果が改善した事例があったのでご紹介いたします。
案件概要
- 商材:作業効率化システム(BtoB商材)
- 配信エリア:全国
- 月額広告費:20万円
- CVポイント:お問い合わせ、資料ダウンロード
- 配信媒体:Google検索
配信状況
拡張クリック単価を利用し配信を行っておりましたがCPAが高いという状況でした。指名キーワードのシステム名がとある業界の技術名と酷似しておりCPCが高くなる傾向がありました。また競合も多く入札を高める必要がありCPA悪化の原因となってました。キーワードは「作業 効率化」のような広めのキーワードでクリック数獲得を目指していました。
過去に自動入札戦略のコンバージョン数の最大化を利用して配信を行っていましたが無駄にキーワードの入札を強化を行い、コンバージョン数は減少することがあったため手動での運用を行ってました。目標CPAはポートフォリオ入札戦略で入札単価上限を設定することができるためアカウント改善の有力な一手だと考え導入いたしました。
目標CPAを利用する際の注意点
目標CPAで運用を行うにあたって注意点があります。1ヶ月以上の長い期間に30回以上のコンバージョンを獲得していることが推奨されます。そうしないとデータが不足しており機械学習がうまくいかなくなることがあります。
実施内容
自動入札を導入する前の準備
キーワードのマッチタイプを変更
キーワードのマッチタイプの絞り込みを行いました。理由としては自動入札戦略の導入によって入札単価が高くなる傾向があるということ、月額広告費が限られているということを踏まえると初動時の総CV数減少の恐れがあるためです。
マイクロコンバージョン
上述した条件のように30回以上のコンバージョン獲得が推奨されているため自動入札がうまく活用できるようにお問い合わせページに訪れた時点でマイクロコンバージョンを設定いたしました。
目標CPAを設定
指名キーワードを含むキャンペーンと一般ワードを含むキャンペーンのそれぞれに目標CPAを設定しポートフォリオ戦略を作成して入札単価上限を設けました。
指名キャンペーンは入札単価上限600円、目標CPA5,000円とし、一般キャンペーンは目標CPA30,000円、入札単価上限900円として設定を行いました。
これは持論になりますがCPAの設定の仕方としては推奨値から1割~2割増が有効だと考えてます。目標が低すぎると有効なクリックを逃し、合計コンバージョン数が減少する可能性があります。最初に少し高めの設定を行い徐々に目標CPAを下げていく調整を行うのが機会学習を有効的に利用できると考えてます。
配信結果
※下記の数値はマイクロCVを除いた数値です。
施策前2ヶ月
施策後2ヶ月
このようにCPAを大幅に改善することができました。
要因分析
今回の改善点としてはCVRが改善したことがあげられます。お問い合わせに繋がりやすいユーザーのシグナルを用いて自動入札が働いたことが要因だと考えられます。
ではどの部分でCVRが上がったかを見てみましょう。
ユーザー属性
25~34才、35~44才のCVRが改善しています。目標CPA導入前は投下コストは45~54才に多く割いてましたが、導入後は25~34才、35~44才での投下コストが増えCVRが改善しております。
キーワード
例として「競合名 システム」「作業効率化 システム」というキーワードに変化がありました。改善前は「競合名 システム」といったキーワードでの流入が多かったのですが、改善後は「作業 効率化」といったキーワードのコストが高くCVRも向上してます。キーワードで見てもやはり自動入札によってCV獲得見込みの高いユーザーに対して入札を強めていったのが要因だと言えます。
つまり検索クエリについても登録キーワードと同様に「競合名 システム」の流入は減少し「作業効率化 システム 導入」といった流入が増えており見込みの高い流入が増加しております。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
自動入札戦略は導入に条件がありますが、このように目標CPAで改善されることもあります。みなさんも是非活用してみてください。以上です。