皆さん、こんにちは!今回の記事はリスティング広告運用を始めた方や、広告運用2、3年と経験を積んで仕事になれ始めた方向けの記事になります。特に広告運用の数値報告をした際、クライアント様と話が中々噛み合わず、悩んでいる方は是非ご覧下さい。
それ、きっとクライアント様との「成果の目線」でズレが出ています!
広告運用をお任せ頂く際、求められるもの一つとして当然「成果」になりますが、「管理画面の数値」に固執していませんか?「管理画面の数値」を追うことはもちろん必須です。ただ、クライアント様によっては管理画面外の数値(成果)が求められるケースが多々あります。
本記事で紹介したいのがまさに上記で、「管理画面外の数値」をもとに広告運用をしたことで、大幅に成果を上げた事例がありましたので紹介させて頂きます。「成果の目線」について意識付けにつながる記事となれば幸いです。
なぜクライアント様との目線が違うの?
当たり前ですが、クライアント様が管理しているWEBの売上数値と管理画面に出ている数値は当然違います。リスティング広告の成果は、管理画面内のコンバージョンとして計測した数値しか基本目に見えません。
対して、クライアント様はWEBから流入したユーザーのアクション(※)すべてが把握出来るため違うのです。※実際の来店や、サイトを見ながら電話やFAXなど。
非常にシンプルですが、上述の通り見ている情報が違うため、「成果の目線」がズレるのです。分かっているわ!という方は多々いると思います。ただ、クライアント様の数値報告で話が噛み合わないのは、その「成果の目線」がズレることで引き起きている可能性が非常に高いです。
じゃあどういうことか、早速事例の紹介に移ります。
事例の紹介
今回紹介するクライアントの概要は下記の通りになります。
- 商材:スポーツ器具の通販サイト
- 目的:取り扱っているスポーツ器具の購入者獲得(CV最大化)
- コンバージョン:カートに入れた商品の購入完了
補足:コンバージョン計測できるものは、上述の「カートに入れた商品の購入完了」となりますが、クライアント様の商材上、購入者のアクションに「FAX」「電話」による注文があります。
では、まずは管理画面で確認できる数値結果をみてみましょう。
管理画面の数値結果
下図がとある月の配信実績となります。
クライアント様の商材は複数ある中で、シリーズ毎に集約されるため、キャンペーンも同様にシリーズ毎に構成しています。この結果だけを見ると、皆様は次月どういった施策に着手・提案するでしょうか。CVR・CPAが最も良い「商品シリーズA」の配信量を強化させますよね。
クライアント様の反応
では実際、次月は「商品シリーズA」の配信を強化していきましょうの提案に対し、実はクライアント様の反応はあまり良くなかったです。そうです、ここで先方が見ている成果のズレが出ていました。
クライアント様が見ている数値
WEB全体の販売実績となります。クライアント様はこちらの実績を管理しており、次月以降の見立てを考えていました。当然、商品には販売価格(商品単価)が存在するため、その数値を加味すると、リスティング広告の管理画面で見ている結果と違ってきませんか?
そうです。赤字の通り、クライアント様のWEB全体の売上貢献度が高いのは「商品シリーズA」ではなく、「商品シリーズCとD」になります。広告配信の目的は「取り扱っているスポーツ器具の購入者獲得」なのに、見ている情報が違うだけで成果の視点も大きく変わりますね!
では、次月配信を強化するのは「商品シリーズCとD」になるのは明白です。その方向で話をすり合わせ、2ヶ月目はひとまず「商品シリーズAの少し配信量を抑え、商品シリーズCとDの配信量を強化する」方針が決まりました。その結果が次になります。
次月の配信結果
結果は施策通り商品シリーズCとDのクリック数を増加をさせたことで、WEB全体の販売実績で「購入者」「商品売上」が大きく上がっています。売上合計した数値で比較してみましょう!
1ヶ月目の売上合計:3,329,000円
2ヶ月目の売上合計:4,363,500円
クライアント様もご満足頂き、2ヶ月目の結果をもとに、さらに3ヶ月目以降の進め方の施策や調整に話がスムーズに進んでおり、次の結果も楽しみです。
まとめ
如何でしたでしょうか。見ている情報一つで、互いが認識している成果について違いとその重要性が伝われば幸いです。今回はクライアント様が見ている情報に「商品単価」という情報がありましたが、それに限らずお客様が見ている情報と我々が見ていない情報の切り口は山程あります。
分かっている方も第三者として関わる場合は理解していても、当事者の場合、意外と忘れてしまうなんてことあると思います。そういう時こそ、この記事を思い出して頂けたら幸いです。
終わりとなりますが、成果の目線がズレて話が進まない場合、その情報の切り口をヒアリング出来ない限り、一生前に進みません。クライアント様もご自身の目標を達成したいはずなので差し支えない範囲で協力していただけるはずです。思い当たる方はぜひ確認を進めてみてください!思わず、「あーっ、そういうことか」と、話がスムーズに進むと思います。