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【Google Ads】IMSAの効果的な使い方を考えてみた

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パフォーマンスプランナー

昨日の記事が書こうと思っていた記事と若干被ってしまいリライトを余儀なくされた松原です。

被った部分である検索広告向け購買意向の強いユーザー層(IMSA)を掘り下げて紹介したいと思います。

検索広告向け購買意向の強いユーザー層(IMSA)とは

昨日の記事にもありますが検索広告向け購買意向の強いユーザー層(以下:IMSA)とはディスプレイ広告でターゲティング設定に使う購買意向の強いユーザーを検索連動広告に紐付ける機能です。
「求人」「ビジネスサービス」「アパレル・アクセサリ」「幼児、子供向け製品」など様々なオーディエンスが用意されており、特定のオーディエンスに対して興味関心の強いユーザーが検索行動をした際に広告表示をコントロールできる機能となります。

設定の方法は「ターゲティング」と「モニタリング」があり、それぞれ配信できる対象の範囲に違いが出てきます。

ターゲティング

紐づけたオーディエンスだと認識されているユーザーにのみ広告が配信されます。特定オーディエンスに興味関心があるユーザーにだけ配信したい場合に利用します。

しかし、リーチできるユーザーが限定され広告表示のボリュームも減少するためかなり計画的に使わないと思ったような成果になりません。そもそも検索行動自体が興味関心を持って行われるため、特定オーディエンスにのみ限って配信する意味があるケースはそう多くないのではないでしょうか。

個人的にも使うケースはほぼなく、大抵の場合はモニタリングで利用しています。

モニタリング

すべてのオーディエンスに配信され、紐づけたオーディエンスはその結果を見ることができるようになる設定です。
紐づけたオーディエンスは結果が見れるだけでなく、-90%~300%の間で入札単価比率の調整もできるため、特定オーディエンスは入札強化、他のオーディエンスは抑制などといったコントロールが可能になります。

IMSAを利用する時に最も多く設定する方法です。

利用するべきケース

では実際に設定したアカウントでどういう結果だったのかを紹介したいと思います。
基本的にモニタリングでしか実施をしていないためターゲティングの結果は紹介しておりませんのでご了承ください。

ビッグワード過ぎてボリュームが多すぎるケース

CVは獲得できるもののCPAが高いキーワードというのは運用者であれば見かけた経験があるかと思います。その中でもビッグワードは検索ボリュームが多いため予算が足りなくなりがちで、CV獲得には繋がっていてもCPAは高騰してしまう事が多いキーワードです。

フレーズ一致や部分一致の場合は表示回数1回、クリック1回、CV数1件というクエリが多いワードの場合は除外ではとても対応しきれないため、確度の高いユーザーに優先的に広告表示を行えればCPAを抑えてCV獲得が可能になります。

BtoCユーザーとBtoBユーザーが混在しており切り分けられないケース

部分一致やフレーズ一致であれば特定クエリの除外などで対処する事もあるのですが、完全一致のキーワードがそうだった場合はお手上げです。まして無視出来ないCV数を獲得できるのであれば尚更ですね。

この様なケースでは確度の高いユーザーも低いユーザーも綯い交ぜになっており、切り分けきるのが難しいためIMSAでのコントロールが有用です。

同じ文字が別の意味を持つケース

上記と同じ理屈ですが、同じ言葉であっても違う意味があり扱っている商材としての意味とそうでないものが文字列のみでは区別出来ないという事があります。
その場合でもクエリとは別の角度から入札調整のアプローチができるため有効です。

CPCが高くCVRも高いケース

このケースは数クリックでCVが獲得できる場合です。CPCが数千円でもCVRは10%近くといったアカウントでは有用です。

1クリックを抑制するだけ、CVが1件多く獲得できるだけでCPAは大きく変わります。入札単価を上げればCVRも比例する訳ではないため限度はありますが。

実施結果

案件概要

商材はBtoB向けの書類作成サービスで毎月15,000円~18,000円程度のCPAです。

課題としてCV数を下げる事なくCPAを抑制して行きたかったためCPAは高いがCVの数を担保できるビッグワードに対してテコ入れを行いました。ビッグワードのみを抜き出してキャンペーン化しており、対象のクリック数は月あたり800回前後となります。
3ヶ月ほど入札単価調整をせずにモニタリングを行った結果、当初の想定と大きく異なる結果が現れました。

モニタリング前の想定

施策実施にあたって立てた予想は「ビジネスサービス」や「求人」などのオーディエンスにCVが偏るというものでした。閲覧履歴などからオーディエンスは判断されるため「求人」も会社の人事担当者であれば該当のオーディエンスだと認識されていると考えられます。

当然ですがBtoB商材のためビジネスユーザーが興味を示しやすいはずだと考えたのです。

モニタリングの結果

しかし、実際には「家電」「家庭、園芸」でCV獲得が多く、予想した「ビジネスサービス」「求人」で獲得できたCVは微々たるものでした。

これは様々な可能性が考えられますが、ビジネスユーザーだからビジネスに近いオーディエンスだという訳ではないという事です。

ふと気になったので自分がどのオーディエンスに分類されているのか気になって調べたら下記の通りでした。

アメリカンフットボールには全く興味がありませんがそれ以外は確かに自分の興味関心に合致しています。そもそもこのオーディエンスですが会社のPC、会社のメールアドレスで調べているため、仕事で利用しているビジネスサービスなどへ最も多くアクセスしているはずです。
こんなに私個人の趣味嗜好を反映されているとは思いませんでした。

これでは確かにBtoBユーザーだからビジネス関連だ、とはなりません

調整

モニタリングの結果から実績を元に調整を行いました。

下記の表は該当のビッグワードで強化したオーディエンス「家電」「家庭、園芸」のみの施策前後の比較です。

上限予算の都合上クリック数は変わりませんでしたがコストは増加しているためCPCが上昇しているのが分かります。成果の良かったオーディエンスでの露出が増えた結果、CVRが大きく上昇しました。

CV数が倍近くまで増えた結果、CPAも抑えられる結果となっています。

利用するべきではないケース

反対に利用するべきではないと言えるのはCVがほとんど付かないような商材です。
良し悪しを判断するのに必要なCV数が獲得できず、強化抑制を行おうとしても判断を誤ってしまいます。長期間で実績を溜める方法もありますが、予算によってはかなり気の長い話になりますし予算によるインプレッションシェアの損失が大きい場合は月ごとで成果にブレも出てしまい参考にするのは難しくなります。

キーワードに対し予算額が低すぎるケース

上述の通り、予算によるインプレッションシェアの損失が大きく発生している場合はブレも大きくなるため正しい判断が出来なくなります。

少なくともキャンペーン単位で予算による損失が出ていないものを対象にすべきです。

電話タップなど曖昧なCV地点が多いケース

電話タップをCV地点にしている場合はそのCVが本当に問合せに繋がっているか確信を持てなければ実施すべきではありません。どれだけCVを増やしても問合せに繋がらない可能性があり、無駄にCPCを上げてしまう恐れがあるためです。

まとめ

IMSAは使い方次第では非常に有効な機能だと思います。
自分で色々と試してみた結果、今のところ効果的な使い方は下記の通りだと思っています。

  • ビッグワードの獲得効率を上げる
  • ユーザーの意図をクエリ以外でコントロールする
  • CPCの高いKWの調整

検索広告向けリマーケティングリスト(RLSA)や検索広告向けデモグラフィック(DFSA)も同様ですが、これまで難しかったビッグワードや完全一致キーワードの能動的なコントロールを可能にするため、同じ悩みを持っている運用者には是非試して頂きたい機能です。

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