こんにちは。運用者の多々良です。
カルテットコミュニケーションズではお客様が現在運用されている広告アカウントを分析させていただいたり、社内で勉強会が開かれたりと、自分以外の人が運用しているアカウントを見る機会に恵まれています。数え切れないほどのアカウントを分析して見えてきた改善パターンから、どれだけ新機能が追加されてもやはり基礎中の基礎であるアカウント構成がとても重要だということを強く感じます。
そこで今回は、Google広告が推奨するアカウント構成の指針『Hagakure(ハガクレ)』構成について、よくある失敗パターンを交えながら改めてご案内したいと思います。
『Hagakure』とは???
『Hagakure』(Hagakure構造)とは、Google広告が推奨するアカウント構成の指針のことです。まず初心者の方はこの時点で「構成の指針???」という感想ですよね。非常によくわかります。私も昔はそうでした。Hagakureを一言で表すと「アカウント構造のシンプル化」です。
弊社が分析してきた数え切れないほどの広告アカウントでも、Hagakure構造によってそのほとんどでパフォーマンス向上を感じています。広告費をやたらに追加したり難しい機能を使わずとも、基本となるアカウント構造を見直すだけで、リスティング広告はもっと効果を発揮できるポテンシャルを秘めているのです。
ではそのHagakureを使うとどんな良いことがあるのでしょうか?
Hagakureのおすすめポイント
- とにかく管理が楽!
- データの収集効率が抜群にアップしてPDCAを早く回せる!
- 自動入札機能が働きやすい!
注意するポイント
- まず勉強しなければならない
- 自分なりのHagakure構成にしたつもり「エアーHagakure」になりがち(私の造語です)
- 結局は継続的なメンテナンスが必要。Hagakureにしたからと言って放置は厳禁
『Hagakure』のポイント
ということでまずはこちらHagakure構造の図解をご覧ください。1つのキャンペーンの中に複数の広告グループを作成し、その広告グループの中には複数のキーワードや広告文を作成します。これだけなら簡単ですが、実は意外と多くのアカウントで出来ていないのが各キャンペーン・広告グループ・キーワードの分け方です。
キャンペーンは〇〇で分ける
以下の項目が異なる配信ではキャンペーンを分けましょう。逆にここが変わらないのであれば特別な理由が無い限り無駄に分ける必要はありません。無意味にデバイスで分けるようなことはキッパリやめましょう。
- 配信期間
- 予算
- 地域
- 目標CPA
広告グループはキーワードの〇〇で分ける
ココが非常に重要で、「エアーHagakure」になりがちなポイントです。広告グループはキーワードのテーマ別に分けましょう。アカウント分析をしていて、これが一番の”あるある”改善ポイントになります。
キーワードは極力1つの広告グループにまとめ、下図のようにキーワードのテーマ(商品カテゴリ・サービスカテゴリ)が変わる時にだけ分けるようにします。するとインプレッションデータが一つの広告グループに集約され、キーワードや広告文のPDCAをより早く正確に回せるようになります。また、広告グループ単位で集計される年齢や性別などユーザー属性の傾向をいち早く掴み、入札単価調整比の強化抑制判断ができるようになります。
例えば服を収納するタンスを思い浮かべてみてください。柄が異なる靴下を、わざわざ別の引き出しにバラバラにして収納することってありませんよね?皆様たとえ柄が違っても靴下は一つの引き出しにまとめて収納すると思います。それと同じで、テーマが同じキーワードは同じ引き出し(広告グループ)にしまいましょう。
よくある悪い例
キーワードのマッチタイプ別に広告グループを分けている
マッチタイプ別に広告グループを分けて、マッチタイプごとのパフォーマンスを比較することに意味はありません。1つの広告グループにまとめましょう。
同じキーワードテーマなのに広告グループを分けている
とにかくこのパターンが一番の改善点あるあるです。1広告グループ1キーワードを変えたからと言って安心してはいけません。同じテーマのキーワードで広告グループを分けることはやめましょう。インプレッションデータが分散し、最適化の効率が悪くなります。
まとめ
以上、Hagakure構成を知っている人からすれば当然過ぎて、ここまでスクロールされたかもしれませんが、ちょっと待ってください。本当にそのアカウントはHagakureになっていると言えますか?したつもりになっていませんか?
迷ったときには一人で考えずに、媒体のサポートに相談したり専門の代理店に運用代行を依頼するなど、専門家の手を借りることをオススメします。