携帯電話を持っている人のうち、97%がスマートフォンを使用しているというデータもある昨今(2024年1月時点)。
スマホの普及に加えて、コロナ禍の外出自粛によって一気に拡大したのがモバイルゲーム・アプリゲーム市場です。
日常的にアプリゲームで遊んでいる人の割合はスマホ所有者のうち4割近くにもなり、特に10代の若い世代では、およそ6割もの人がアプリゲームを利用してることがわかりました(株式会社スパコロによる利用実態調査)。
スマホゲームの普及をきっかけに、ゲームのユーザーに向けた広告配信が注目されています。
今回は、その中でも最近話題の音声広告について解説します!
ゲーム内音声広告『GainAds(ゲイン アズ)』
最初にご紹介するのは、スマホゲームのプレイ中に音声広告を配信できるサービス、『GainAds(ゲイン アズ)』です。
ゲインアズは、ラジオや音楽配信などの音声広告を取り扱ってきた株式会社オトナルが、2023年に提供を開始したサービスです。
性別や年齢、国籍関係なく誰でもプレイが可能な「ハイパーカジュアル」というジャンルのゲームが対象で、その数は数百本以上にものぼります。
GainAds(ゲイン アズ)の特徴とは
このサービスの大きな特徴は、ゲームを中断することなく、まるでラジオCMを聴くような感覚で広告を”聴く”ことができる点です。
従来の動画広告やバナー広告では、強制的に画面を専有するためゲームを中断せざるを得ないことも多く、ユーザーの心理的負担や広告主へのネガティブイメージにつながってしまうリスクがありました。
しかしゲインアズはゲームをプレイしたまま再生される音声広告なので、高いユーザビリティを保ったまま最後まで再生してもらえる確率が非常に高いです。
また、この広告をタップすると、該当サイトへ遷移するCTAボタンが音声広告と一緒に出てくるのもゲインアズの大きな特徴です。
配信可能なゲームタイトルは随時追加される予定なので、今後はさらに規模が大きくなっていくことでしょう。
ゲーム内の看板に溶け込ませる新しい広告フォーマット
こちらはゲームに出てくる屋外広告やスタジアムの看板など、ゲーム内の背景に広告を掲載できる面白いサービスです。
アメリカのコンテクスチュアル広告(AIによる自動解析で内容に沿った広告を配信する)の大手、GumGumが2023年に販売を開始しました。
GumGumでは広告枠の映る位置や画面を占める割合、またその広告が何秒ユーザーの目に触れたかなど、細かい指標で効果測定しており、一定の条件を満たしたものにだけ広告料が発生するという形を取っています。
国内では、ネスレ日本株式会社が最近このゲーム内広告を利用したことが大きな話題となりました。
とあるレースゲームの背景に、ネスカフェの看板が表示され、テレビCMをあまり観ない若年層にネスカフェの新コンセプトを周知させる良いアプローチとなっています。
架空と現実の融合で、よりリアリティのある広告体験を
少し前に大きな話題を読んだSteamゲーム「8番出口」でも、次回作の作成に向けてゲーム内に掲載する広告の募集がありました。
「8番出口」は、一見すると何の変哲もない見慣れた地下鉄駅構内から、小さな”異変”を見つけて脱出するという異色の脱出ゲームです。
作中では”異変”を見逃さないよう周囲をよく観察しなくてはいけないため、広告もじっくりとユーザーに見られる可能性が高いです。
リアルな広告をゲーム画面内に掲示することができればゲームへの没入感がより高まるとして、キャンペーンには250件もの応募が集まったそうです。
まとめ
若者層のテレビ離れが叫ばれ、今後もより拡大が見込まれるモバイルゲーム・アプリゲーム市場。
ユーザーのゲーム体験を妨げずに、効果的な広告をどのように打ち出していけるかが、今後生き残っていくカギとなりそうです。