先日、Googleの公式ページにて「Google Manufacturer Center」が日本でリリースされたとの発表がありました。こちらのサービスは2015年よりアメリカで提供が開始され、その後、2017年にイギリスを始めとする6カ国にも提供が拡大されていた、ブランドメーカー向けの商品情報の登録・分析ができるサービスです。
本記事では、「Google Manufacturer Center」の概要についてまとめてみました。
参照:新サービス Google Manufacturer Center でオンライン上にブランドを発信
Google Manufacturer Centerとは?
Manufacturer Centerとは、製造業や自社ブランド製品を販売するブランドメーカーが最も正確な商品情報をGoogleに登録できるようにし、Google検索を始めとする様々なGoogleサービス上に発信できる無料サービスです。
例えばこのように、登録した情報がナレッジパネルに表示されるようになります。
ブランドメーカーが自社の商品情報やブランドイメージに即した商品画像を自身で登録することで、質の高い情報をGoogleのサービス上で発信することができ、ユーザーの商品購入の正しい判断に役立つものとしています。さらにメーカー側のメリットとして、アップロードした商品に関する分析レポート(下記に記載)を確認することができ、レポートで見つけた情報をショッピング広告の改善に役立てることも可能です。
分析レポートには、以下の指標が含まれます。指標とその概要は次のとおりです。
- カテゴリ合計:商品が属する Google 商品カテゴリのインプレッション数。
- インプレッション数:個々の商品の合計インプレッション数。
- カテゴリ インプレッションのシェア:インプレッション数をカテゴリ合計インプレッションで割った値。
- カテゴリ インプレッションのベンチマーク シェア:関連カテゴリの上位 5 つの商品バリエーションの平均インプレッション数を、カテゴリの合計インプレッション数で割った値。
- クリック数:個別の商品バリエーションから販売者ページへのリンクのクリック数。
- クリック率:クリック数をインプレッション数で割った値。
- ベンチマーク クリック率:カテゴリ内の上位 5 つの商品 / 商品バリエーションの平均クリック数を、上位 5 つの商品バリエーションの平均インプレッション数で割った値。
引用:Manufacturer Center 「分析のトラッキング」
Google Merchant Centerとの違いは?
似たようなGoogleのサービスにGoogle Merchant Centerがあります。Merchant Centerは主に販売店が利用するサービスで、販売店固有のセール価格、在庫状況、商品カテゴリ、配送情報などを登録しますが、Manufacturer Centerでは商品名、商品説明、画像、主な特徴、YouTube動画など商品自体が持つ基本情報を登録することが可能です。また、香り、味、容量などもManufacturer Centerで登録ができます。
Manufacturer Centerのみへ商品登録を行っただけではショッピング広告を利用できないため、メーカーが自身の商品をショッピング広告で配信したいときは、Merchant Centerへの登録も必要になります。
参照:Manufacturer Center フィードと Merchant Center フィード
事例紹介
公式ページには、Manufacturer Centerで商品情報を管理しているブランドは、平均でインプレッション数が8%、クリック数が10%増加しているとの記載があります。
実際に、すでにManufacturer Centerの提供が行われているアメリカでは、高性能テクノロジー商品を販売している4XEMという会社が実際に利用しているそうで、以前はショッピング広告に十分な商品情報を載せれず、他社の商品と比べても目立たせることができなかったものの、Manufacturer Centerを利用したことで商品情報が充実し、インプレッション数が46.6%、クリック数が37.0%増加したそうです。
参照:Google for Retail 「 4XEM はインプレッション数が 46.6% 上昇 」
他にも電動工具の大手であるBoschや、ヘルスケア商品で有名なJohnson & JohnsonもManufacturer Centerを導入しパフォーマンスが改善したそうです。
まとめ
メーカー自身が商品情報を登録することでブランドイメージやUSPを正確に訴求できますし、ユーザーにとっても充実した商品情報を元に商品購入ができるため、非常にいいサービスだと感じました。
まだ、日本でリリースされて日が浅いので利用している企業も少ないと思います。まずは主力商品だけでも登録しておくことで、自身のブランドの売上や認知の増加につながるかもしれません。メーカーの方々は積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?