今回は、商品を販売するECサイトとリンクできるInstagramショッピング機能を利用するユーザーの幅が広がりそうな情報があったため、ご紹介させていただきます。7月9日からショッピング機能の導入に必用な要件が改訂され、様々な業種のビジネスや、クリエイターがショッピング機能を利用できるようになります。オリジナルグッズを販売したいミュージシャンやファッション雑誌、プロデュースした化粧品を売りたいインフルエンサーなど、今まで以上にショッピング機能を利用できるユーザー層が増えるようです。
ショッピング機能とは
まずショッピング機能とは、投稿に表示される商品に商品名や価格が記載されるタグを付けられる機能です。投稿されたフィードをタップすることで、商品の情報がタグとして表示されます。そのタグをタップするとそのまま商品のECサイトへ遷移できるため、よりスムーズな形で利用者に購入を促すことが可能です。※Instagram内で決済が行える「Checkout(チェックアウト)」機能とは異なります。
利用者からしても、画像を見ていて可愛い~気になる~と思った瞬間に購入までスムーズに商品ページへ繋がるため、双方にとって嬉しい機能です。
ショッピング機能自体は、日本でも2018年から利用可能になっているものです。しかし、誰でも販売出来るわけではなく、これまでは審査に通過した一部のビジネスアカウントでのみ利用できました。また審査に通過しなかった場合には、その理由が特に表示されず、改善が不明確であるといった問題点がありました。
具体的にどの要件が変わったの?
今までこのショッピング機能を利用できるのは「ビジネスアカウント」に限定されていましたが、「クリエイターアカウント」でも利用できるように改訂されました。よって、7月9日以降ショッピング機能を利用できるようになる要件は、以下の通りとなります。
- Facebookの提供者契約とコマースポリシーに準拠した物理的な商品を販売していること
- Instagramアカウントがビジネスプロフィールorクリエイタープロフィールであること
- FacebookページとInstagramアカウントがリンクされていること
- InstagramアカウントがFacebookカタログにリンクされていること
上記の要件が満たされると、アカウント審査が行われ製品のタグ付けができるようになります。またアカウントが承認されなかった場合でも、却下された理由が明確に表示されるようになり、異議申し立て・再審査のリクエストを出すことも可能になりました。
既にショッピング機能を利用しているアカウントについては、改訂版の利用要件を満たしていない場合、数週間以内にアプリ内の通知で要件を満たすための手順を案内してくれるようです。
ビジネスアカウントとクリエイターアカウントの違いとは
では、「ビジネスアカウント」と「クリエイターアカウント」にはどのような違いがあるのでしょうか?
ビジネスアカウント
- アクティビティやコンテンツ、フォロワーの増減などを見れるインサイト機能が、週単位で見れる
- カテゴリラベルと連絡先の表示/非表示の選択ができない
- 住所を表示できる
- ダイレクトメッセージのフィルタリングができない
- アクションボタンを表示できる(予約、申込みなど)
クリエイターアカウント
- アクティビティやコンテンツ、フォロワーの増減などを見れるインサイト機能が、日別で見れる
- カテゴリラベルと連絡先の表示/非表示の選択ができる
- ダイレクトメッセージを「メイン」と「一般」の2つでフィルタリングすることができる
それぞれのプロアカウントで利用するユーザーが変わってくるため機能性に違いはあるものの、ショッピング機能を利用する上であまり大きな違いはありませんね。
「商品を売りたいなら、わざわざクリエイターアカウントにせず、初めからビジネスアカウントでショッピング機能を利用すれば良いんじゃ?今回の要件改訂ってなんの意味があるの?」と思われた方も居るのではないでしょうか。
ここで肝になってくるのが、ショッピング機能を利用する上での”審査”です。
クリエイターアカウントはアーティストやミュージシャン、インフルエンサーなどが主に利用する想定のプロアカウントです。したがって、Instagramの投稿内容も自撮りや風景写真といった、商品以外の投稿も多くあるユーザーであることがあります。このように、職業や業種が商品売買を主にしているユーザーではない場合、以前は「取り扱い商材が不明」としてInstagramショッピング機能の利用が承認されなかったケースなどがありました。しかし今回の要件改訂で、商品以外の投稿も多くあるクリエイターアカウントでも、審査に通りやすくなり広くショッピング機能を利用できるようになったということです。日々の投稿に加え、単発的なグッズ・書籍・プロデュースした商品などの販売を行うようなバズりユーザーにとっては嬉しい改訂ではないでしょうか。
まとめ
最近ではcreemaのようなサイトが立ち上がったり、メルカリでも業者アカウントが商品を売っていたりする時代。またこの状況のため、通販を初めたという飲食店や小売店なども多く見られます。個人から小さなお店までネットショップへの出店が気兼ねなくできるようになった時代だからこそ、ネットショップの集客に繋がる機能はしっかり活用していきたいですね。以上、古田でした。