ICAの調査によると、約1,000人のZ世代を対象とした最新アンケートから、彼らが広告にどのようなイメージを抱いているかが明らかになりました。
この結果は、今後の広告施策を考える上で非常に貴重なヒントとなるでしょう。
特にWeb広告を担当されている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
Z世代が日常で目にする広告とその第一印象
「普段よく目にする広告の種類は?」という質問に対し、最も多くのZ世代が挙げたのは「SNS広告(71.6%)」でした。
これは、日頃からSNSに多くの時間を費やしている、Z世代の行動パターンを反映しているといえるでしょう。
次いで「動画広告(50.9%)」、「テレビCM(37.0%)」、「バナー広告(20.5%)」が続きます。
しかし、これらの広告に対する印象は厳しいものでした。
「普段よく目にする広告に対する印象は?」という問いでは、「コンテンツの途中に割り込んできて煩わしい(45.5%)」という回答が突出。
これは2位以下の「一方的で、信頼性が少ない(25.2%)」、「誇張しているなと感じる(21.4%)」、「不快、ウイルスなどの不安を感じる(16.8%)」を大きく引き離し、約2倍もの票を集めています。
「不快」と感じる! Z世代が特に嫌う広告形式の特徴
具体的に、Z世代はどの広告形式に最も強い不快感を抱いているのでしょうか。
「どのような広告が不快に感じるか?」という質問に対し、「動画広告」を「不快に感じる・やや感じる」と回答したZ世代は、驚くべきことに89.9%に達しました。
この結果から、動画広告はZ世代が日常的に目にする広告形式であると同時に、最も強い不快感を抱く形式であることが浮き彫りになったのです。
次に不快に感じるとされたのは「バナー広告」で79.8%、「SNS広告」も78.9%と高い割合を示しましたが、動画広告だけが唯一、8割を超えるZ世代から不快感を持たれているという結果になりました。
この調査結果から、Z世代に広告を届ける際には、単に露出を増やすだけでなく、「不快感」をいかに減らすかが極めて重要であることが見えてきます。
Z世代が広告を避ける具体的な行動

Z世代は不快に感じる広告に対し、積極的に回避行動をとる傾向があります。
具体的には、以下のような方法が挙げられます。
- すぐ広告スキップや閉じるボタン・×ボタンを押す(43.7%)
- 広告がでてきたら画面を変える(19.6%)
- 動画サイトの有料プランに加入している(10.3%)
- SNSで広告が表示されにくい設定をしている(9.6%)
これらの行動は、Z世代が広告を「情報」として受け入れるよりも、「邪魔なもの」として認識していることの表れです。
企業側は、Z世代が広告を回避する理由を深く理解し、彼らに受け入れられる広告体験を提供することが、今後のマーケティングにおいて不可欠となるでしょう。
Z世代に「嫌われない」広告戦略のヒント
Z世代は広告を「邪魔なもの」として認識し、積極的に回避行動をとっています。
では、彼らに「嫌われない」広告とはどのようなものなのでしょうか?
ここでは、Z世代に受け入れられる広告戦略のヒントを紹介します。
邪魔にならない広告体験を提供する
- ネイティブ広告やインフィード広告など、コンテンツに溶け込む形式の検討
- ユーザー体験を損なわない広告配信のタイミングと頻度
信頼性を高める広告を追求する
- 企業やブランドの透明性
- インフルエンサーマーケティングの活用(ただし、ステルスマーケティングは厳禁)
- ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用
共感を生む広告で心に響かせる
- Z世代の価値観(多様性、社会貢献、共感)に合わせたメッセージ
- ストーリーテリングを重視
- 対話や参加を促す広告(コメント機能やアンケート、ハッシュタグキャンペーンなど取り入れる)
パーソナライズとプライバシーのバランスを考慮する
- 過度なターゲティングを避け、ユーザーに選択権を与える
- ユーザーが明確に同意する「オプトイン方式」を基本とする
これらのヒントを参考に、Z世代の心に響く広告戦略を実施していきましょう。
まとめ
Z世代は動画広告やSNS広告に対し、ネガティブな印象を持つことがある一方で、良質な広告は商品やサービスへのポジティブな印象につながりやすいこともわかりました。
これから広告を制作する際は、Z世代の考え方を取り入れ、彼らに好まれる内容や形式になるよう工夫してみてください。