みなさんこんにちは。
夏の暑さがじわじわ厳しくなってくる今日このごろ。
東海地方は梅雨明けが7/19日頃だったようですが、逆にそこまで梅雨だったんだという気持ちでいっぱいです。
さて、暑い日の中、日差しを感じつつ良い分析、いい施策について考えていた所、面白い分析項目を発見しましたのでご紹介します。
GoogleAdWordsでディスプレイ広告の指標として表示される「リーチの指標」>「固有のCookie数」についてです。
そもそも「Cookie」とは
Cookie とは? (一部抜粋・引用)
Cookie は、ユーザー設定についての情報を保持するために、Web サイトによってユーザーの PC に保存される小さなファイルです。Cookie を使用して、サイトにユーザーの個人設定を記憶させたり、サイトにアクセスする際のサインインを省略可能にしたりして、利便性を向上させることができます。
引用元:セキュリティ用語集 – Cookie とは?
Cookieは、WEBで使われる仕組みの一つで、様々なことに使われます。
AdWordsの指標「固有のCookie数」とは
AdWordsの管理画面では、以下のように指標を定義しています。
「固有のCookie数」
この列は、指定した期間内に広告主様の広告に露出されたユニーク Cookie の数を示しています。
この指標が重要な理由: この情報から、広告主様の広告を表示したユーザーの人数を推定することができます。
知っておきたいこと: ユニーク Cookie はユニーク ユーザーと同等とは限りません。1 つのデバイスで広告が 2 回表示された場合、複数のユーザーがこのデバイスを使用していたとしても、1 つのユニーク Cookie としてカウントされます。また、1 人のユーザーが複数のデバイス、または特定のブラウザ設定、あるいはその両方を使用している場合、複数の Cookie としてカウントされる場合があります。
本記事では、「固有のCookie数」はほとんどユニークユーザー数と同等だという前提で取り扱います。
指標を使ってディスプレイ広告の分析をしてみよう
複数のアカウントから幾つかディスプレイキャンペーンのデータを抜き出してまいりました。
順番に見ていきましょう。
クリック率に着目した場合
上記の表が、抜き出してきたデータです。クリック率に着目すると
・リマケ案件:2>4>3>1
の順にクリエイティブがユーザーに刺さっているという見方ができるかと思います。いわゆる通常のディスプレイ配信の案件5は、同じ指標で一概に測ることは出来ませんね。
※当然、商材の特性などでクリック率は上下するものだ、というお気持ちは一旦お待ちください。
さて、本当にクリック率(クリック数/表示回数)はディスプレイ配信を評価するのに良い指標なのでしょうか。他の指標の見方はないでしょうか。弊社の前の記事では視認範囲のクリック率なども取り上げましたが、今回は「クリック数/固有のCookie数」という指標を提案したいと思います。
「クリック数/固有のCookie数」に着目した場合
今度は、表の中に緑の指標を追加いたしました。
するとどうでしょう、少し変わった見え方が出来ますよね。
「クリック数/固有のCookie数」を加え、その他関連する情報も追加いたしました。
この指標は、クリエイティブや配信の設定などの設定からどれだけのユーザーからクリックを獲得できたかを見ることも出来るのではないかと考えます。配信がされた固有のCookie数はほぼユニークユーザーとして、配信された人数に対してのクリックの獲得率、すなわち浸透率としてみました。
その他、見えてきた事柄を私なりに列挙してみます。
数値の順に並べる
・クリック率順-リマケ案件:2>4>3>1
・今回指標順- リマケ案件:4>3>2>1
クリック率だけでは測りにくいようなことが今回の指標(クリック数/固有のCookie数)でわかります。案件2と4の今回指標を比べたときに、指標は3.90%対9.34%となり、クリック率で0.31%対0.29%と差はほとんどないものの、Cookie内のユーザーからのクリック獲得率は2.43倍近くになっていることがわかります。このことから、クリック率以外の指標でも見てみる事の大事さが分かります。
1ヶ月にみせた回数とクリック数/固有のCookie数
案件1-3-4は1ヶ月に32-36回程度広告を一人にみせています。
案件2は月に12.5回程度みせた結果ですので、もしかするとあと3倍程度広告を見せ案件1-3-4と同じ回数みせた状態にすれば、「クリック数/固有のCookie数」の指標を底上げすることが出来たかもしれません。
安易な想定にはしたくありませんが、おそらく「クリック数/固有のCookie数」は一定期間に広告をみせた回数にある程度は比例すると考えられますので、リマケの配信を徹底して行うときの一つの指標にすると良いかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょう。
独自指標の提案でしたので、参考になるなーと感じる方もいればそれほどでも、と感じる方もいたかもしれません。
私事ですが、独自の評価指標という概念にとても興味があります。
それは、野球映画の大家「マネーボール」の中でも触れられている「セイバーメトリクス」という概念・考え方に触れたときから強くなっています。
一見して大した成果を出していない野球選手たちの、実は隠された強さを数字で暴き出して、自分たちのチームを強く組み上げ優勝を目指す監督の物語なのですが、隠れた指標を徹底的に分析するその監督の姿がとても印象的でした。現在、みなさんも御存知の通りアメリカの野球のメジャーリーグは選手の契約に巨額の金銭が動いていますが、その年俸の交渉のなかにも新たに生まれた指標が使われていたりするので大変おもしろいです。
話が脱線しましたが、みなさんも、面白い分析目線をどんどん発掘して、隠れた強みを見つけ出して、どんどん配信を成功させていきましょう!!