今回はリスティング運用者の身近にある企業のCSRに関する活動について記事にしてみました。
CSR(企業の社会的責任:corporate social responsibility)とは、企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的(ボランタリー)に社会に貢献する責任のことである。
引用:Wikipedia「CSR(企業の社会的責任)」について
CSRの活動は様々あり、例えば下記のような活動があります。
「チャリティスマイル」ソフトバンク株式会社
ソフトバンクの携帯電話料金に毎月プラス10円を支払うことで、児童養護施設の子ども達を支援することができます。
(特設ページはこちらから)
「スマトラ島森林保全プロジェクト」ソニー株式会社
ソニーグループの共通ポイント「ソニーポイント」を、このプロジェクトに1ポイントから寄付することができます。1000ポイント寄付される毎に、スマトラ島に1本の木を植林することができます。(特設ページはこちらから)
リスティング運用者が利用するGoogle AdWordsもGoogleのCSRの活動に一部利用されています。それが、Googleが提供する非営利団体向けプログラム「Google for Nonprofits」のサービスの一つ「Google Ad Grants」です。
まず・・・「Google for Nonprofits」とは
非営利団体向けプログラム「Google for Nonprofits」では、非営利団体向けにGoogleのツールを無料で提供し、団体の活動を支援しています。
このプログラムに参加すると、下記のサポートを受けることができます。
- Google Apps for Nonprofits:Google Appsのビジネス向けサービスを無償で利用できる。
- Google Ad Grants:キーワードターゲティングを利用してウェブサイトを宣伝できる、無料の AdWords広告を利用できます。
- YouTube for Nonprofits:非営利団体向けの特別な機能を備えたYouTubeを無料で利用できます。
- Google Earth Outreach:Googleマップを利用し、プロジェクトの実施現場のカスタム地図を作成できる。
それぞれのサービスに関する詳細は割愛しますが、この中にある「Google Ad Grants」によって、団体はGoogle AdWordsを利用しGoogleの検索結果に無料で広告を掲載することができます。例えば、寄付を集める為や、ボランティアの採用活動に利用する為など、団体の活動や認知拡大に役立てることができます。
「Google Ad Grants」の参加条件について
無料で広告を掲載できる「Google Ad Grants」ですが、利用するためには参加資格を得てこれを維持するために一定の条件を満たしている必要があります。
まず、このプログラムの対象となるのは、次のいずれかの国を拠点とする団体のみとなります。
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、ベルギー(オランダ語)、ベルギー(フランス語)、ベルギー(ドイツ語)、ボツワナ、ブルガリア、カナダ(英語)、カナダ(フランス語)、チリ、コロンビア、クロアチア、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港(英語)、香港(広東語)、ハンガリー、インド(英語)、インド(ヒンディー語)、インドネシア、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、ケニア、韓国、ルクセンブルグ(ドイツ語)、ルクセンブルグ(フランス語)、メキシコ、マカオ、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン(英語)、フィリピン(フィリピン語)、ポーランド、ルーマニア、ロシア、セルビア、シンガポール(中国語)、シンガポール(英語)、スロバキア、スロベニア、スペイン、南アフリカ、スウェーデン、スイス(フランス語)、スイス(ドイツ語)、スイス(イタリア語)、台湾、タイ、トルコ、ベトナム、英国、米国
さらに、参加資格を得るための条件は次のとおりです。
- Google for Nonprofits(非営利団体向けプログラム)に申し込み済である
- 特定非営利団体法人としての認定を受けている
各国における特定非営利団体法人の定義については、「Google for Nonprofits」(非営利団体向けプログラム)の参加資格ガイドラインをご覧ください。 - Googleが必要とする条件(不当差別について、寄付の受領および使用について)に同意している
- 十分なコンテンツを含む公開中のウェブサイトがある
また、参加資格を維持する為の条件は次のとおりです。
- 月に一度はアカウントにログインし、90日毎に少なくとも1箇所は更新を行う必要がある
- 商業広告として利用していないこと
(商品やサービスを宣伝する場合、収益はすべてプログラムの活動に使用する必要がある) - 広告は、他のウェブサイトへのリンクが大部分を占めるページにはリンクできまない
- サイトにGoogle AdSenseの広告やアフィリエイト広告のリンクを表示することはできない
※上記のいずれかに違反した場合、プログラムから除名される可能性があります。
これらの条件を満たすことで、Google AdWordsを使って、無料でGoogleの検索結果に広告を掲載することができます。しかしながら、通常のGoogle AdWordsとは異なり、一部使えない機能や特別な規定があります。
「Google Ad Grants」の利用について
「Google Ad Grants」の利用にあたって、下記のような規定も定められています。
1か月の予算について
すべての「Google Ad Grants」アカウントでは1か月の予算が$10,000までに制限されており、1日の予算は$329が上限となります。
(以前は毎月の上限額を最大$40,000まで引き上げる「Grantspro」プログラムというものがありましたが、2017年7月24日時点では申し込みを締め切っているようです。再開は未定との事です。)
入札単価制限について
すべての「Google Ad Grants」アカウントではクリック単価が$2.00までに制限されています。
「募金」や「寄付」といったキーワードは、キーワードプランナーで見ると推奨入札単価が$2.00を大大きく上回っています。これらの単キーワードで広告掲載を目指すのは難しいので、複数キーワードを組み合わせたり、品質を向上させ低単価で広告掲載できるように調整する必要があります。
使用できない入札ツールについて
「自動入札機能」、「コンバージョンオプティマイザー」、「[最適化] タブに表示される入札単価候補」は利用することができません。
また、細かい部分では次のような注意点もあります。
- 広告はテキスト広告のみになります(動画や画像は含まれません)。
- ローンやクレジットカードなどの金融商品の広告、または自動車、船舶、財産の寄贈を求める広告は禁止。
- ディスプレイネットワークや検索パートナーサイトには掲載されません。
- すべてのキャンペーンでキーワードを指定する必要があります。
- 通貨の単位は全て「USドル」になります。
- 広告をリンクしているウェブサイトのドメインが1つのみである必要があります。
- 広告とキーワードが団体のプログラムやサービスと一致している必要があります。
細かい規定や条件などが多くありますが、無料で広告掲載ができるので、これらを考慮した上で有効活用できると良いですね。
おまけ①
Yahoo!ジャパンでもCSRに関する活動を数多く行なっており、リスティング広告に関連する活動では「Link for Good」というプログラムがあります。NPOなどの非営利団体に向けて、YDNを利用して無償で広告を掲載できるものですが、現在は受付を行なっていないようです。(特設サイトはこちらから)
おまけ②
また、弊社でもCSRの活動として「職場受け取り運動」というものを行っています。以下、特設ページからの引用になります。
昨今、取り沙汰されている宅配業界における再配達増加という社会課題は、インターネットをはじめとした通販などが発達して配達量が激増したことで大きな問題となってきていると考えております。
私たちの生活が便利になる反面で宅配業界にだけ負担をかけ続けることは、通販業界や私たちの生活ひいては日本経済の健全な発展につながらないと考え、私たちは職場受け取り運動という活動を広げることでこの問題を解決すべく活動しております。引用:職場受け取り運動について
まとめ
いかがでしたでしょうか?
運用者にとって身近なサービスを利用して、他企業のCSRの活動に携われるのは個人的にはとても素晴らしいことだと思います。今後も多くの団体がこれらのプログラムを利用して、活動を広げられるといいですね。