Web広告運用、たとえばSNS広告の運用には、複数のアカウント運営、クリエイティブ作成、ターゲティング設定、予算管理、効果測定、レポート作成など、さまざまなタスクが存在します。
そのため、SNS広告運用者に対して、多くの業務を同時並行で行うマルチタスクのイメージを持つ方も少なくありません。
しかし、実際にマルチタスクは生産性や効率を低下させる逆効果であることが広く知られています。
今回は、SNS広告運用者がマルチタスクをやめるべき理由と、シングルタスクの実践方法を解説します。
SNS広告運用の現状と課題
SNSは多くのユーザーにリーチでき、企業にとって重要なマーケティングツールとなっています。
その一方で、プラットフォームの多様化、広告フォーマットの増加、ターゲティングの高度化など、運用は複雑化の一途をたどっているのが現状です。
そのため、SNS広告運用者は以下のような多岐にわたる業務を従事する機会が多く、ひとりで何役もこなすことがあります。
- 広告戦略の立案
- ターゲット設定
- 広告クリエイティブの企画・制作
- 広告予算の管理
- 広告配信設定・入稿
- 効果測定・分析
- レポート作成
- 顧客対応
- 競合調査
- 最新情報のキャッチ
このように、SNS広告運用者はマルチタスクの状態が定着化しており、本来注力すべき戦略的な思考やクリエイティブな発想に時間を割くことが難しい状況にあります。
マルチタスクをやめるべき理由
NCBI(米国国立生物工学情報センター)に掲載されている論文によると、「タスクの切り替えによって問題への執着が軽減される領域がある」という知見が確認できます。
論文の知見はマルチタスクが必ずしも悪いわけではない可能性を示唆していますが、マルチタスクにすることで、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 深く集中できない
- 優先順位をつけられない
- ストレスと疲労が蓄積する
- ミスが増える
持続的に複数のことを気にかける状態は生産性や精神的な健康にも望ましくないため、シングルタスクに集中する方がより良い結果を生み出す可能性が高いといえるでしょう。
シングルタスクを実践するための方法

シングルタスクを実践するための具体的な方法は以下の通りです。
- タスクの可視化
- タスクの細分化
- 優先順位付け
- スケジューリング
抱えているタスクをリストアップして全体像を把握したら、タスクを細分化して重要度と緊急度に基づいて優先順位をつけます。
次に、それぞれのタスクに集中するための時間を確保してスケジューリングします。
基本的に自分ひとりで完結する仕事の優先順位は低く、チームで行う必要がある業務は優先順位を高めに設定しましょう。
なお、シングルタスクを集中するためにも、作業中はSNSやメールなどの通知をオフにしたり、集中できる作業スペースを確保するのがポイントです。
まとめ
SNS広告運用者は業務が多岐にわたり、どうしてもマルチタスクになりがちです。
しかし、シングルタスクに切り替え、目の前の仕事に集中するほうが、結果的に最も早く業務を終わらせることができます。
ぜひ、明日からシングルタスクを実践してみてください。