最近、Google広告が続々とアップデートされていて、期待感にワクワクの岩佐です。
今回は、精度が高まっていると噂の、入札自動化、特に「目標コンバージョン単価」の挙動について、テスト・検証してみました。
◆目標コンバージョン単価って?
「Google 広告スマート自動入札戦略の 1 つで、指定した単価でコンバージョンを最大限に獲得できるように入札単価が自動調整されます。高度な機械学習とオークションごとの自動入札機能により、オークションのたびに入札単価が自動的に最適化されます。」
従来のコンバージョン オプティマイザーが改称されたものですね。
参考:
https://support.google.com/google-ads/answer/6268632?hl=ja
「最適化案」を確認してみよう
最適化案のタブを確認すると、様々な改善案が提示されます。
その中で、スマート自動入札(目標コンバージョン単価)が推奨されている場合は、導入を検討してみると良いかもしれません。
下記のように、目標コンバージョン単価ごとのCVやコストの試算も確認できます。
下書きとテスト機能の利用がおすすめ
最適化で提案されてはいても、いきなり全面導入はしにくいですよね。
Googleでは「下書きとテスト」機能を使えば、テスト配信で成果を比較することができます。
変更したデータと既存データの配信割合も任意で決めることが出来て(手動50:自動50の配信割合で設定すれば、予算半々で成果を比較できます)、成果が良かった場合に設定を既存データに上書きすることも出来ます。
下書きとテストを使うと、検索ネットワークとディスプレイ ネットワークのキャンペーンの変更を提案し、試してみることができます。下書きを使って、キャンペーンに複数の変更を準備し、変更を元のキャンペーンに適用したり、新しいテストを作成したりすることができます。テストを実施することで、キャンペーンに変更を適用する前に掲載結果を測定し、変更することでどのような影響が生じるかを把握できるようになります。
参考①:「キャンペーンの下書きとテストについて」
https://support.google.com/google-ads/answer/6318732?hl=ja参考②:【Google AdWords】 ~キャンペーンの下書きとテスト機能~機能紹介・設定方法
https://quartet-communications.com/info/listing/column/29528
目標コンバージョン単価の挙動をテストしてみた
上記は、テストしたキャンペーンの結果です。
直近1週間はCVが少ないですが、CPAも徐々に改善されていっていますね。
最初の2週間でCPCの調整をして、3週目から入札を大幅に強化し、その後一気にCPCを抑制する動きが見て取れます。
3月最終週にキャンペーン予算を抑制する変更をしてしまったのもあり、再調整がかかって4月初週は成果が下がってしまっています。
さらに細かく挙動をチェックしてみた
日別、時間別で推移を追ってみると、頻繁にCPCが変動していることがわかります。
毎日1時間ごとに入札調整するのは人間には困難なので、スマート自動入札の最大の強みはコレですね。
・日別
・時間帯別
目標コンバージョン単価で気をつけること
実際に運用してみて、いくつか気づいたことがあったので、まとめてみました。
スタート後、最低2週間は設定を変更しない
入札を強化して伸び幅を見た後に、CPCを下げて適性な価格帯に収まるようにしているようです。
その間に変更してしまうと、変数が多くなり、また調整し直しになってしまいます。
挙動が安定しなくなるので、最低2週間はじっと我慢が必要です。
配信途中で設定を変更した場合は、再度安定するまで、2週間程度かかる
月の予算変更やキーワード追加、目標CPAの変更等を行うと、入札の再調整が行われてしまいます。
初回の調整以降、軽微な変更であれば数日で安定することもあるようですが、安定して成果が良好な際は、あまり変更を加えないほうが良さそうです。
予算によるインプレッション損失が発生しないようにキャンペーン予算を多めに設定する
一日の中で入札価格が大きく上下しているようです。そのため、キャンペーン予算が少ないと短時間でクリックが集まってしまった場合はそこでストップしてしまい、データの収集に時間がかかってしまいます。設定初期はむしろ予算を多めに設定して、早期に調整期間を終えたほうが最終的なCPA、CVRは向上しそうです。
電話コンバージョンとメールコンバージョン等、CVの内訳に気をつける
CVが増えたように見えても、電話CVが増えていただけで、メールCVはむしろ減っていた、なんていうことも…。電話のように敷居の低いコンバージョンポイントを設定している場合は、要注意です。
まとめ
手動入札になれていると、スマート自動入札の調整期間を待っていられず、取りやめてしまいたくなるケースも多いかと思います。
しかし時間帯、エリア、デバイスに留まらず、人間では追いきれない莫大なデータを元に最適化を行ってくれるのがスマート自動入札の最大のメリットです。
スマート自動入札を導入する前提で、成果を上げるための方策を確立できるか、が今、我々運用者にも求められていることなのかな、と思います。
うまく付き合っていって、より良い成果を目指していけると良いですね。