広報担当者として製品やサービスの価値をユーザーや顧客に効果的に伝えるためには、「UI(ユーザーインターフェース)」と「UX(ユーザーエクスペリエンス)」の違いを正確に理解しておくことが重要です。
また、これらに関連する「ユーザビリティ(使いやすさ)」や「CX(カスタマーエクスペリエンス)」も、広報戦略を構築する際に重要な視点となります。
今回は、それぞれの違いと関連性について詳しく解説します。
1.UI(ユーザーインターフェース)とは
UIは、ユーザーが製品やサービスと直接的にやり取りする「接点」のことです。
主に製品やサービスの「見た目」と「触り心地」といった視覚的なデザインや操作感に関わる部分で、次の要素が含まれます。
- 視覚的デザイン(レイアウト、色、フォント、アイコンなど)
- インタラクションデザイン(ボタン、リンク、スクロール、ナビゲーション)
- レスポンス性(クリックした際の反応やフィードバック)
UIは、ユーザーが直感的かつスムーズに操作できることが重要です。
UIの例
・スマートフォンアプリでのボタン配置や色使い。
・ウェブサイトのナビゲーションバーや検索窓の位置とデザイン。
2. UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
UXは、ユーザーが製品やサービスを通じて得る「体験」全体を指します。
具体的には、ユーザーがどれだけ満足感や便利さを感じるか、あるいは逆に不満を感じるかを含めた総合的な印象のことです。
具体的には、以下のようものを指します。
- 使いやすさ(ユーザビリティ)
- 価値提供(製品がユーザーの課題を解決するか)
- 感情的満足(喜びや楽しさ、ストレスの少なさ)
- 全体的なユーザー旅程(購入から使用、サポートまで)
UXは、UIを含む広範な概念です。
UIデザインが良くても、全体の体験が悪ければUXは悪いと評価されてしまいます。
UXの例
・オンラインストアでの買い物がスムーズに進み、配送も迅速で満足できる経験。
・サポートセンターの応答が迅速かつ親切で、問題が解決されたときの満足感。
3. ユーザビリティとは

ユーザビリティは、UXの一部であり、「使いやすさ」に特化した概念です。
具体的には
- 効率性:タスクをどれだけ迅速に完了できるか。
- 直感性:ユーザーが迷わず操作できるか。
- 学習容易性:初心者でも簡単に使えるか。
- エラー回避:エラーが起きにくい設計か、エラーから回復しやすいか。
などを指します。
ユーザビリティの例
・フォーム入力でエラーメッセージがわかりやすく表示される。
・よく使う機能が簡単にアクセスできる位置に配置されている。
ユーザビリティの良し悪しは、製品の第一印象や継続利用に大きく影響します。
4.CX(カスタマーエクスペリエンス)とは
CXは、UXよりもさらに広い概念で、ユーザーを「顧客」として、購入前のマーケティングから購入後のアフターサポートなど、そのサイトで体験するすべての接点を指します。
CXは、ブランドとの関係性や顧客ロイヤルティにも大きく影響を与えます。
カスタマーエクスペリエンスの例
・広告でブランドイメージが伝わり、購買意欲が高まる。
・購入後に迅速で丁寧なサポートを受け、満足感が高まる。
CXでは、デジタル体験(ウェブサイトやアプリなど)だけでなく、対面の接客や電話対応も含めた総合的な印象が重要視されます。
5.UI、UX、ユーザビリティ、CXの関係

UIやUX、またユーザビリティやカスタマーエクスペリエンスの関係はこのようになっています。
- UI:UXを構成する一部(視覚・操作インターフェース)。
- UX:UIを含むユーザーの総合的な体験。
- ユーザビリティ:UXの中で特に使いやすさに焦点を当てた部分。
- CX:UXをさらに広げ、製品やサービス全体の顧客体験をカバー。
たとえばECサイトの場合、
・UI:商品ページのデザインや購入ボタンの配置。
・UX:商品の検索が簡単で、購入プロセスがスムーズな体験。
・ユーザビリティ:チェックアウト時のフォームが短く、わかりやすい。
・CX:購入後の配送やカスタマーサポートでの対応。
がそれぞれにあたります。
6.まとめ
広報活動において、UIやUX、ユーザビリティ、CXを正しく理解することで、製品やサービスの魅力を効果的に伝えると同時に、顧客満足度の向上を目指せます。
- UI:ユーザーが直接目にし、触れる部分。
これが魅力的で直感的であることは、製品やサービスの第一印象を左右します。 - UX:UIを含めたユーザー全体の体験。
製品やサービスが「便利で満足できる」と感じてもらえる設計が必要です。 - ユーザビリティ:特に「使いやすさ」に注目した要素。
使いやすいデザインや仕組みは、顧客の信頼を生む土台になります。 - カスタマーエクスペリエンス:購入前から購入後までの顧客との接点全体。
広報活動では、この全体的な体験をどうポジティブに演出するかが求められます。
これらの視点を広報戦略に取り入れることで、ブランドイメージを高め、顧客との信頼関係を深める施策を効果的に進められるので、覚えておいて損はありません。
ぜひ今後の広報活動にもお役立てください!