デジタル広告が生活に深く浸透した現在、SNSや検索広告をきっかけとした「なりすまし」「投資詐欺」「怪しい副業商材」などのトラブルが増えています。
ユーザーにとっても広告主にとっても、安全で信頼できる広告環境の整備は欠かせません。
そこで、LINEヤフーは両プラットフォーム(Yahoo!広告/LINE広告)において、広告の“健全化”を進めるさまざまな取り組みを強化しています。
本記事では、その主要な対策をわかりやすくまとめて紹介します。
なりすまし型「偽広告」への対策強化
とくに重点が置かれているのが、著名人や企業になりすました偽広告、過度な投資・副業誘導など「詐欺につながりやすい広告」の排除です。
主な取り組みは以下のとおりです。
- 過去のトラブル事例・行政情報をもとに審査基準を見直し
- 「ラクに稼げる」「副収入を保証」など誤解を招く表現を禁止
- 認証されていないLINE公式アカウントへの誘導も掲載不可
- 不審広告をユーザーが通報できる仕組みの整備
- 外部団体(JIAA)と連携した第三者モニタリングの実施
- 不正の疑いがある広告アカウントは即停止
さらに2025年8月からは、射幸心を煽る表現に対しても統一した基準を適用し、より厳しく取り締まる方針です。
悪質サービス・高リスク業種の掲載制限
ユーザー被害につながりやすい業種について、LINEヤフーはより厳格な掲載制限を設けています。
| サービス・業種 | 掲載ルール |
|---|---|
| 暮らしのレスキュー(鍵・水道など) | 本人確認の強化、不正アカウントの排除 |
| オンラインカジノ誘導 | 両媒体で掲載禁止 |
| 詐欺被害回収を謳う士業広告 | 懲戒歴などのリスクがある場合は広告停止 |
これらの制限によって、広告をきっかけとした被害を未然に防ぎ、ユーザーが安心できる環境を維持しています。
審査実績と「透明性レポート」の公開
広告健全化は“理念”だけではなく、実際の数値としても公表されています。
- 2024年度、Yahoo!広告では約1億9千万件の広告素材を非承認
- 審査を大幅に強化し、非承認広告は前年度の約9,800万件から倍増
- 不承認理由は「不適切表現」「誤認誘導」「不正リンク」など多岐にわたる
- 審査実績は「透明性レポート」として定期公開され、広告主にも明確な基準を提示
このように、プラットフォームの姿勢や取り組みを可視化することで、安心して利用できる環境づくりが進められています。
なぜ今「広告健全化」が求められるのか
デジタル広告の影響力が高まるほど、広告から始まるトラブルのリスクも増大しています。
特にSNS広告は信頼性が誤認されやすく、これを悪用した詐欺も後を絶ちません。
また、社会全体で「消費者保護」や「ブランドセーフティ」が重視される中、プラットフォームにもより高い責任が求められています。
もし詐欺広告による被害に遭ったら
ユーザーが詐欺広告と見られるクリエイティブを見かけたり、被害に遭ったりした際には、Yahoo!広告とLINE広告それぞれに設置された通報専用のフォームから連絡しましょう。
- Yahoo!広告
Yahoo!広告なりすましに関するご申告(専用フォーム) - LINE広告
お問い合わせ>なりすまし・覚えのない操作が行われた
まとめ

LINEヤフーは、偽広告の排除、リスクの高い業種への制限、透明性の向上など、広告健全化のための取り組みを強化しています。
広告主にとっても、正しい情報を届けるための品質向上につながり、ユーザーにとっては安心して利用できる環境が整備されるというメリットがあります。
今後もこうした動きはさらに加速していくと考えられ、広告運用者としては最新の基準やガイドラインを把握し、適切な広告配信を行うことが重要です。