2025年10月14日より、Yahoo!広告 ディスプレイ広告（運用型）において「ポートフォリオ入札」機能が正式に提供開始されました。
ポートフォリオ入札は、複数のキャンペーンの入札戦略を一括で管理し、広告効果の向上を強力に後押しします。
本記事では、ポートフォリオ入札がもたらすメリットから、パフォーマンスを最大化する活用のヒント、そして利用上の注意点までをわかりやすく解説します。
ポートフォリオ入札とは
ポートフォリオ入札とは、複数のキャンペーンを一つの戦略にまとめ、ポートフォリオ全体で入札価格を最適化する機能です。
この機能は、キャンペーンごとに個別の入札戦略を設定する従来の方式とは異なり、複数のキャンペーンを一つのグループ（ポートフォリオ）として束ね、一括で管理・最適化することを目的としています。
ポートフォリオ入札利用のメリット
ポートフォリオ入札の利用は、広告運用に以下のようなメリットをもたらします。
- 新規・実績不足キャンペーンの安定化
- 運用工数の大幅な削減
それぞれ見ていきましょう。
新規・実績不足キャンペーンの安定化
実績豊富な既存キャンペーンと同一のポートフォリオにまとめることで、データが不足しがちな配信開始初期や実績の少ないキャンペーンでも、大規模なデータセットに基づいた比較的安定した広告配信が期待できます。
これにより、データ不足による自動入札の不安定さを解消し、早期の成果獲得をサポートします。
運用工数の大幅な削減
複数のキャンペーンにまたがる入札戦略の作成・調整・管理がアカウント単位で一括化されるため、キャンペーンごとの個別設定の手間が減り、運用工数を大幅に削減できます。
活用のヒント
ポートフォリオ入札は、「キャンペーン間の共有予算」機能と組み合わせることで、真価を発揮します。
入札価格の最適化に加え、予算もキャンペーン横断で柔軟に配分されるようになります。
これにより、パフォーマンスが高いキャンペーンに予算を優先的に割り振ることが可能となり、コンバージョン数やROASなど、設定した目標値達成の可能性をより一層高められるでしょう。
利用可能な入札戦略
ポートフォリオ入札で利用可能な入札戦略は、自動で入札価格を調整する以下の戦略です。
- クリック数の最大化
- 拡張クリック単価
- 動画再生数の最大化
- コンバージョン数の最大化（目標値あり/なし）
- コンバージョン価値の最大化（目標値あり/なし）
- 友だち追加数の最大化（目標値あり/なし）
- ビューアブルインプレッション数の最大化
利用上の注意点と制限事項
ポートフォリオ入札は強力な機能ですが、利用にあたって以下の点にご注意ください。
- 利用できないキャンペーン:キャンペーン目的「アプリ訴求」および「インストリーム広告」を配信するキャンペーン。
- パフォーマンスに関する留意点:ポートフォリオ全体で目標達成を目指すため、キャンペーンごとの利用金額やCPAに差異が生じる場合があります。
- 併用機能・編集の制限:
・キャンペーンのコピーはできません。
・A/Bテストの対象にすることは非推奨です。（最適化を考慮しないため）
・CSVインポート機能で入札戦略や入札価格を編集するとエラーになります。 - ツール・APIに関する注意:キャンペーンエディターやスクリプトは必ず最新バージョンにアップデートしてください。Yahoo!広告APIでは、現時点ではキャンペーンの紐づけができません。
- その他:
・レポートではSKAdNetworkの実績を確認できません。
・共有予算のリンク解除後、反映が完了するまではキャンペーンの紐づけ操作はできません。
まとめ
ポートフォリオ入札は、複数のキャンペーンを一括管理し、「共有予算」と組み合わせることで、成果最大化を実現する強力なツールです。
導入の際は、「アプリ訴求キャンペーンは非対応」「古いバージョンでの設定更新は要注意」などの制限事項を必ず確認し、今後の広告運用に活用していきましょう。
