2025年10月6日、Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)において、オーディエンスリスト「高度なセグメント」に、キーワードターゲティングの範囲を自由にコントロールできる「ユーザーの拡張範囲」が追加されました。
本記事は、配信効率の改善に直結する「ユーザーの拡張範囲」の概要と注意点を解説します。
「ユーザーの拡張範囲」設定について
オーディエンスリストの「高度なセグメント」が追加され、キーワードを入力した際の配信対象ユーザーの拡張範囲を、「狭い」「広い」の2段階で設定できるようになりました。
この設定により、入力キーワードとリストに含まれるユーザーの類似性を細かく調整し、目的に応じた配信範囲のコントロールが容易になります。
拡張範囲の主な違い
拡張範囲を調整することで、入力したキーワードから生成されるオーディエンスリストの特性を変化させることができます。
| 項目 | 狭い | 広い |
|---|---|---|
| 拡張の方向性 | 指定キーワードに近い形を中心に拡張し、ユーザーを最適化 | 指定キーワードをもとに、表記ゆれ、言い換え、語順の違い、軽微な変換ミス、類似語句など幅広く含めて拡張し、ユーザーを最適化 |
| 広告配信効果 | 検索意図を維持した、精度の高い広告配信が可能 | リーチを最大化した広告配信が可能 |
| 拡張されるユーザーの類似性 | 高い | 低い |
| リストのユーザーサイズ | これまでより小さくなる | これまでと同様 |
| 推奨される目的 | 配信の精度とコンバージョン率を重視したい場合 | 配信のリーチと認知度を拡大したい場合 |
「拡張範囲」によるリストに含まれる検索キーワードの違い
拡張範囲を「狭い」または「広い」に設定した場合、リストに含まれる類似ユーザーが検索したキーワードの拡張度合いは、以下のように異なります。
| 検索キーワードの拡張要素 | 狭い | 広い |
|---|---|---|
| ゆらぎ(表記違いなど) | △ | 〇 |
| フレーズ一致 | △ | 〇 |
| 関連性の高いワード | △ | 〇 |
| スペース有無、余分なスペース | × | 〇 |
| 助詞・接続詞 | × | 〇 |
「〇」は基本的に含まれることを示しますが、「×」はほぼ含まれないことを意味します。
特に「△」は、ワードによって含まれるかどうかが異なり、明確な規則性がないため、含まれるケースと含まれないケースのどちらも発生する可能性があることを示しています。
注意点
「ユーザーの拡張範囲」を利用するにあたり、以下の点にご注意ください。
- 推定ユーザーサイズは参考値
- 1,000件未満の制限
- 既存リスト変更時の停止リスク
それぞれ解説します。
推定ユーザーサイズは参考値
キーワード入力時に表示される「推定ユーザーサイズ」は、拡張範囲(広い/狭い)によらず同一の値が表示されます。
1,000件未満の制限
拡張範囲「狭い」を選択し、リストのユーザーサイズが1,000件未満になった場合、そのリストは広告配信対象として利用できません。(除外対象には利用可能)
既存リスト変更時の停止リスク
既存のリストを「広い」から「狭い」に変更する際、ユーザーサイズが1,000件未満になると広告配信が停止します。
まとめ

Yahoo!広告のオーディエンスリストに追加された「ユーザーの拡張範囲」は、キーワードターゲティングの精度とリーチをコントロールするための強力な機能です。
キャンペーンの目標に合わせて「狭い」と「広い」の設定を使い分け、効率的な配信を目指しましょう。