先週末にUSJに家族で出かけたものの、まさかの体調不良でひとり医務室で2時間過ごしていた今井です。そんな中、息子(小学1年生)はハリーポッターエリアを満喫。映画のワンシーンにもある魔法の杖に選ばれるという体験で、もう気分はハリーポッター。魔法学校に通いたいと言い出さないか不安で仕方ないです。
さて、今回はスマート自動入札の導入でパフォーマンス向上した事例の紹介です。
Google広告での自動入札の精度も向上した今、みなさまが運用するアカウントでもスマート自動入札の適応が進んでいるかと思います。
今回紹介する事例は特定のキーワードでのCV獲得が多い中で、スマート自動入札を導入したらそれらのキーワードでの広告表示、獲得クリックの減少したものの、CVは増加したという内容となります。
検索連動広告におけるスマート自動入札
スマート自動入札によるメリットの一つとして『コンテキストに基づくさまざまなシグナルを考慮したきめ細かな入札が可能』といった内容が挙げられます。シグナルとは、個々のユーザーやオークション時のコンテキストを特定できる属性のことで、公式ヘルプでは下記のようなものが重要シグナルとして挙げられています。
※今回は検索キャンペーンに関連するものを抜粋
- デバイス
- 所在地
- 地域に関する意図
- 曜日・時間帯
- リマーケティングリスト
- 広告の特性
- 表示言語
- ブラウザ
- OS
- ユーザー属性
- 実際の検索語句
- 検索ネットワークパートナー
公式ヘルプ参照:スマート自動入札について
デバイスや所在地など手動で調整できるものも多いですが、これらをキャンペーン単位や広告グループ単位、キーワード単位などで手動で最適化を図るのはなかなか困難で、そもそもキャンペーン単位でしか設定できないものなどもあり現実的に無理がありますね。
事例紹介
今回紹介する事例では、ある特定のキーワード(一般検索需要)でのCV獲得傾向が顕著な配信で、そのキーワードにおけるインプレッションシェアを最大化することがCV獲得最大化につながると考えて手動入札での運用をしていましたが、ほかの検索キャンペーンにおいて先行して導入していたスマート自動入札がパフォーマンス向上につながったことで、こちらでも試してみようといったものです。
案件概要
- サービス概要:不用品の回収
- 入札戦略:目標CPA
- 配信地域:全国
- CV計測ポイント:申込み完了
過去の配信から、CV獲得しやすい検索語句がある程度決まってきており、それらのインプレッションシェアを最大化することがCV最大化につながると考え、完全一致キーワードをまとめた専用キャンペーンを用意しインプレッションシェアを90%以上になるよう手動で入札調整を行っておりました。自動入札を適用していなかった背景としては、定期的な販促キャンペーンの実施により意図的な入札強化や時期によってCVRが大きく変動してしまうこともあったため手動で対応しておりました。
スマート自動入札導入前後で比較
販促キャンペーンによってパフォーマンスに変動はあるものの、ほかの検索キャンペーンでの自動入札でのパフォーマンス向上が見られていることもあり、完全一致キーワードだけを集めたキャンペーンでのスマート自動入札を導入して様子を見ることとなりました。
最もCV獲得が多いキーワード(「不用品 処分」完全一致)における自動入札導入による変化は下記となります。
導入前はインプレッションシェアを高めるためキーワード単位で入札調整していたこともあり、インプレッションシェアは95%と高い水準にできております。
一方、導入後はインプレッションシェアの低下が見られ、広告表示回数自体も減少し、獲得クリック数も減っておりますが、CVRは大きく向上して獲得CV自体は伸びております。
導入前も時間帯での入札調整をしたりなど、手動でできる範囲で最適な調整をしていたつもりではありますが、やはり自動入札による最適化には敵わないようですね。
前述した様々なシグナルに基づいて、同じ検索語句ではあるが広告表示させた方がよいユーザー(=CVにつながるユーザー)とそうでないユーザーがあり、スマート自動入札によって検索語句だけでは顕在化しない要素での調整がされ、パフォーマンス向上につながっているようですね。
まとめ
今回はスマート自動入札の凄さを改めて実感した内容でしたが、今回のような結果が得られたのは、月間CV数が多く、例に挙げた特定のキーワードでも十分な実績があったことで、自動化による最適化も機能しやすかったという背景があると思います。
すべてのアカウントにおいて同じような結果が得られるわけではないかもしれませんが、様々な領域でAIの導入が進んでいる昨今、リスティング運用においても、AIに取って代わられるのではなく、AIを使いこなしてパフォーマンス最大化できる運用者を目指したいと思います。
息子が魔法の杖に選ばれたように、父は運用者としてお客様に選ばれるように精進したいと思います。