効果的なSNS広告を実施するには、戦略的なアプローチが欠かせません。
そして、その戦略の根源となるのが「ペルソナ設定」です。
ペルソナ設定では、抽象的なターゲット像ではなく、データに基づいた具体的な設定が重要となります。
そこで今回は、データ分析を用いた具体的なペルソナ設定について解説します。
ペルソナ設定の重要性
SNS広告を運用する際は、広告のターゲット(ペルソナ)を決めるのが非常に重要となります。
たとえば、ペルソナを設定すると、自社の商品やサービスをどのような人が購入してくれるのかが明確になります。
また、複数人でSNS広告を運用している場合、ペルソナが設定されていると広告運用における認識のズレを防ぐこともできます。
このように、ペルソナ設定はターゲットが抱える課題や悩みを効率的に理解でき、広告効果を最大化する有効な手段となります。
データ分析を活かしたペルソナ構築
ペルソナを設定する際は、直感や経験だけに頼らず、データを用いてロジカルに構築しましょう。
ここでは、「B to B」と「B to C」のペルソナ設定において必要となるデータをそれぞれ解説します。
ペルソナ構築に必要なデータ(B to B)
「B to B」のペルソナ構築に必要なデータは多岐にわたりますが、主に以下のデータが必要となります。
- 企業の業界(例:IT企業)
- 業種(例:人事担当)
- 売上規模(例:1億円)
- 従業員数(例:80人)
- 抱えている課題・ニーズ(例:エンジニアの慢性的な人手不足)
ペルソナ構築に必要なデータ(B to C)
「B to C」のペルソナ構築は個人属性や行動特性、心理特性などを理解する必要があります。
下記は「B to C」のペルソナ構築に必要な主要データです。
- 年齢(例:27歳)
- 性別(例:女性)
- 職業(例:アパレルショップ販売員)
- 年収(例:350万円)
- 趣味(例:旅行、カフェ巡り、Instagram)
- 家族構成(例:父、母、妹)
- よく利用するWebサイト(例:Instagram、Pinterest)
- 情報収集の行動パターン(例:Instagramで気になる商品を見つけ、YouTubeで実際に使っている動画をチェックする)
ペルソナの設定手順

データを活用したペルソナ設定は、具体的にどのように進めればよいのか4つのステップで解説します。
- 検索数を分析する
- ユーザー属性を知る
- ユーザー行動を分析する
- ペルソナを固める
それぞれ解説します。
1.検索数を分析する
まずは、全体的にどのようなキーワードが検索されているかの傾向を把握しましょう。
これにより、いつ広告配信すべきかのタイミングがわかります。
たとえば、「スーツ」というキーワードは入学式や入社式などがある春先に検索ボリュームが増えるため、ターゲットが関心を持つタイミングよりも少し前に広告を配信することで効果的に訴求できます。
2.ユーザー属性を知る
続いて、どのようなユーザーがキーワードを検索しているのかを確認しましょう。
ユーザー属性は、前述した「ペルソナ構築に必要なデータ」の項目例を参考にしてみてください。
その他にも、アンケート会社に依頼したり、データ分析ツールを活用するのも有効な手段です。
3.ユーザー行動を分析する
次に、ユーザーがWeb上でどのような行動を取っているかを分析しましょう。
どのようなキーワードを検索し、その後どのサイトを訪問しているのか、また各サイトの滞在時間などを分析することで、どのような課題を抱えているかを理解できるようになります。
4.ペルソナを固める
これまで集めた情報をもとに、ペルソナを固めていきましょう。
イタリアンレストランのペルソナを具体例にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
人物 | 25歳、女性、東京都渋谷区在住(最寄り駅:初台駅)、年収300万円 |
行動検索 | 「女子会 渋谷 イタリアンレストラン」「イタリアン リーズナブル」「イタリアInstagram」など |
ニーズ | 同性の友人と集まる際、よく幹事をする。お店選びに時間がかかっている。値段は高くないが、おいしくて映えるメニューを出すレストランを常に探している |
利用媒体 | |
SNSの行動傾向 | ビジュアルの優れた料理の写真を全面に出す。内装やテーブルウェアにもこだわり、センスのよいお皿やカトラリーも映り込ませる。「女子会お得コース」や「6名様以上向けリーズナブルコース」など、低価格をイメージさせる情報を掲載する |
このように、さまざまなデータをもとにペルソナを作り、効果的な集客施策を考えるのが重要です。
ニーズや属性が異なる複数のペルソナがある場合は、それぞれに対する集客施策をまとめるようにしましょう。
まとめ
データ分析を活かしたペルソナの設定方法を解説しました。
自社の理想的な顧客像であるペルソナを構築するには、さまざまなデータを集めて具体的なペルソナを作る必要があります。
今回紹介したポイントを参考に、より効果的なアプローチを目指していきましょう。