2016 年 9 月からAdWordsのコンバージョン計測にて、下記2点の変更が発表されました。
- 「デバイスをまたいだコンバージョン」がデフォルトで「コンバージョン」に含まれる仕様になる
- 「コンバージョンに至ったクリック」が廃止され「コンバージョン」に一本化される
これらが、運用にどのような影響があるか調べてみたのでご紹介します。
「デバイスをまたいだコンバージョン」がデフォルトで含まれる件
「デバイスをまたいだコンバージョン」に関しては、これまで「デバイスをまたいだコンバージョン」列が用意されていましたが、2016 年 9 月以降は自動的に「コンバージョン」 列に追加(合算)されます。
「デバイスをまたいだコンバージョン」を含む・含まない設定に関しては現在は任意で行えますが、9 月以降はできなくなります。また、2016 年 8 月中頃以降の新規アカウントには自動的に含む設定が適用されます。
「デバイスをまたいだコンバージョン」での成功例は?
Google Inside AdWordsには成功例として、下記の改善が記載されています。
- 世界中の異なる業種のアカウントにて、コンバージョン数が平均16%増加
- ホームセンターのECサイトで、7%のコンバージョン数増加し、収益の60〜70%に役立っている
- サーカスのチケット販売で、262%のコンバージョン数増加、30%の売り上げの増加
今から「含む」設定するには?
9 月の自動変更変更を待たずに「デバイスをまたいだコンバージョン」を含む設定にする場合は、下記の方法で可能です。
「運用ツール」⇒「コンバージョントラッキング」⇒左メニュー内の「設定」⇒「デバイスをまたいだコンバージョンを含む」にチェックを入れる。
「コンバージョンに至ったクリック」が廃止される件
AdWords のコンバージョン指標のひとつである「コンバージョンに至ったクリック」が廃止され、「コンバージョン」に一本化されることになりました。
2016 年 9 月以降、「コンバージョンに至ったクリック」は、「自動入札で参照するコンバージョン指標」として利用できなくなります。
また、「コンバージョンに至ったクリック」はレポートからも削除されます。
「コンバージョンに至ったクリック」の廃止理由
「コンバージョンに至ったクリック」の廃止理由に関しては、AdWords ヘルプにて以下の記載がされています。
AdWords に最初にコンバージョン トラッキングが導入されたときには、広告のクリックから少なくとも 1 回のコンバージョンが発生したタイミングしか把握できず、コンバージョンの数や種類は確認できませんでした。この古い指標は、現在は「コンバージョンに至ったクリック」と呼ばれています。
コンバージョン トラッキングの機能は、その後向上しています。ただし、そうした機能の多くは古い指標の 「コンバージョンに至ったクリック」に対応していません。
出典:AdWords ヘルプ
つまり、最初に導入されたコンバージョントラッキング以降に追加された機能(アトリビューションモデルや、コンバージョン名での分割)が「コンバージョンに至ったクリック」では使用できないため、追加された機能の使用可能な「コンバージョン」に一本化するといったことが狙いのようです。
では、ユニークコンバージョンの計測はできないの?
ユニークコンバージョンの計測に関しては、「コンバージョンアクション」のカウント方法を変更することで「コンバージョン」でも計測可能です。
「運用ツール」⇒「コンバージョントラッキング」⇒「設定を編集」⇒「カウント」の設定を「1回」に変更。
※変更内容は、変更後に発生したコンバージョンにのみ適用されます。過去のデータには反映されません。
まとめ
「デバイスをまたいだコンバージョン」に関しては別指標となっていたため、よりコンバージョン計測を正確にできることは非常に魅力的ですね。
「スマートフォンで商品を見て、PCで購入」といった流れが考えられるECサイト等では、実成果(購入)の拡大に繋がる機能ではないでしょうか。
また、「コンバージョンに至ったクリック」が廃止に関しては、ユニークコンバージョンを基準に運用を行っているアカウントには大きな影響がありますので、お早めに「カウント」設定の変更を行うのが良いかと思います。