前回、自動入札ツールにまずはトライしてみた事例を書きました。今回は、その続編として、複数のアカウントで色々とトライした結果をご紹介します。また、前のときには1~数週程度のデータで期間が短めだったので・・・だいたい1ヶ月以上配信した結果として、改めてこういうアカウントなら有効そう!という傾向を考えてみました。
※自動入札に関する過去の記事はコチラ
※自動入札に関する前回の記事はコチラ
事例紹介
早速ですが、目標CPA単価を設定、いくつか試した事例をご紹介します。事例に出している各アカウントのおおまかな条件としては、以下のとおりです。また、今回はあくまでグラフの推移で感じて頂きたく、事例ごとの商材など詳細は掘り下げません。
予算帯:月間50万円~200万円
配信手法:検索広告
その他:既に特定のキーワードで安定してCV獲得出来ることが判っているアカウントで実施
事例紹介 ~良好編~ その1 <一般顕在キーワード>
こちらは2ヶ月間の配信結果となります。
導入当初は目標CPAを上回る場合もありましたが・・・データが蓄積されていった後半、見事に目標以下で推移出来るようになりました。また、自動化が直接の要因かは別としても、CV数自体も上がっていたため、非常に好調でした。
事例紹介 ~良好編~ その2 <指名キーワード>
2つ目も好転した事例です。こちらは指名キーワードを1カ月程度配信した結果です。元々CV・CPA共に良好だったため、かなりシビアに目標を設定してみました。
紆余曲折を経て、見事アッパー達成を実現してくれました!ただし指名キーワードなので、検索母数等は外的要因も大きくなりがちですが・・・※この伸びたタイミングには、指名が増える何か(TVCM放送等)はありませんでした
事例紹介 ~悪化編~ <シーズナリティ系>
コチラは、悪化した事例です。商材のシーズナリティを考えると、問合せが落ち込む時期に差し掛かるのは判っていましたが・・・前半好調だった+PDCA的にも一旦、好調時と同じ目標CPAを継続しました。
※CVポイントが2つあり、片方は常時継続型、もう片方は季節依存というケース
結果、見事にAIが荒ぶっています。前回記事のような「システムがデータ収集する際の挙動」に酷似していますね。AIである以上、シーズナリティのような不確定要素・突然の大きな変化には弱いようです。このタイミングに学習させて来季に活かせるかどうか?についてはまだ不明確・・・なので、翌年改めてチャレンジしてみることで検証したいところ。
例えば期間が固定のセミナーなど、ある時期に突発的にユーザーモチベーションがガタ落ちしたりすることが判っている場合には、自動化を避けて手動で調整したほうが良さそうです。
※そもそも配信を止める、という選択肢がない前提ですが
事例紹介 ~オマケ~ <クリック最大化の導入>
こちらは目標CPAではないためオマケ扱いですが、異なる2種の入札戦略を導入した事例です。前提として、比較している期間での利用予算はほぼ同じという条件です。
- 検索広告:拡張CPC
- ディスプレイ広告:クリック数の最大化
検索、ディスプレイそれぞれで、意図したイメージがちゃんと表れています。拡張CPCのほうではコンバージョンが取れそうなときに攻めにいく!という方向での最適化のため、狙いどおりCVRが向上。クリックの最大化のほうでは、CPCが20円程度安くなり、結果として圧倒的にクリック数が増加。
※ディスプレイはCVでみると悪化ですが、パフォーマンスを悪くしたいわけではありません
また、オマケの注意点ですが、他のアカウントでリマーケティングに対してクリック数の最大化を導入した際、入札の上限を設定せずに回したところ、CPCが急激に高騰した事例がありました。
※リマーケティングなのに1クリック1,000円等、かなりの高額
その事例では、リスト母数が少ない(リーチ範囲が狭い)という特徴があったため、そういったアカウントで導入する場合は慎重な調整をお勧めします。
まとめ
如何でしたでしょうか。総じていえることは「前提条件が整っており、ある程度の試行期間さえあれば、結果を出してくれるケースが多い」ということです。
※Googleさんともお話ししつつ知見を頂くようにしていますが、特に直近のデータ量が重要であるとのこと
もちろん例外はあるでしょうが、今回の結果からみれば、失敗事例も事前に考え得る範疇だったといえます。大体こうなるんじゃないか?という方向性が、そのまま強まって現れるというイメージ。そのため、運用方針が曖昧な段階で、考えなしに導入することは避けるべきですね。
当たり前かもしれませんが、自動化といえど万能ではない。使い分ける頭を持つことが重要である。と改めて感じたので、人間だからこそ!の魂で頑張ります。