クライアント「バナーのABテストしたいからさ、今のバナーは止めずに新しいバナー追加してよ」
運用者「あじゃーす!ぃよぉろこんでぃ!」
まあまあ、よくある話です。
けどちょっと待って!その前に考えたい
「新しいバナーを追加したときって、表示を分け合う感じになる」と思っていませんか?
※予算による制限なし、入札変えず、同サイズ、が前提。
いいえ。新しいバナーを追加すると、その分表示が増える可能性があります。
これを知らずに新しいバナーを追加すると、今までのバランスがくずれパフォーマンスが悪化することがあります。
ずっとYDNで成果の出ていたアカウントで、バナーを追加した途端、急激にパフォーマンスが悪化した事例をご紹介します。
事例
このアカウントはYDNでリタゲを実施しており、毎月安定したCPAでコンバージョンを獲得していました。ところが6月前半、全くコンバージョンが取れなくなりました。
最初はコンバージョンタグの不具合を疑いましたが、どうやらそうでもない模様。
このタイミングで行った変更はバナー追加。バナーを追加したことで、表示・クリックが増えるのは想定していましたが、クリック増加に対してコンバージョンは激減。
なぜか?
次にこちらをご覧ください。バナー追加前後の各広告グループの数値の推移です。
このアカウントは広告グループを年齢×広告タイプで分割しています。
青字が成果の出ている広告グループ、赤字は成果の出ていない広告グループです。
バナー追加後、成果の出ていない広告グループの表示が増え、他の広告グループがほとんど表示されなくなっていました。
なぜかは、想定になりますが、Yahoo!もGoogleも広告を表示するのに一番重要視しているのが「品質」で、ユーザーに役に立つ広告が評価されるシステムを取り入れている以上、予算による制限がかかっていなくても、広告が表示されていないユーザーがいるのかもしれません。既存のバナーは役に立たないと判断されたユーザーに対して、新規のバナーを追加することで表示がされるようになるからだと考えられます。
現に、フリークエンシーレポートを確認したところ、ユニークユーザー数が増えていました。
その後、特定の広告グループの入札を下げ、日予算を強化したところパフォーマンスは戻りました。
まとめ
この現象はバナーで起こりましたが、おそらくテキストでも起こりうるのかと思います。
ちなみにAdWordsでも同様にバナーの追加をしましたが、パフォーマンスに変動はありませんでした。
新しい広告を追加することで、全体のバランスがくずれることがあるということを念頭に置いて、施策を行うべきですね!