前回までの記事で、困った時にどのレポートを確認すればよいのかについてご紹介してきました。今回からは確認したレポートで発見した数値の変化から、『そもそもどうして数値の変化が起こったのか 』その原因を突き止めるために必要なことをご紹介していきたいと思います。
よくある数値の変化とその原因
それではここからは、実際に私がよく遭遇する数値の変化とその原因や背景についてご紹介したいと思います。色々なケースがあるかと思いますが、今回は直帰率の変化についてご紹介します。
※原因については様々な要因がありますが、本記事ではあくまで一般的なことをご紹介しています。
直帰率を確認する前に
アナリティクスでは様々なレポートで直帰率を確認できますが、原因を突き止める前に是非押さえておいておいて欲しいポイントがあります。それは、直帰率をサイト全体で判断せず、ランディングページごとに確認することです。
ユーザーサマリー等で確認するとページ全体の直帰率が表示されているので、必ず行動レポートのランディングページレポートから、直帰率を引き上げている原因となるページを見つけておきましょう。
直帰率が上がったと感じたら…
それでは、突然直帰率が上がってしまった時、原因はどんなことが想定できるでしょうか。
- ランディングページがユーザーニーズに合っていなかったため離脱した …①
- ユーザーはその1ページだけ見て満足したので離脱した …②
直帰率高くなる時の理由は、大きく分けて上記の2パターンです。
直帰率は訪問時、最初の1ページだけを見て離脱してしまった割合なので、考えてみれば納得ですよね。では、どうしてこのようなことが起きてしまったのかをもう一段階掘り下げて考えてみましょう。
①ランディングページがユーザーニーズに合っていなかった
ランディングページとユーザーニーズがズレてしまう原因は下記のようなことが考えられます。
- ページの修正がユーザーニーズにそぐわなかった (⇒修正の失敗)
- リスティング広告等、流入キーワードとサイト内容にズレがあった (⇒設定の見直し・確認)
- 他サイトと比較して見劣りした (⇒競合の台頭)
1、2のように流入ユーザーとサイト内容に原因がある場合は、LPOでサイト側を修正するか、リスティング広告等の流入元をコントロールすることで改善を図ります。
何もしていないのに直帰率が上がってしまった場合は、3のように競合が現れている可能性もあるため、合わせて滞在時間の確認をしてみましょう。
ぱっと見てすぐ離脱されているのか、じっくり読んだ上で離脱しているのかを判断し、必要であればキャンペーンを実施するなど対策を練りたいですね。
②ユーザーはその1ページだけを見て満足した
この場合、考えられるのは下記の二点です。
- 特定のキーワードが検索エンジンで上位表示され、TOPページ以外への流入が増えた
- 次に自分に有益なページがあることに気が付かなかった
1ではECサイトやコラム等の記事をサイト内にたくさん保有している場合によく起きる現象です。この場合、そもそも直帰率が上がってしまったことが問題かどうかを確認してみましょう。問題ない場合は、アナリティクスでコラムをランディングページとして流入したセッションを除外するセグメントを用意しておくと、今後の解析が便利になります。
2の場合はサイトの動線設計によって機会損失を減らす工夫を行い、ユーザーに見て欲しい情報・ページをきちんと閲覧してもらえるようにページを修正してみることをおすすめします。
まとめ
ご紹介した通り、直帰率の変化一つとっても原因や要因は様々です。また、サイトの構成やサイトの目的によって打つべき施策は変わるので、『なんのために作ったサイトなのか』『目的は何か』をはっきりさせてアクセス解析を活かしていきましょう。