みなさんこんにちは。
今回は広告の配信精度を高める施策の一つであるアカウント再構築についてご紹介いたします。
パフォーマンスの良い部分にもっと注力して配信したい!長年運用してきてアカウント構成が煩雑になってきたから一度整理したい!そんなお悩みを持つ運用者の方の参考になれば幸いです。
アカウント再構築とは
アカウント再構築とは、現在配信しているアカウントの構成を一度見直し、再度新しくキャンペーンや広告グループを組みなおすことを指します。
一度アカウント内容をすべて洗い直すことによって、これまでの配信の中でパフォーマンスが良かった部分に特化させたり、新たな発見から次の施策を導き出すといったメリットがあります。
どんなタイミングがオススメ?
そんなアカウント再構築ですが、私が個人的に考えるオススメのタイミングをご紹介いたします。
CPAを改善するために、一度すべて見直したい
広告配信のKPIがCPAである際に、様々な施策を講じてCPAの改善を目指すと思います。
そんな時に、一度アカウントをすべて見直して新たに組みなおすアカウント再構築では、組みなおす際になかなか成果に結びつきにくい部分などを削っていくため、CPAの改善に役立てることが可能です。
長年の運用でアカウント内容が煩雑になってきた
長い期間配信をする中で、キャンペーンや広告グループ、キーワードなどを何度も追加してきた結果、アカウント構成が煩雑になってきたことはありませんか?
アカウント再構築はそれらの複雑な構成を一度見直し、再度まとめなおすといったことにも役立てることができます。
アカウント構成の方針が変わった
アカウント構成の仕方は運用者によって様々だとは思いますが、構成内容のセオリーが変わった際などにまとめてアカウント再構築をするのがオススメです。
例えば、広告グループを複数に細かく分けて構成する方針で運用していたとします。
その後、構成をよりコンパクトにするために広告グループ数を少なくする方針に切り替わった際に、併せてパフォーマンスの良い部分を移行させるといったことに役立てることができます。
再構築する際の選定指標
さあアカウント再構築をやろうと取り組み始めたものの、何を基準に組みなおすかは悩むところですよね。
今回私がアカウント再構築する際に基準とする指標をいくつかご紹介いたします。
CV数
まず1つめがCV数です。当たり前の話ですが、CVを獲得しやすい部分により注力して配信したいですよね。
CVをよく獲得できているキーワードや広告文などを新しい構成に組み込んでいくと思いますが、その際に注目してほしいのが検索クエリです。
これまで配信してきたデータを集計し、CVを多く獲得できている検索クエリをキーワードとして登録することで、再構築後に新たな動きを見せ、さらにパフォーマンスが向上することがあります。
キーワードとして追加する検索クエリの表示回数やクリック数が多いとデータとしての優位性も高まるため、ぜひ追加をオススメします。
CPA
前述したように、CPA改善のためにアカウント再構築をするケースもあるため、その際は当然CPAを指標に再構築することになります。
CPAを抑制するためには、配信の中で削れそうな部分を削る施策がメインとなってくると思います。
CPA改善のためには、以下のようなポイントに注目することが重要です。
- キーワード
- デバイス
- スケジュール
- ユーザー属性
- etc…
上記のようなポイントは、普段のアカウント改善にも役立てる指標ではありますが、せっかく新たに組み直すので再度押さえておきたいポイントですね。
特にキーワードはCPAの良いものを移行させることによって、クリティカルに全体のCPAを抑制することができるケースが多い印象です。
予算
月額予算が変わった際などには、アカウント再構築をするいい機会かもしれません。
特に予算が減額になった際などは、これまでと同じような配信内容だと予算切れになってしまう可能性が高まるため、パフォーマンスの良い部分を選定して再構築していきたいですね。
アカウント再構築時の注意点
アカウント再構築をする際にはいくつか気を付けて頂きたい点もあります。
押さえておきたい注意点の一例を簡単にご紹介いたします。
統計データのリセット
アカウント再構築をすることで新たなキャンペーンや広告グループに移行することになるため、これまでの統計データがリセットされ、再度データを取集する形になります。
そのため、元データがなくなる影響でキーワードごとの表示回数に差が出てきたり、品質スコアが以前より低下するといったリスクを伴います。
もちろん再構築後の方が表示回数が多くなったり、品質スコアがさらに高まる可能性もありますが、悪化する恐れがある点は念頭に入れておきたいですね。
広告文のA/Bテストもリセット
統計データリセットの影響から、広告文のデータも一度振出しに戻ることになります。
すると、再構築前はA,B,Cの3パターンで配信しているうちのAパターンがパフォーマンスが良かったとしても、再構築後はBパターンやCパターンの方がパフォーマンスが良くなる可能性もあります。
時期によって広告を見るユーザーが異なったり、再構築後に広告パターンの出す頻度が変わったりしてA/Bテストに影響を及ぼす可能性もある点注意が必要です。
事例紹介
それでは、アカウント再構築をしてパフォーマンスが向上した事例をいくつかご紹介いたします。
事例①
アカウント概要は以下の通りです。
- 商材:清掃の代行業者
- 地域:全国
- 配信媒体:Yahoo!
- CV地点:電話タップ、お問い合わせ
様々な訴求内容で広告グループごとに分けて配信しておりましたが、お問い合わせ獲得実績の高い広告グループに注力し、CV数増加を図るべくアカウント再構築を実施。
再構築前と再構築後の結果は以下の通りです。
CVをあまり獲得できていなかった高単価なキーワードなどを削り、成果の良かったキーワードを集めて再構築した結果、CPCが下がりIMPとCT数が増加。その結果CV数増加につなげることが出来ました。
事例②
アカウント概要は以下の通りです。
- 商材:日用品のECサイト
- 地域:全国
- 配信媒体:Google,Yahoo!
- CV地点:購入完了
長年の運用で様々な日用品のキャンペーンや広告グループが追加され、アカウント構成がかなり煩雑になってきたため、よく売れる商品に特化することでCV数増加とCPA抑制を図るべくアカウント再構築を実施。
再構築前と再構築後の結果は以下の通りです。
よく売れる日用品を中心とした構成にした結果、IMPとCTRが上がりCV数が増加。それに伴ってCVRが上昇したためCPAの改善にもつなげることができました。
事例③
アカウント概要は以下の通りです。
- 商材:警備員の求人
- 地域:全国
- 配信媒体:Google,Yahoo!→Googleのみ
- CV地点:電話タップ、登録完了
他事業への進出などの影響で求人にかける広告費を減額。予算が下がるため、配信媒体をパフォーマンスの良かったGoogleに絞ってアカウント再構築を実施。
再構築前と再構築後の結果は以下の通りです。
Googleの成果の良かった部分とYahoo!の成果の良かった部分を集め再構築。さらにはデバイスやスケジュールなども細かく見直し新構成にて配信を行った結果、CPAの改善につなげることができました。
まとめ
今回はアカウント再構築のタイミングや基準とする指標、実際の事例なども交えて解説させていただきました。
今回ご紹介したタイミング以外で再構築を行う機会もあると思いますし、削るための指標もまだまだあると思います。
大事なのはアカウント再構築をすることによって、パフォーマンスのより良い部分に注力し配信精度の向上に役立てることだと思います。
さらに言えば、再構築前の配信データも非常に重要になってくるため常にPDCAサイクルを回して配信を行っていきたいですね。
みなさんも一度アカウントの構成内容を見直してみてはいかがでしょうか。