非常事態宣言が解除されて1週間が経ちましたが皆様いかがでしょうか?
弊社は5月いっぱいまでリモートワークで、昨日から出社でした。
リモートワークが快適すぎたので出社に時間を使わなければいけないというのは非常に辛いですが慣れていかないといけないですね。
さて、今回はSalesforceの導入を検討し始めた時に陥りやすい名称の問題に触れていきたいと思います。
Salesforceで出てくる似たような名称
Salesforceの導入を検討し、調べはじめると次々に知らない単語が出てきますよね。
CRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援)、MA(マーケティングオートメーション)などは調べれば比較的簡単に情報が出てきます。
私の過去の記事でも触れていますし、ネットの海には「CRMとは」「SFAとは」「MAとは」という記事が無数に存在しています。
しかし、Salesforce、Salescloud、Salesforce Platformなど似たような名称で似たような機能を持つものがあり、過去自分が調べた時も理解に時間が掛かった事もあったため記事にしようと思いました。
これらは意外と説明されているサイトも少ないため、今からSalesforceを導入しようという方の参考になればと思います。
この記事でわかる事
- Salesforce、Salescloud、Salesforce Platformの違い
- CRM、SFAの違い
SalesforceとSalescloud
調べていると「Salesforce」と「Salescloud」という単語が出てきます。
「Salesforceを導入します」という文章もあれば「Salescloudを導入します」という文章もあり、それぞれ違うものを指しているのかと思えば、内容を読み進めると同じものを指しているように見える・・・
「Salesforce」と「Salescloud」という単語が同じ文脈として使われているため混乱を来たしてしまいます。
実際はどういった違いがあるのでしょうか?
SalesforceとSalescloudの違い
結論から言うとこの2つの違いは下記の通り。
名称 | 説明 |
Salesforce | 会社名。 SalescloudやServicecloud、pardotといったCRMやSFA、MA、およびそれらに不随するクラウドサービスを取り扱っている企業名。 salesforce.com, Inc.(日本名:株式会社セールスフォース・ドットコム) |
Salescloud | 製品名。 salesforce.com, Inc.が展開しているクラウド型の営業支援ツール。 |
つまり「salesforce」という単語は社名であり、「Salescloud」が製品名という事です。
「Salesforceを導入します」という文章は、実際には「salescloudを導入します」が正しいという訳です。
しかし、Salesforceの場合は社名が製品名よりも有名なため主要製品であるSalescloudと社名が混同して使われているようです。
海外でもそうなのかは分かりませんが、日本では「Salescloud=Salesforce」として認知されている部分もあり、正式名称原理主義者が相手でもなければ意味合いとしては十分に通じます。
Salesforce Platform
なるほど、Salesforceは会社名、Salescloudは製品名。
分かってしまえば難しいことはありませんね。
で、価格ページを見てみるとSalesforceが提供しているCRMがSalescloudのほかにある事に気づきます。
それがSalesforce Platformです。
価格ページに書かれている文言の引用ですが、それぞれの説明はこうなっています。
- Salescloud
完全にカスタマイズ可能なCRMを利用して、営業力を高め、迅速化します。- Salesforce Platform
CRMのパワーをすべてのビジネスプロセス、アプリケーション、従業員に。
どちらの説明文もCRMと言っています。
うーん、SalescloudもSalesforce PlatformもCRMという事?
何が違うん?
何が違うのか?
ものすごく簡単に説明するのであればSalescloudはSalesforce platform(以下、Platformと記載)の上位互換です。
Salescloudで使える機能がPlatformでは使えないなど機能面での差が多々あります。
特に大きな違いは「売上予測」「リード」「キャンペーン」「商談」などの標準タブが使えないという点です。
上の表を見てもらうと分かると思いますが、Platformでは「取引先」「取引先責任者」などの顧客情報に関わるタブはPlatformでも標準で使えるためCRMとしての最低限の機能は持っていると言えます。
しかし、営業活動にあたる「商談」や、商談になる前の問合せを管理する「リード」などのSFAとしての機能はありません。
導入を検討し始めたばかりでCRMもSFAも混同しがちな状態で『CRMの基本的な機能はある』という認識になってしまえば『価格』が安いPlatformが選ばれるは自明でしょう。
ですが、当然それは良くありません。
『何が出来て何が出来ないのか』が分からないまま決定してしまう事になります。
更に言えば『何が出来て何が出来ないのか』の説明を受けてもイメージが付かないため「安い方でええわ」という結論に達しがちです。
Platformで何が出来て何が出来ないのか
Salesforce(正確にはSalescloud)を導入して理解した点を私なりに咀嚼して説明します。
- Salescloud
CRM、SFAが統合されたパッケージ。(CRM+SFA)
顧客の情報と営業活動の一連の流れを紐づけて管理する事ができる。 - Salesforce Platform
CRMとしての基本的な機能が備わった製品。(CRM)
SFAの機能はなく、CRMとして顧客情報の管理ができる。
つまり、PlatformにSFAの機能を載っけたのがSalescloudという認識です。
(※すごい簡単に説明しているので細かなツッコミはあるかと思いますが目を瞑ってください)
CRMとSFAの違いって?
CRMとSFAの違いに関して「CRMは顧客関係管理、SFAは営業支援です」と説明されてもピンと来ない人の方が多いと思います。
具体的な機能の違いも使ってみなければ実感は湧きづらいのではないでしょうか。
そこで、以下のような理解をしてみてはどうでしょうか?
- CRM(顧客関係管理)
名前、電話番号などの顧客情報と、過去の商談結果や行ったやり取りを残す箱。 - SFA(営業支援)
今現在の商談状況とそこから導ける未来の予測ができるもの。
CRMは過去(結果)を保管しておくもので、SFAは今どういう状況なのかを追うものという感じです。
「CRMを導入したい」という要望は大抵の場合「CRM+SFAを導入したい」という事である可能性が高いと思うのですが、導入検討の段階ではCRMとSFAがそれぞれ何をするものなのかが分からないため、「Salesforce PlatformはCRMとして最低限の機能は持っとるやんけ、価格も安いしこっちしといたろ。(ポチー」となります。
そして、お金と時間、労力を掛けて導入した後になって、実際に欲しかったものと乖離している事に後から気づくわけです。
SalescloudとSalesforce Platformの使い分け
SalescloudがPlatformの上位互換だという事は結局Salescloudを選べって事じゃないか、と思われるかもしれませんが実はそんな事はありません。
営業活動を行うユーザーには当然ライセンスもSalescloud一択です。
しかし、営業活動を行わないバックオフィス系のユーザー(事務員などのレコードの保守をメインとするユーザー)であればPlatformのライセンスで十分な事もあります。
実際には細々とした機能の違いがあるため、バックオフィスでもSalescloudの機能が使いたいという場合はSalescloudを契約する必要があります。
細かな機能は特に気にしないのであれば、バックオフィス系のユーザーに発行するライセンスをすべてPlatformにする事でコストを安くする事が出来る会社もあると思います。
まとめ
各製品や名称の違いがある程度でも分かったでしょうか?
今回は導入検討をしはじめたばかりの方向けの記事だったので、ライトに説明するために少し違っている部分もあるかと思います。
ただ、本当に検討はじめたばかりの方であればこの認識でも問題はありません。
似たような言葉が同じ意味で使われていたり、過去自分自身も混乱してしまった経験があったのでまとめさせていただきました。
お役に立てたら幸いです。