魅力的な値引きやキャンペーンを企画したのに、思うような成果が出ないといったことはありませんか?
このような場合は、消費者の意思決定に影響する認知バイアスの一種「アンカリング効果」を活用すると、マーケティングの成果を高められる可能性があります。
本記事では、アンカリング効果を活用する際のポイントや注意点を紹介します。
アンカリング効果とは
アンカリング効果とは、最初に基準(アンカー)となる数字などの情報を提示することで、その後に続く情報の印象を変化させる現象です。
たとえば、以下のような2つの広告文があるとします。
- 広告文A:特別価格10,000円
- 広告文B:通常15,000円のところ、特別価格10,000円
広告文Bでは、まず「通常15,000円」という情報をユーザー提示して、商品の価格基準(アンカー)を15,000円と認識させます。
広告文Aは、単に10,000円という価格のみが提示されているため、ユーザーはそれが高いのか安いのかを判断しにくい場合があります。
一方、広告文Bは15,000円というアンカーがあるため、10,000円という価格が相対的に安く、お得であると感じやすくなります。
このように、「通常15,000円のところ」とお得に感じられるアンカーを入れることで、「特別価格10,000円」が際立ち、ユーザーの購入意欲を促せます。
効果的に活用するポイント
アンカリング効果はさまざまなセールスや広告文などで使用されていますが、効果的に活用するには、以下の3つポイントを押さえることが重要です。
- 訴求力のある情報を記載する
- 視覚的インパクトを与える
- ターゲットを明確にする
それぞれ解説します。
訴求力のある情報を記載する
1つ目は、購入を訴えかけるような訴求力のある情報を記載することです。
アンカリング効果を高めるには、明確に安くなっている、商品価値が高くなっていると感じさせることが重要です。
割引や特別価格、キャンペーンなどの打ち出しの際は、具体的な数字を入れることで変化した商品の価値をより強くアピールできるでしょう。
視覚的インパクトを与える
2つ目は、視覚的に印象を与えることです。
消費者の注意を引くためには、最初に伝えたい情報を強調して、一目でどのような商品か知ってもらう必要があります。
太字やフォント、配置を工夫したり、図形などを活用したりすると、消費者の目に留まりやすい広告が打ち出せるでしょう。
ターゲットを明確にする
3つ目は、ターゲットを明確にして、適切なアピールを行うことです。
ターゲットによって響く情報やアピールの仕方が異なるため、事前に自社ターゲットをしっかりと把握しておきましょう。
広告文やデザインなどの試作を複数用意して、どれが最も高い成果を得られるか試してみるのも効果的です。
注意点について
こちらでは、アンカリング効果の注意点を3つ紹介します。
アンカリング効果は使い方次第で逆効果になる可能性もあるため、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
- 誇張表現を避ける
- 不安を煽る表現は避ける
- ターゲットニーズに適しているか分析する
それぞれ解説します。
誇張表現を避ける
インパクトを重視するあまり、極端な値引き額などの情報を提示すると、消費者に不信感を与えてしまう可能性があります。
また、通常の金額よりも高く表記して、値引き額をさらにお得に感じさせる二重価格表示も違法になるので注意しましょう。
不安を煽る表現は避ける
恐怖心やコンプレックスを煽る表現は、消費者の嫌悪感につながります。
体の部位を誇張してコンプレックスを刺激したり、「購入しないと危険」と思わせたりする表現は避けるようにしましょう。
ターゲットニーズに適しているか分析する
ターゲットによって、商品に対する知識や価値観は異なります。
過度な値引きや不適切なアピールは商品の価値を下げ、ブランドへの不信感につながる可能性もあるので注意しましょう。
まとめ

アンカリング効果を活用する際のポイントや注意点を紹介しました。
アンカリング効果を活用することで、消費者の決断を促し、マーケティングや広告運用においてより高い成果が期待できます。
ぜひ、今後の広告運用にご活用ください。