SEO施策や広告運用に取り組む中で、「狙ったキーワードで上位表示されない」、「ウェブサイト内で似たようなページが増えてきた」と感じたことはありませんか?
実は、その背景にはキーワードカニバリゼーションが潜んでいる可能性があります。
この記事では、広告運用に携わる方に向けて、キーワードカニバリゼーションの基本から、予測される影響、対応方法までをわかりやすく解説していきます。
キーワードカニバリゼーションとは?
キーワードカニバリゼーション(keyword cannibalization)とは、同一のWebサイト内で複数のページが同じキーワードをターゲットにしている状態を指します。

このような状態では、検索エンジンがどのページを優先的に評価すべきか判断できず、結果として以下のような深刻な悪影響を引き起こす可能性があります。
- 検索順位の分散
- 検索エンジンの混乱
- ユーザー体験の損失
主な原因
キーワードカニバリゼーションが起こる主な原因には大きく以下の3つが挙げられます。
- キーワード設計の曖昧さや重複
- リライトによって似た内容のページが増加
- 過去記事の把握不足による新規記事の重複
それぞれ解説します。
キーワード設計の曖昧さや重複
狙うべきキーワードが明確に定義されていない場合、あるいはキーワード選定時に類似性の高いキーワードを複数選択してしまうとカニバリゼーションを引き起こす可能性があります。
例:「SEO対策」、「SEO 対策 方法」
リライトによって似た内容のページが増加
既存の記事をリライトする際に、元の記事と内容が大きく変わらず、似たような情報を持つページが複数存在してしまう場合もカニバリゼーションを引き起こす可能性があります。
例:「Web広告の始め方」という記事を最新情報に更新したものの、基本的な内容や構成が以前とほとんど同じで、「最新版Web広告の始め方」という別ページとしての公開
過去記事の把握不足による新規記事の重複
ウェブサイトの規模が大きくなると、過去にどのような記事を作成したかを完全に把握することが難しくなります。
その結果、新規記事を作成する際に、既存の記事と内容が重複してしまい、カニバリゼーションを引き起こす可能性があります。
例:チーム内での情報共有が不足しており、別の担当者が同様のテーマで新しい記事を作成する
キーワードカニバリゼーションへの対応方法
キーワードカニバリゼーションへの対応には、次のような方法がおすすめです。
- 内容が重複しているページ同士を統合する
- 一方のページを削除・リダイレクトする
- ページタイトル・見出しを変更して意図を明確にする
- 内部リンクや構造を見直してページの役割を整理する
また、自社サイトでキーワードカニバリゼーションを見つける際は、以下の3つの方法を活用してみてください。
検索エンジンで「site」を活用
検索エンジンで、site:「自社ドメイン」「キーワード」と検索。
例:site:sample.com webadvertising
似た内容のページが複数ヒットする場合は、キーワードカニバリゼーションの可能性があります。
Google Search Consoleから確認
「検索パフォーマンス」レポート>「検索結果」より、特定のクエリに対して複数のURLが表示されていればキーワードカニバリゼーションの可能性があります。
SEOツールで可視化
下記SEOツールを活用することで、どのキーワードやどのページ間でカニバリゼーションが発生しているのかを特定できるようになります。
ツール名 | 機能 |
---|---|
Ahrefs / SEMrush | キーワードごとのランクインページを可視化 |
GRC | 順位とURLの紐づけチェックで重複を可視化 |
Moz Pro | 登録したキーワードの順位推移を追跡 |
まとめ
キーワードカニバリゼーションは、放置しておくとSEO効果をじわじわと弱めてしまうリスクを孕んだ「見えない落とし穴」です。
ただし、すぐに問題になるとは限らず、検索意図やページの役割を整理することで十分対応できます。
常に定期的なキーワード設計の見直しやサイト構造の整理を行い、検索エンジンからもユーザーからも選ばれるページ作りを心がけましょう。